第九十一話 掃除の仕方
創価へ送られて来て3日目、この頃は まだ皇太子だったのに、朝からトイレ掃除です。トイレ掃除の仕方を何も教わらず、勘と工夫で 何とかします。
俺の名は、東 清二。なんと、天涯孤独の身だ。その上、金も全くなく家もない。そればかりか 全宇宙の支配者 クソ大和田という糞野郎と、お互いの存在を完全に 消すか?消されるかの戦いを繰り広げている。ちょっと前までの俺は、忌まわれし呪われた児童養護施設 東京サレジオ学園にて、新しく小4になるところだったが、クソ大和田の判断で 創価小学校とそのサッカー部の寮へと送られた。タイムキーパーといって、クソ大和田は 時間を巻き戻したり、逆に早送り出来たりする。全て、クソ大和田の勝手な都合でね。だから創価小学校での俺は、小5の春だった。
東京都の多摩地区にある 創価小学校のサッカー部の寮は、世話人が1人しかいない。なので、洗濯以外の家事は小学生とはいえ、自分たちでするしかない。朝起きて 朝食まで少し時間があり、その間は掃除の時間だ。俺は同部屋で 俺と同じく小5の鈴木 史郎とペアになり、役割分担で どこを掃除するかを、決めないといけない。
「清二、どこの掃除を担当したい?」と史郎。
「どこでもいい。ただ 出来たら、小6の糞野郎の2人 クソ大和田の息子と松崎と、顔を合わせなくて済む場所がいい。あったら、だけど」と俺。
「分かった。母ちゃんに聞いてくる」と史郎。
創価小学校のサッカー部の寮の世話人をしている、史郎の母親の元へと 聞きに行く史郎。
戻って来た史郎は、「清二、小6の糞野郎2人と会わなくて済む場所だと、テレビの観れる談話室の畳の上の掃除とトイレ掃除しかない…。」と、気落ちしながら 史郎が言う。
「小6の糞野郎2人に会わなくて済むなら、それを選ぼう。談話室の掃除とトイレ掃除、史郎がやりたくない方を、俺がするよ」
「分かった!オレは、談話室の畳の上の掃除をする。清二、トイレ掃除になるけど大丈夫か?」と史郎。
「大丈夫。適当に、掃除をするよ」と俺。
史郎は、嬉しそうに談話室の掃除へと向かった。
で、トイレ掃除を担当することになった俺だけど、寮には二十数人が寝起きしている。当然、トイレも大きく広く これを全部1人で掃除するのは、なかなか難儀だ。そもそも、洗剤がどこに置いてあるかすら、俺は知らない…。試しに棚を開けてみたら、補充用と思われるトイレットペーパーがあったので、まずはトイレットペーパーの補充から始めることにした。トイレットペーパーの補充が終わると、便器の洗浄だ。トイレ掃除用のブラシは、備え付けられていたので 洗剤を見つけ、何用の洗剤か確認する。小便器をサンポールという洗剤でキレイにし、残すはすでに糞が付いているのが分かっている大便器だ。トイレットペーパーで、見えている分の糞を取り、流す。あとは、ブラシで シャカシャカ掃除する。トイレ掃除は、大体こんなものかな と思っていたら、この寮の世話人をしている鈴木 史郎の母親が、やって来た。
「皇太子殿下も、掃除をするのですね」と史郎の母親。
「ああ。君に、洗濯以外の家事とか掃除は、自分で汚したものは自分でキレイにすると、伝えられてるからね」と俺。
「ふふ笑。どれどれ〜、ちゃんと出来たかチェックします」と史郎の母親。あちこちを見渡し「初めてのトイレ掃除にしては、上出来ね」と言う。
「俺は、トイレ掃除の仕方を教わってないんだけどね。トイレ掃除問わず、俺に付いて駄目なところは指摘して、それでも駄目なら叱っていいので、一通りトイレ掃除の仕方を教えてくれ」と俺。
そしてトイレ掃除用の手袋が存在することや、大雑把な掃除だったので、細かい点で 落としきれていない汚れがあったことを、俺は知った。世話人の史郎の母親に教わったとうりに掃除をすると、確かにキレイになった。一通りトイレ掃除の仕方を教わってところで、「清二、もう トイレ掃除終わったか?」と史郎がやって来た。
「ああ、自分なりにはな。細かい点で、落としきれていなかった汚れもあったけどな」と俺。
「清二がトイレ掃除でいいなら、ずっとこれでいこう。この担当だと、小6の糞野郎の2人に会わなくて済むからな」と史郎。
「じゃあ皇太子殿下、しっかり手を洗って。素手でトイレ掃除をしたら、下手をしなくても食中毒になっちゃう」と史郎の母親。
「だから、トイレ掃除の仕方もトイレ用の手袋の存在も、俺は知らなかったんだけどね。ちゃんと、手は洗っとくけど」と俺。
トイレ掃除にはトイレ掃除の仕方があるように、手には手の洗い方があって、石鹸で 手首から爪の先まで、徹底的に洗わせられる。
「オレは、大して汚れてないから大丈夫だ」と史郎が言うが、「テレビの観れる談話室には、小6の糞野郎2人も出入りしていて、確かに史郎は汚れてないかもしれないけど、穢れているかもしれないから、念のため 手は洗っといた方がいいぞ」と俺が伝えると、「それを早く言え」と史郎も 念入りに手を洗い始めた。その様子を見て、史郎の母親が笑っている。
創価小学校のサッカー部の寮の朝食は、牛乳と米 魚 副食で構成されている。成長期の子供が、朝 牛乳を飲むのは正しいし、栄養バランスも ちゃんと考えられてる。その上、世話人をしている史郎の母親に聞いたら、米だけで良ければ お代わりは自由とのこと。掃除はしなくちゃいけないけど、これなら創価での暮らしも悪くないと思った。早速、米をお代わりして朝食を食べ終え、皿洗いをしたら創価小学校へ登校だ。
史郎と俺で、てくてく創価小学校へ行く。俺の在籍する小5のクラスには、男子しか居なく創価の会長の判断で、 女子は他のクラスへ移った。うちのクラスの担任の先生は、創価小学校の小5と小6のサッカー部の監督でもある。その先生から、創価小学校では定期テストを、きちんと行うと伝達される。俺は、「問題ない」と答える。しかし 俺の隣に座っている史郎は、おおよそ学問を学ぶ気も授業を聞く気もないみたいだ。先程 俺が、創価小学校では定期テストがあると、告げられたばかりなのに…。
そんな史郎は放って置いて、俺は授業の社会の教科書を読む。今行われている授業と勘案すれば、もう直ぐ 俺の過去たちが多数出てくる、戦国時代の授業になる。歴史が、俺が最も好きな学問だから、うちのクラスの担任の先生が、戦国時代をどう捉えるかは楽しみだ。他の教科も、俺の場合は算数は出来る。少なくても、小学生時分の算数は もう習得した。国語に関しては、漢字を読むのは得意だ。でも、書くのは苦手だ。あと、この東 清二という名の人生は、同姓同名で 2回目だ。既にパソコンの存在を、知っていた。其れなら、漢字を読めれば 識別出来れば、パソコンの文字を見て 書くことは、容易い。なので、国語は 教科書に出てくる作品の、作者との見解の違いが出てしまうことが、厄介なだけだ。国語に関しては、三国志の時代から どう言葉が変わり続け日本に伝わり、漢文 古文を読解出来る、合気道の達人で創始者の渋川剛気に聞くのが、一番だ。ちなみに、渋川剛気のかみさんが、寮の世話人をしている鈴木 史郎の母親で、史郎自身も 剛ちゃんの血の繋がらない 義理の息子でもある。なのにか?なのかか?史郎は、勉強をする気がない…。
まあ 剛ちゃんは、自分にも厳しい分 人にも厳しいので、剛ちゃんの用意した道の途中で 、史郎がやる気を失うのもしょうがない。ただ その道を踏破し、ゴールまで辿り着ければ 大成する。史郎は前世において、結果を出し続けているので 鈴木 史郎として最後の最後の人生を送る頃には、モチベーションを失ってしまったのだろう。それは史郎と同じく、最後の最後の人生を送る俺にとっても、同じだ。こういう時に必要なのが、俺の全ての人生とうしての宝物 ピノコ・ナディア・哀姫の存在だ。合気道の達人で創始者の渋川剛気を、初めてちゃん付けで、剛ちゃんと呼び それ以来 剛ちゃんは、剛ちゃんと呼ばれることが好きになった。そんな宝物がどこの小学校に在籍しているかを、俺は知っていて その内、手に入れるつもりでいた。
《剛ちゃんに、哀姫か。それだったら哀姫のボディーガードならぬ、ボデーガードの馬場ちゃんこと、ジャイアント馬場も入れなきゃね。剛ちゃんも馬場ちゃんも、哀姫をどうしても守りたいと思ってくれるている、ビジネスパートナー同士だしね。なのに2017/07/19今現在、雇い主の俺が最低最悪の人生を送っている…。しっかりしたいけど、強力過ぎて敵に禁止された俺の念能力が、復活するまで 待つしか出来ない。剛ちゃんと馬場ちゃんは、分かっている範囲内だと 天国の更に 異次元に存在しているけど、俺の宝物 ピノコ・ナディア・哀姫の行方は、今の俺には分かりようがない。哀姫のことだから、1人で哀しんでるかもしれない。ただ ここ1,000年位、哀姫に会えても 引き剥がされを繰り返しているので、そもそもの元凶諸悪の根源の全宇宙の支配者 不死身のクソ大和田を、完全に消さなければ意味がない。その為には、俺の念能力に含まれる 死神の鎌【改】を手に入れないといけない。もう俺が何処かへ送られることもなく、時間が巻き戻ったり 早送りされることもない。最後の最後まで、来た。寿命まで、俺に残された時間は あと15年。そんなに待てないから、どうか俺に念能力を!》
こうして皇太子といえど、創価ではトイレ掃除をする。そして、それが毎朝の日課になっていく。まあ確かに、自分で汚した物は 自分でキレイにすることは、間違いではないけどね。今回の話は、ほぼほぼ トイレ掃除の話となってしまった…。構想とは違うけど、今の自分の才能のなさが痛い…。次回の話は、創価に送られて来て3日目のサッカー部での話と、執筆出来たら 俺を諸刃の剣と恐れている、本物の創価学会の会長との話です。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!