第十一話 親友のロリ巨乳は敵か味方か
もう駄目だ。
今度こそ、もう駄目だ。
オワタ。
さようなら、私の恋。
大切な大切な、久しぶりの恋……。
「……っても~!凹み過ぎだって!」
ベッドの上で布団に包まる小春の頭を、真里菜はポンポンと撫でた。
失恋が確定したことをLINEで伝えたら、直ぐに自宅まで駆け付けてくれたのだ。
その優しさに、ますます涙腺が緩む。
「頑張った、つもりだったんだけどな……真里菜の言うとおり、大人のお姉さん、演じたんだけど……」
「うんうん、小春はよく頑張ったよ」
「真里菜~!」
思わず真里菜の豊満な胸元に飛び込む。
あ、マジで巨乳だな……柔らかい……なんて感激している場合ではない。
彼女に対しても、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
デートに挑む際に、全身をコーディネートしてもらい、「大人の女性らしく、クールに振る舞った方がいい」「壁ドン顎クイをされると喜ぶ」という助言までしてくれたのに。
結局は逃げられてしまった。
翔太の怯えきった表情が、脳裏に焼き付いて離れない。
「ごめんね、せっかく協力してもらったのに……全然駄目で」
「なーんで謝るの!そんな、気にしないで」
そう微笑む真里菜が、後光が差した女神に見えた。
彼女は学生時代、一際目立つ愛らしい容貌ゆえに、他の女子から少し敬遠されていた。
けれど実際は、こんなに友人想いの素晴らしい子なのだ。
人間、外見で決めてはいけないと思う。
「また新しい恋があるよ。そしたら私、応援するから」
真里菜はアイドルの如く、胸元で小さくガッツポーズを決めた。
うん、やっぱり胸の谷間が凄い……羨ましい……。
きっと彼女だったら、翔太も好きになるんだろうな。
まだまだ吹っ切るには時間が掛かりそうだが、親友の励ましによって、小春は僅かに笑顔が戻ったのだった。
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