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第六話:『俺…これじゃクラス守りたくなくなっちまうよ…』

授業の頻度が落ち着きさらに一週間

相も変わらず教室は無いので

空き時間は自主勉かデドイカ君とかと腕相撲したりした。


「そういや」

「ん?」

「中央組関係の噂なんだが」

「おう」

「新しい生徒落とすらしいぜ」

「ん?早くね?」

「早えんだよな、早くてもあと一二か月はある筈だが」

「ふむ…まぁ理由はわからんけど教えてくれて助かる」

「おうよ、友人だろ」

「だな!」


いい意味でデドイカ君は噓つかない性質なので

この話も確かな筋か、一過性の噂では無いのだろう

しかしだとすれば…。


「嫌がらせの方向性変えてきたか」


十中八九クラス評価を下げに来たのだろう

授業の方はどう転んでも評価を下げれば不正になって

首を絞めることになるが、クラス評価は一人突出した成績があっても

下がってしまうので、その分評価を削れるという魂胆だろう。

一流の魔術師は周りの環境をも良くさせるという理論であり

表向きは大層な教育思想だが、実際のところ

些か才能に欠けるが貴族だったりスポンサーに関係する子も

合法で高評価を付けるためのシステムだ。


「まぁ、どういう連中が来るかだな…」

「そこら辺はわかんねぇんだよな

 毎度全クラスから出るもんだが…うちの東クラスでも

 噂はされてるが、特に誰かが行くかは…」

「そこまでわかんなくても仕方ないって

 んじゃそろそろ戻るわ」


どういう面々が来るか次第だが、ここまでくると意地だ

なんとかしてクラス評価も維持したいもんだ。





「カルネ君、今大丈夫ですか?」

「どうかしました?」

「そのですね、クラスの件で大事なお話が二つ…」


一つはなんとなくわかる、もう一つ…?


「まず一つ目ですが、うちのクラスに

 生徒が五人増えます…」

「やっぱりその事ですか」

「あれ?知ってました?」

「噂になってまして」

「ああ…」


とは言え、五人か…

どういう面々になるのか全く見当もつかない。


「もう一つはですね、うちのクラスの人数増加により

 教室がやっと貰えました!」

「おや、ソレは良いじゃないですか」

「はい! といっても4クラス程豪勢な場所ではありませんが…」

「そこはまぁ…」


ぶっちゃけ俺と先生含めて七人で

あんなにきれいな教室はかえって落ち着かないし…。


「と、いう事で今回は一足先に教室、見ておきましょう!」

「了解です!」


と、言ってみたはいい物の、まぁ想定外でもないボロ屋が増えてただけで

中も正直言ってどう見ても手抜き満載だった。


「…ちったあ整理してからじゃないと

 新入りが泣きますね」

「お掃除、しますか…」

「ですね、『屍使役(ネクロマンス)』!」


器用な『アンデッドシーフ』や『ポルターガイスト』を召喚し

ボロ教室を整備したのだった…。



日が落ちる頃、ボロかった教室は

マシな見た目になり、なんとか日々の学びを邪魔しないほどになった。


「…便利ですね、その『屍使役』」

「ええ、臨機応変に出せるんで

 雑用もちょちょいのちょいですよ」


後ろでアンデッドシーフが親指あげて土に還る

ゴーレムと比べても気軽かつ出来る幅が広い優秀な魔法だ。


「明日、どんな子が来るんでしょうかね」

「…先生も聞かされてないんです

 人数だけで、多分本人たちも知りえないでしょう」


なんとも考え物のシステムだが

これでもう何十年もやってるのだ

今更治すことも気も無いだろう。

俺にできるのは、ただ明日来た面々と一緒に

バカみたいな企みをぶっ飛ばす事だけだ。






そこそこ綺麗になった教室で

黒板の前に並ぶ五人、それぞれ表情は重かったり

俺の顔見てたり、何も見てなさそうな顔だったりした。


「元西組、東方より来たコタマ・イザナミです

 適正魔法が無い為、こちらに送られました

 よろしくお願いします…」


随分風変わりな服装の女の子だ、適正が無かったのか…。


「同じく元西組、聖女候補だったジルチェナ・レリアです

 成績不備でこちらに来ました…よろしくお願いします。」


コッチに来た理由は別に聞いてないけどいう流れになっちゃったみたい

聖女候補の一人だったのか…。


「元東組、マリオン・コンロル

 態度が悪かったからだとかなんとかで来ました、まったく度し難い…。」


今度は気だるげな男の子だ、なんか絡まってるように見える

…人形か?アレ?


「元北、騎士見習いのヴァルト・ペンドラゴンだ

 魔法が使えないからこうなった」


全身鎧ってお前なぁ…そして魔法が使えない!!??


「元南、クリミア・リアス

 裏で色々商売してたのバレて退学の代わりにこの立場でね

 ま、ご贔屓にして頂戴」


正直言って小学生にも見間違う低身長なヤツだ

でも…商売…????


「え~…みんな色々あったと思うけどね

 心機一転中央組で頑張りましょう!」


空気に耐えかねた先生が声を上げるが

イザナミは全てを諦めたような顔

レリアは絶望が見え隠れ

コンロルは下らないと言わんばかりで

ペンドラゴンは鎧でわからん

リアスは不敵に二やついてる。


…俺、やってけるかな…。







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