第三十七話 男の友情が悲劇の幕開けとなる
終わった。
何もかも、終わった……。
翔太は机に突っ伏して、口をあんぐりと開け、目線を彷徨わせていた。
凌は深く溜め息を吐き、頭をグリグリと拳骨で弄ってきて、
「おいおい、一回失敗したくらいで何だよ。誰でもあるって、そんくらい」
「……凌もあんの……?」
「いや、俺は一回もないけど。満足させてばっかだけど」
「殴るぞ、マジで」
誰もいない講義室。いや、こんな話題、誰かに聞かれたら一巻の終わりだ。
あれから翌朝になって、翔太と小春は暫し無言のまま向き合っていた。
こんなに気まずい沈黙は、なかなか経験出来まい。
彼女も相当辛かったろうに、しかし笑みは絶やさず、
『仕方ないよ!また次、ね。頑張ろう!』
小春さん……その優しさ……逆に傷をえぐります……。
あの時食べた朝食の食パンの味は、一生忘れられない。
ちょっとしょっぱかったな……へへ……。
敗因は何だったのか。
どんなに考えても、思い浮かばなかった。
確かに彼女はタイプであるロリ巨乳ではないが、ムラムラはしていたし、途中まではシミュレーションどおりだったのに!
翔太は髪の毛を掻きむしりながら、
「ああ~俺はもう駄目かもしれない……一生もう……」
「はぁ、いつも無駄にポジティブな癖に。しゃーねぇな、もう一度ちゃんとレクチャーしてやるよ」
凌が苦笑混じりに言い、翔太はチラリと横目で一瞥した。
「ちゃんとレクチャーって何。つーか、真里菜さんはいいの?」
「ああ、今彼女旅行に行ってるんだ。という訳で、時間はたっぷりあるし」
俺は暇潰しの相手ってか~?
というか真里菜よ、お前、本当に仕事してるのか。自由過ぎるだろ。
少々疑問は残るが、今は藁をも縋りたい気分だ。
ここはもう一度、体制を立て直さなければ。
「分かった。凌、よろしく頼む!俺と小春さんの、明るい未来の為に!!」
「よっしゃ、任せろ!!」
何だかんだで友人想いの凌に、翔太は心底感謝の念を抱いた。
これが更なる大騒動の引き金になるとは、思いもよらずに。
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