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ヒイラギの詩  作者: ALBILEO
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ひびわれた鐘

悲しくもまた楽しく耳を傾けるのは、冬の夜、

    

震えつつ煙る炎のかたわらで、……


霧のなかに鐘の歌が響くにつれ、


ともに込み上げてくる、遠い過去の面影。……



幸福者、あの強靭な喉をもつ鐘は、

             

老いさらばえても、機敏で、溌剌として、


信心深いその大声を実直にわたらせる。……


いわば、天幕の下、夜警に立つ老兵のように!

 


けれどわが魂はひびわれて……。気鬱なとき、


歌声を、夜の冷気にみなぎらそうとしても、


ああ、しばしばその声は、かすれてしまう。……



あたかも、血の湖のほとり、屍の山のもと、


見捨てられた負傷兵の、身動きもならずに、

         

しぼりだす、最後の鈍い喘ぎのように!

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