表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/60

第四十九話 ここにきてライバル登場!いや長身イケメン多すぎだろ

それからの翔太は、生まれ変わったかのように、就職活動に邁進した。

次から次へと、興味のある企業を片っ端から当たっていく。

今までの遅れを取り戻すべく、説明会に熱心に足を運び、先輩から面接の極意を教えてもらい、実践していった。

結果はー……不採用の嵐だった。


「何故だあああ!!!」


何処までも続く、CGみたいな晴天の元。

リクルートスーツに身を包み、カレーパンを片手に翔太は、思わず咆哮した。

対して凌は余裕綽々で、ブランド品の白いシャツと黒いパンツという、ホストを彷彿させる装いだった。

彼は年齢に見合わない、悠然とした振る舞いで、


「まぁま、まだ10社だろ?これからだって」

「既に20社だよっ!気になるとこは殆ど受けたよっ!」

「100社以上落ちる奴だっているんだからさ。気長にいこうぜ」

「だよな……ってお前は就活してないだろ。親の会社継げばいいんだろ」

「あ、バレたぁ??」

「くうう」


こいつに相談したのが馬鹿だった。

翔太はジロリと睨み付け、唇を尖らせた。

幼稚な行為だと、自覚はしているけれども。

大学の敷地内に設けられているベンチにて、二人の不毛な会話は続けられた。


「もしもの時はうちに来いよ。翔太なら即採用するって」

「それは……有り難い、けれど……」


凌の気遣いに、つい心が揺れてしまう。

そりゃそうだ。

何せ彼が継ぐ企業は大手も大手、そこに勤めれば将来は約束されたようなもの。

しかし所謂コネで入社をするのは、どうしても気が引けた。

甘い考えなのは、重々承知なのだが。


「もうちょい自分で頑張ってみるよ。でないと、おやっさんにも認めてもらえないだろうし」


生半可な気持ちで就職して、小春を幸せに出来るとは思えない。

やるだけのことはやらないと、申し訳ない気がする。

凌はフッと口元を緩め、くしゃくしゃとこちらの頭を撫でて、


「そう言うと思った。ま、やるだけやってみろよ。いざとなったら、来たらいいから」

「サンキューな。俺、凌に助けられてばっかだわー情けねーや」

「んなことねぇよ。……元はお前が、救ってくれたんだし」

「ん?」

「いーや、何でもないっ!とにかく、頑張れ。愛の為に」

「おうっ」


愛の為に、か。

これ以上ない励ましだ。

今こそ小春さんの笑顔を思い出そう。

いつもはキリッとしている瞳が、俺の前だと蕩けて愛らしくなって、白い清潔な歯が唇の隙間から覗き、堪らなくキュンとする、……。

何だか、会いたくなってきた。

近頃LINEばかりで、直接顔を合わせていない。

バイトも就活が落ち着くまでは、休ませてもらうようにしている。

会いたいな。

会って、その、イチャイチャしたい。

そうすれば、これからも頑張れる気がする。


「久しぶりに、お店行こうっと」


そう決めたら、急に気持ちが高揚してきた。

こうなったら何も言わずに、サプライズしちゃおうっと。

きっと小春さんも喜んでくれるはず!

『え、なに、翔太~!会いたかった♡』とか、甘えてきたりして……ムフフ♡

途端に気持ちが上向いた翔太は、スキップしそうな勢いで、中華料理屋へと向かった。

寂しい想いをさせてごめんなさい、小春さん。

今直ぐに、未来の旦那さんがそちらに行きますよー……なんて。

間抜け面全開で、惚気ていたのだが。

店の扉を開けると、そこには。

営業時間外にも関わらず、見知らぬ長身イケメンが立っていた。


「!!??」

「あ、すみません、今まだ準備中なんですよ」

「!?!?」


まるでベテランの従業員のようなこの振る舞い……何者だ!?

淡いブルーの瞳に、陶器を彷彿させる白い肌、それに映える真っ赤な唇……。

え、お前は芸能人か??

兄貴や凌に勝るとも劣らないイケメンを見るの、初めてかもしれない。

しかも……デカい……完全に見下ろされている……!!

翔太は動揺のあまり、暫し身動きが取れなかった。

そこへ、


「あ、翔太~久しぶりっ!ちょうど良かった」

「こ、小春さんっ」


いつもと変わらぬ態度の小春が現れ、ホッと胸を撫で下ろした。

のも束の間。


「この人、うちの跡継ぎになってくれるの。笹野 雄大さん。仲良くしてね!」


長身イケメンの衝撃の正体を知り、漫画の如くボトリと、鞄を床に落としてしまった。

ブックマーク・評価・ご閲覧ありがとうございます!

気に入って貰えたら、ブックマーク・評価して頂くと大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ