第七十九話 溺れる者
糞園長 村公の居る、 呪われし忌まわれし児童養護施設 東京サレジオ学園において、警察官の息子で、何の罪もない 鈴木 ユウに、死への序章が始まります。少なからず、俺も関わってしまいます。
時代は昭和の末期、忌まわれし呪われた児童養護施設 その名も、東京サレジオ学園。場所は、東京都の西部 多摩地区にあり 喧嘩ばかりをする子供たちや 少年たちが暮らしている。東京サレジオ学園には、小1から高3までが収容されていて、敷地内に建てられた いくつかの家に、別れて住んでいる。若干、小学校三年生になった、 俺 東 清二は、お互いの存在そのものを消すか消されるかの戦いをしている、大和田という名の糞野郎が存在していて、戦いはクソ大和田が優勢だ。俺は念能力を禁止され、さらに才能も奪われ、俺の側の人間たちにも会えない。其の上、俺が暮らさざるを得ない 東京サレジオ学園の園長は、クソ大和田の親友、村公こと 村上 コウスケときている。俺が何度も生まれ変わりながら、数千年以上前から続く この消すか消されるかの戦いに、もし審判がいたら とっくに俺は敗北を認めていただろう。この数千年の間に、俺は自殺したこともあるし、自決したこともある。勿論、殺されたことも数知れぬ。ただ 幸か不幸か、この戦いには審判がいない。理由は、審判が買収されるかもしれないという、全宇宙の支配者 クソ大和田の判断によって。なので、クソ大和田と 大和田の側の人間たちが、優勢の中、俺は 東京サレジオ学園 『ねむの家』で、生き地獄をのたうち回っている。
そんな中、季節は初夏になり 東京サレジオ学園とサレジオ中学とで、プールを使用できる。俺は泳げないけど、夏場のプールは気持ちがいい。なので、水浴びだけしている。プールには、浅いところ深いところとあり、深い場所は とても子供の脚では、プールの底まで脚が届かない。それ故、泳げない『ねむの家』の子供たちは、プールの半分まで 底が浅いところまでしか、行ってはいけないルールとなっている。
また もっぱら、小3の『ねむの家』の子供たちは、自分がどこの家へ進むことになるかが話題で、俺は『ブナの家』へ行くことが濃厚となっている。俺としては、ヤトさんの居る『シイの家』や 子供に評判のいい『クスの家』行きを希望しているが、それを決めるのが 東京サレジオ学園の糞園長 村公こと 村上 コウスケだ。この俺を苦しめるしか能のない糞野郎が、俺の行く末を決めるという悲劇的な状況だ。村公がどんな人物かというと、子供に沈黙を強い 上手くいかないと、激烈に怒る。しかもエイズで、尚且つ 全宇宙の支配者 クソ大和田の親友ときている。漫画のワンピースを最新刊まで 読んだ人なら、四皇の百獣のカイドウをイメージしてくれ。そいつが大和田にスカウトされ、操作系の念能力者になり エタ非人のくせに、東京サレジオ学園の園長をしている。そりゃあ 激烈に怒るし、東京サレジオ学園は 忌まわれし呪われた児童養護施設となる。勿論、全宇宙の支配者 クソ大和田も、好きに出入りしているしね。
で、『クスの家』には いじめられっ子で 元ゴリラの翼ゴリが1人で進み、『トチの家』には 長尾 ケン君と長尾 シン君の双子たちに、いじめっ子で 喧嘩ばかりを吹っかける佐々木 ナオト 通称 なすび が行き、『ニレの家』には 中山 カツオに、村公の1人 村内 コウイチ、と進む模様。俺は、仲のいい 松本 シンゴに 鈴木 ユウと『ブナの家』へ、行く予定だった。問題なのが、残り2人のクソ吉田 大地に クソ大木 茂だ。この問題児2人は、『シイの家』へと進む予定が、クソガキ同士 仲が悪い。糞園長の村公推薦の、長沢 清次の「ブナの家は、良いところだ」という妄言を信じ、クソ吉田 大地も クソ大木 茂も、『ブナの家』へ行きたいと言い出す。そして 厄介な事に、山口組系のヤクザの息子 中山 カツオに、もう『ねむの家』を出て 『ニレの家』にいる 小4の番長 横山 ケンジが、暗躍する。
初夏のある日、『ねむの家』のみんなで プールへ行くことになった。でも、鈴木 ユウと 盗っ人 小2の小橋 アツシは、プールには行きたくないと言う。俺として、『ねむの家』の盗っ人 小2の小橋 アツシを、盗みを働かないように 鈴木 ユウがちゃんと見ててくれるなら、それはそれでいいので、プールへ向かおうとした。プールには、三宅シスターが先着していて、遅れて 佐藤シスターが向かっていた。
其処で 佐藤シスターに「『ねむの家』に 子供が残っていると、私も 『ねむの家』に残らなければならないの。清二、ユウとアツシがプールへ来るように、説得して」と、俺は頼まれる。
佐藤シスターには、俺はお世話になっているので、「出来るかは分かりませんが、説得はしてみます」と、俺は請け負った。
〈思えば、これが 後々まで響く、俺の原罪の序章だった〉
俺は『ねむの家』で、鈴木 ユウと小2の小橋 アツシを、説得しようとする。鈴木 ユウは、「プールへ行くのは構わないが、盗っ人 小橋 アツシを、プールの間 誰が見張るんだ?」とのこと。じゃあ、「アツシに、プールへ行くか」と聞くと、「泳げないから、行きたくない」という返事が返ってきた。そこで俺は、ユウに「貴重品をプールへ持って行って、泳いでる間は 佐藤シスターに、預けておけばいいんじゃないか?」と聞く。すると ユウは、「それはいいアイディアだけど、今日はプールはやめとくよ」と答える。
それはそれで、しょうがないので、俺は 説得を諦め、プールへ向かおうと玄関を出る。玄関まで ついてきていたユウは、「オレが残るのに、清二はプールへ行くのか?」と言う。
俺は「意味が分からない。虎穴に入らずんば虎子は得ずと、言うだろう。何もしないが、お利口というわけじゃない。『ねむの家』に子供が残ると、保護者であるシスターも、『ねむの家』に残らないといけないんだ。ユウだって、佐藤シスターには お世話になっているだろう?お前ら2人がプールへ行かず、『ねむの家』で 何かあれば、佐藤シスターの責任にも、なりかねないんだよ。まぁ、俺は説得を諦めたけどね」と言い残し、俺はプールへ向かう。
プールへ向かう 俺を見て、玄関の外まで ユウは、出てくる。そんなユウに、俺は中指を突き立て 通称ファック・ユーのサインを送る。ユウとユーを、掛けてみてね。すると、鈴木 ユウは「分かった。すぐ 貴重品を持って プールへ向かうよ」と言う。
「じゃあ、俺は先に 向かってるからな」と俺。
俺は プールに着き、水着に着替え 佐藤シスターに「ユウの方は、プールへ来るだろうけど、盗っ人の小橋 アツシの方は、多分 プールへは来ない」と伝える。
「さすが、清二ね。ユウが来てくれたら、充分よ。アツシは、盗っ人なのね」と佐藤シスターは言った。
〈運命なのか、何なのか?この日、少なくても 鈴木 ユウにとっては、プールへ向かうべきではなかった。佐藤シスターに、お願いされたからといって、俺はユウをプールへ来いと、説得するべきでもなかった。俺がいた 東京サレジオ学園が、忌まわれし呪われた児童養護施設なことを、俺は思い知らされ、プールへ来るべきではなかったユウには、死という名の悲劇が待っていた〉
《死か…。そういえば地球が誕生し、中大兄皇子から始まり 聖徳太子から 途絶えることなく、生まれ変わり続けてきた 前世も含めた俺の長い人生の中で、どれだけ俺は死に、殺されたか?自殺も含めると俺は、死んだ回数が全宇宙一だったりする。死んだ回数二位が、俺の宝物 ピノコ・ナディア・哀姫だ。この年齢が6歳で固定されている、俺の宝物は 俺の宝物故に、殺されたりもしている。基本的に、いつの時代も 俺には親も家族もなく、唯一大事にしているのが、明るく無邪気で いつの時代も、俺を応援してくれる ピノコ・ナディア・哀姫だからね。そんな哀姫が、俺の弱点とみなされて、俺の宿敵 全宇宙の支配者 クソ大和田と大和田の側の人間たちに、何度も殺された。でも、哀姫は挫けず、ずっと俺を応援してくれる、愛し抜いてくれる。そこが、俺が俺の宝物として 一番大事にする理由だ。死んだ回数 三位が、全宇宙の支配者 クソ大和田だ。俺と俺の側の人間たちも、殺しまくったが、大和田は糞野郎なので、放っておいても 誰かに殺されるしね。2017/04/20今現在の俺は、嫌な過去の記憶と体験ばかり思い出す。福岡へ行かなければ良かったとか、糞澤野夫婦を処分しておけば良かったとかね。怒りと憎しみだけが、毎日毎日、増大していく。刹那に生きざるを得ない 俺にとっては、たらればを言っててもしょうがないのかもしれないが。念能力よ!とっとと帰って来い!俺は、ぶち切れてるからな》
こうして 俺にとっては原罪となる、鈴木 ユウの死が始まろうとしている。鈴木 ユウは、小3にしては背も高く 気も強く、警察官の息子だけあって、正義感も強い。少なくても、こんなに早く死が訪れていい筈はない。東京サレジオ学園は、園長の村公が糞野郎で、全宇宙の支配者 クソ大和田の手の内で 大和田の意向が反映され、糞ガキが増長する。忌まわれし呪われた児童養護施設だ。それ故、こんな事件が起きてしまう。次回の話は、鈴木 ユウに 死が訪れます。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!