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夏目、部活やめるってよ  作者: うつろあくた
6/10

Game set.(試合終了)

 聖葉側のスパイクが決まって歓声が起こる。


 最終セットもやっぱり交代で点を取り合う展開でもつれてる。今は二点を追って相手のマッチポイントという大ピンチ。そこで陽菜ちゃんのスーバーレシーブが出た。誰もが諦めたワンタッチボールを飛びついて拾ったのだ。


 沸かないわけがない! さすが陽菜ちゃん!


 糖分(ねんりょう)がよく燃えているのかな、最終セットの陽菜ちゃんは第一セットよりエンジン全開だ。


「なんで全国大会とかじゃないんだよ、もったいない!」


 試合はもう緒方さんの方が熱中してるみたい。


「あと何点取ったら勝ち?」


「もう1点でデュース。そこから2点連続で取れば勝ちです」


「なるほど」


「でも、先に1点取られたらそこで負けです」


「むむむ。でも陽菜がいれば――て、あれ?」


 陽菜ちゃんが代わりの選手とタッチしてコートから出てしまう。


「あ、そっか、ローテ―ション!」


 陽菜ちゃん(リベロ)は前衛に立てない。ローテーションが回ってくれば交代しなくちゃいけないのだ。


「うあ~よりにもよってこのタイミングで~~」


 緒方さんの嘆きも空しく試合は再開される。


「聖葉がんばれ~!」


 そして――


 陽菜ちゃんと交代した選手のスパイクがブロックされ、あっけなく試合は終わった。


 ……………………


 ……………


「いい試合でした」


 わたしたちはとても自然に拍手していた。


 礼を終えてコートから出てくる選手たちを陽菜ちゃんが出迎えている。


「あ~あ、陽菜が入ってたらなぁ」


 たしかにブロックに弾かれた最後のボール、陽菜ちゃんなら追いつけたかもしれない。


 特に深く肩を落とした選手がいる。交代で入って最後のスパイクを打った子だ。陽菜ちゃんが何か声をかけてるけど、ここでは聞こえない。


「あ……」

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