第二十五話 任せろ、今度は俺が助けてみせる
紆余曲折を経て、更に小春との距離を縮めた翔太は、滑稽なまでに浮かれていた。
講義中も鼻歌を口ずさみ、教授から雷を落とされた。
それでも浮かれ、スキップしたら足を捻った。
それでもなお、浮かれていた。
「凌~♡何かよく知らないけど、色々ありがとなっ!小春さんを連れてきてくれたんだって?おかげでますますラブラブになっちゃった~童貞卒業ももうすぐかな~、……」
学食にて、先に唐揚げを頬張っていた凌に、テンションそのままで話し掛けるも。
彼はジトッと辛気臭い眼差しをこちらに向け、直ぐに嘆息を吐いた。
どうやら相当ご機嫌ナナメのようだ。
「り、凌~?ど、どうかした~?」
もしや手助けしてくれたものの、あまりの優柔不断ぶりに辟易したのだろうか。
で、でもちゃんと断ったし!
結局は小春さんとラブラブになったし!
と心の中で言い訳しながら、様子を窺う。
凌は再びはぁ、と深く息を吐いて、
「お前のせいだからな」
「ふぁ!?」
「生まれて初めて女の子に怒鳴られた。泣かれた。どうしてくれる」
予想だにしなかった発言に、翔太は眉を顰めた。
んなもん責められても、こちらに非はないではないか。
と不満を抱くも、よくよく話を聞いてみたら、なるほど、確かに自分のせいかもしれなかった。
「えっと、つまり……マナ……じゃなくて、真里菜さんがあんなことしたのは、小春さんの為だった、ってこと?俺がどんな男か、浮気するかどうか調べてた、と」
「そういうこと」
「ってか何それ!こわっ!もうストーカーじゃん!あの人がおかしいんじゃん!」
「俺もそう思う、でも、……」
いつも沈着冷静な凌が、珍しく狼狽している。
翔太も次第に、むやみに茶化せなくなった。
確かに真里菜のしたことは、到底許されない。
けれどそれは小春を想ってるからこそで、愛情の裏返しで、……って面倒臭い女だな~!!
ロリ巨乳でもやっぱ無理だわ、うん。
ただ凌は、驚く程彼女を慮っている。
イケメンでも女(しかもとびきり可愛い)の涙には弱いらしい。
確かにこのまま、誤解させたままでいるのも忍びない。
翔太は拳を振り上げ、
「よし!一肌脱ぎますか」
「え?ついに童貞卒業宣言?」
「違うわっ!!」
奮起するも、凌は未だぼんやりしているのか、イマイチ噛み合わなかった。
これは一刻も早く、問題を解決しなければ。
無論真里菜の為ではない。
いつも支えてくれている凌、そして最愛の恋人である小春の為だ。
二人には辛い想いをさせたくない。
それに自分にも非はある。
初めから毅然とした態度をとっていれば、ここまで拗れなかったに違いない。
こうなったら、『小春さんと真里菜を仲直りさせよう作戦』(何の捻りもない)決行だ!!!
「凌、大丈夫。俺に任せとけっ」
「え、何何……逆に怖いんですけど……」
顔を顰めて怯え出す凌に、翔太はウィンクしてやった。
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