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第三十三話 長身イケメンとロリ巨乳の、もっとも過ぎる話

「さいってー。お金出してもらって、家事までしてくれてたお兄さんに、何てこと言うのよ。ほんっと小さい男」

「だよなー真里菜の言う通り!感謝の気持ちが足りないわ」

「凌はいつも親御さんにありがとうって言ってるんだよねー♡エライエライ」

「当たり前だろ。こうして好き勝手出来るのも、親のおかげだし。卒業したら、俺が支えないと駄目だけどな」

「ほんっと大人~!惚れ直すわ~」

「へへ、これ以上惚れちゃう?ヤバくない?」

「……っていつの間に二人付き合ってんのー!!??」



大学の近くのカフェにて、凌と待ち合わせたら、当然の如く真里菜までやって来て(この人、ちゃんと仕事してんのか?)。

拓真とのことを相談するも、二人揃ってこちらを責め立てるものだから、白目を剥きそうになった。

いやそれ以前に、交際してると知って、気を失いそうになった。

何てこった。

凌がヤンデレのメンヘラがお好みだったとは……。

まぁ巨乳だけど!顔も可愛いけど!!

不信感を露にすると、真里菜はキャラメルマキアートをすすり、平然と凌との馴れ初めを語った。


「あれからすぐ連絡先を交換したの。言っておくけど、凌からだからね」

「だってやっぱ、真里菜は可愛いし、守ってあげたくなるっつーか。あそこでバイバイなんて、無理だった」

「ふふっ。まぁある意味、翔太くんはキューピッドかな。だからこそ、ちゃんとアドバイスしてあげてるんだよ?」


何てことだ……。

俺のせいで親友を悪の道に引きずり込んでしまった……(?)。

翔太は頭を抱え、二人のラブラブぶりをぼんやり見据える。

って今は、そんなことを気にしている場合ではない。


「で、でもさっ。兄貴も悪いだろ!?あれじゃストーカーじゃんっ。凌ならわかるよな?」

「別に?家族がバイト先に来るなんて、よくある話だろ」

「うっ」


一刀両断され、言葉に詰まる。

凌は良くも悪くも中立な立場で、正論を言ってくる。

更に今回は、真里菜という小姑がいるのだ。

案の定、彼女は瞳の色を変え、


「てか何なの?小春がお兄さんを好きになるとか、寝惚けてんの?浮気とか、バカなの?あの純粋な子がそんなこと出来ると思う?そんなことも分からずに付き合ってんの??」

「ううっ」


この悪魔め……!!

仲直りさせてあげた恩を忘れているのか!?

だがそんな不満を口にしたら、ケツの穴が小さいと罵られるに違いない(実際そうだし)。

それに悔しいけれど、真里菜の言うこともまた正論であった。

カップル揃って正論好きかよ。

美男美女の時点で恵まれてるのに、これ以上レベルアップしてどうする。


「ともかく、お兄さんには謝れよ。さすがに言い過ぎ。翔太も自覚あんだろ?」

「……まぁ、それは……でも、LINEも既読にもなんねーし、電話も出ねーし……」


凌に諭され頷くも、現状を説明したら、二人は顔を見合わせた。

そして凌が真顔で、指摘する。


「それってさ……もう帰って来ないんじゃね?」

「へっ!?」


情けないまでに、素っ頓狂な声が出た。

慌て口を塞ぎたくなるような、そんな。

真里菜が容赦なく、援護射撃してくる。


「私も思った。だいたいお兄さん稼いでるし、家事出来るし、超絶イケメンなのに、こんな我が儘な弟と一緒にいるメリットないよね。愛想尽かして当然」


グサグサグサーーー!!!

俺のHPは0どころか-1000になりました。

マジこの悪魔……恩を仇で返しすぎだろ……!!

……しかし、まさにその通りだ。

拓真は自分と暮らしても、何のメリットもない。

生活時間は違うし、家事は増えるし、やたら文句ばかり言われるし。

なのにいつも笑顔で接してくれた。

理不尽に怒られた記憶など、一切ない。

感謝こそすれ、責め立てるなんて論外だ。

二十歳にもなって、そんなことも分からなかったのか。

もし、もしこのまま帰ってこなかったら……。


「どうしよう、凌~!俺、このまま兄貴と会えなくなるの嫌だ!!」


半泣きになって縋り付くと、さすがに哀れに思えたのか、凌の目尻が下がった。

何だかんだ、自分に甘いのだ。

彼は先程までより柔和な声になり、


「親御さんとかお兄さんの友人とかに連絡して、探してみたらどうだ?そんで会いに行って、謝る。しかないだろ」

「だよな……うん、やってみる!」

「難しかったら、俺も手伝ってやるから」


と手を差し伸べようとするのを、真里菜が遮った。


「ちょっと凌、甘やかしすぎ!本当の友達なら、たまには厳しくしなきゃ」

「そう?俺としては、十分厳しくしてるつもりなんだけど」

「も~優しいんだから♡」

「大丈夫、俺らの子供にはちゃんと厳しくするし♡」

「も~まだ早いって!」


あの……あんたら、キャラ変してません……??

まぁ幸せなら……いいけどさ……。

翔太はすっかり自分達の世界に入り込む二人を、虚ろな眼差しで眺めていた。

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