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ひびわれた鐘
悲しくもまた楽しく耳を傾けるのは、冬の夜、
震えつつ煙る炎のかたわらで、……
霧のなかに鐘の歌が響くにつれ、
ともに込み上げてくる、遠い過去の面影。……
幸福者、あの強靭な喉をもつ鐘は、
老いさらばえても、機敏で、溌剌として、
信心深いその大声を実直にわたらせる。……
いわば、天幕の下、夜警に立つ老兵のように!
けれどわが魂はひびわれて……。気鬱なとき、
歌声を、夜の冷気にみなぎらそうとしても、
ああ、しばしばその声は、かすれてしまう。……
あたかも、血の湖のほとり、屍の山のもと、
見捨てられた負傷兵の、身動きもならずに、
しぼりだす、最後の鈍い喘ぎのように!