第七十四話 村公推薦のぶっチュウ魔
昭和の末期、児童養護施設 東京サレジオ学園にて、糞園長の推薦する 、糞先輩の 俺の偽者にも成れなかった 中学生についての話です。
俺の名は、東 清二。小平市立第三小学校に通う、小学校二年生だ。実は1歳飛び級していて、年齢だけなら もう一学年下だ。其処までは、まだいい。俺にとって最悪なのが、全宇宙の支配者 クソ大和田の手の内で、生きなければいけないことだ。例えば、住んでいる児童養護施設 東京サレジオ学園『ねむの家』と呼ばれるところ。ここの園長が、クソ大和田の親友 村上 コウスケ、操作系の念能力者でエイズ患者で、だらだらと害だけを及ぼす。操作系の念能力を使って、俺を操作しようとしたり、エイズウイルスの拡散をしたりね。勿論、俺の情報も お互いの存在を懸けて、消すか消されるかの戦いをしている、俺にとっては敵である クソ大和田に、筒抜けとなる。俺が避けてきた、どうしても送りたくなかった最低最悪の、何故か2回目の東 清二としての人生を、文字通り最低最悪のシナリオで、クソ大和田の思い通りに、事が運んでいる。そんな中、親も家族も家もなく、お金すらない俺が 生き地獄をのたうち回る日々の話。
『ねむの家』の食堂で、俺が日課の皿洗いをしていると、不機嫌そうな村公こと 村上 コウスケが、やって来た。そして俺に向かって「お前、先輩と喧嘩したそうだな!」と怒鳴る。知ったこっちゃないので、俺は皿洗いを継続する。数十人分の皿洗いなので、なかなか終わらない。『ねむの家』の子供は、俺以外 誰も皿洗いを手伝わないしね。皿洗い中も、当園 園長の村公の、ブチ切れた空気をひしひしと感じながら、皿を洗い 拭き 棚へと収めていく。其れも終わり、いつものように佐藤シスターにお礼を言われ、「どういたしまして」と俺は答える。
そのまま、俺は俺が寝起きする、大部屋へ向かう。が、村公が「こっちは出張帰りに、わざわざ来てやってるんだ。そこの椅子に座れ!」と怒鳴る。
「まず 村公に、『ねむの家』に来てくれ何て、三宅シスター以外、誰も望んではいない。出張だって言うなら、もう二度と帰って来ないでくれ」と俺。
「お前なんか、オレの判断で どうにでもできるんだぞっ!」と、また 村公が、激烈に怒鳴る。
「別に、東京にある児童養護施設で、村公が会いに来ないなら、俺は他の児童養護施設行きを望んでいるけどね。じゃっ、子供は眠る時間なので」と俺。立ち去ろうとすると、「説教の時間だ!」と村公が、ぶち切れる。
「村公は神父のくせに、三宅シスターと肉体関係を持つ時は、子供は眠る時間だ と言い、そうじゃない日は ぶち切れて、俺に八つ当たりか。どうせ出張先で、また しくじったんだろう」と俺。
「オレの言うことを、聞かない奴らがいけないんだっ!椅子に座れ!多数決だ」と村公。
多数決をすると、説教に賛成するのが、村公と三宅シスター。説教に反対なのが、俺と佐藤シスター。2人対2人になった。
「じゃあ 引き分けなので、俺は睡眠を取ります」と俺。
すると村公が「こっちは大人2人だっ!お前みたいなガキは、数には入らない。多数決で、決まったんだ!いいから座れ!」と怒鳴る。
「村上神父!これを多数決とは、呼べません!」と、佐藤シスターが反論する。
「オレの言うことを聞けないなら、シスターだって どこか違うところへ、飛ばすことだってできるんだぞ!」と村公。
〈村公こと 村上コウスケは、ワンピースの百獣のカイドウの、転生した後の存在だ。その頃と変わらない性格なので、思い通りにいかないと激烈に怒る。全宇宙の支配者 クソ大和田にスカウトされ、俺を追い込む為に存在している。さすが、クソ大和田の親友だけある。糞野郎だ〉
悔し涙を流す 佐藤シスターを見て、俺は無駄な抵抗は止めることにした。
「じゃあ ちゃっちゃと説教初めて、ちゃっちゃと説教終わらせてくれ」と俺。
「それが、説教を受ける者の態度かっ!オレがサレジオを留守にするとこうだ。それで、何でセンパイとケンカになったのだ?」と村公。
「大木茂の兄が、シスターの許可なく 『ねむの家』へ窓から侵入し、理由もなく殴られたからだよ。一発目のパンチは耐えたけど、二発目からは 殴られたら殴り返す。蹴られたら蹴り返すで、撃退した。序でに、大木・ゲオルグ・兄を住んでいる『しいの家』へ、捨てといた」と俺。
「まだ 小学校二年生なのに、中学生にケンカで勝ったのか!?何人がかりで倒したんだ?」と村公。
「俺 1人でだよ」と俺。
「中学生相手に、1人で…」と、言葉をなくす 村公。
「住居不法侵入に、正当防衛だよ。これで、説教終わりか?」と俺。
「じゅうきょふほうしんにゅう…に、せいとうぼうえい…。何で小学校二年生のガキが、そんな言葉を知っているんだ!?」と村公。
「知らねえよ。刺激があれば、思い出すんだよ。じゃあな、まだ眠たくないけど、俺は村公と一緒に居たくないからよ」と俺。
「おやすみ、清二」と佐藤シスター。
「おやすみなさい。佐藤シスター」と俺。
「待てっ、わかった。オレが、ちゃんとしたセンパイを紹介してやる」と村公。
「知らねえし、要らねえよ」と俺。そのまま、この日は大部屋へ戻り 眠りについた。
翌日、『ねむの家』に 俺の知らない、中学生が居た。その中学生は、俺と「名前が一緒で、助けに来た」と言う。清二をきよじ と読む名前は珍しいし、助けは欲しい。ただし、胡散臭い。しかも、すぐに接触してくる。本当に こんな中学生が、俺を助けられるのか?俺と同じく 小2の松本 シンゴは、本名を明かさない その中学生を『ぶっチュウ魔』と呼ぶ事にしたみたいだ。男のくせに、すぐにキスをしようとしてくるからね。特にシンゴは、愛らしいルックスをしているから、ぶっチュウ魔の存在が嫌いで嫌みたいだ。
ちょくちょく ぶっチュウ魔は、『ねむの家』にやって来て、調子に乗っている。それを見て、村公もご機嫌だ。其れも、俺にとっては気にくわない。ので、「何処の者なのかと 本名をフルネームで伝えろ」と俺が聞くと、「どこのモノでもない。ただし、名前は清次だ」とほざく。
「清二に清次じゃ、全然 違うじゃねえか!どこの者でもなくて、何で助けに来たと言うんだよ」と俺。
「イヤッ、村上神父に、きよじ と仲良くなっとけと言われて…。わかった!本名は、長沢 清次だ。これで、どうだ?」と糞野郎。
「助けに来たどころか、ただの全宇宙の支配者 クソ大和田の親友の村公の、手下じゃねえか。お前は、俺にとっての敵側の人間なんだよ。長沢の沢の字も、ちゃんとした方の澤の字じゃねえしよ。大方、これから女優になる 長澤 まさみさんの、偽者の関係者か何かだろう」と俺。
「何で、その名前を…。確かに、まさみはオレの妹だ」と長沢 清次。
「確かにじゃ、ねぇからよ。全宇宙の支配者 クソ大和田の側の人間たちのNo.2でクソ軍師の木村公一の、狙っている女性が長澤まさみさんだ。お前の妹でもないし、親戚縁者でもないし、売れてる役者じゃないと、長澤まさみさんとは、付き合えないようになっているんだよ。クソ大和田もそうだし、大和田の側の人間たちも、テレビには出られないんだよ。ひとたびテレビに出たら、女子供が体調を崩すからな。だから、これで長澤まさみさんも その家族も、一安心なんだよ。家族を人質に取るなんて、大和田や その側の人間たちの常套手段だからな。長沢 清次は、とっとと『ねむの家』からもサレジオの『ブナの家』からも、出て行ってくれ」と俺。
「待てっ!村上神父に、聞いてくる」と長沢 清次。
そして、村公と 何を話し合ったか知らないけど、「オレは何者でもなく、偽者にもなれなかった…。」と長沢 清次は肩を落として、住処である『ブナの家』へと帰って行った。
村公は「オレが推薦するセンパイだぞ」と言うが、知ったこっちゃない。別に俺は、先輩を敵視してる訳じゃないし、仲のいい先輩もいるしね。人によりけりです。
《だーっ、この最後の最後の人生。その分、最低最悪の人生は、想定していた以上に 思っていた以上に、しんどい…。全宇宙の支配者 クソ大和田の作戦が全て成功し、時代は大和田の世だ。そりゃあ クソ大和田の、敵のトップである俺にとっては、最低最悪な世だ。其れが、2017/03/07まで続いている。まあ、いいや。俺の寿命も、あと15年。か、念能力者になれるまで、気長に待つさ》
こうして、俺の人生に 長沢 清次という、園長の村公推選の輩が出てきた。シンゴ曰く、通称 ぶっチュウ魔。ぶっチュウ魔は、この後も 出てくるが、助けにはならないし、俺の人生にもいらない。きっと長沢 清次は、今頃は終わってるだろうし。次回の話は、この呪われた ヤクザの息子も多い、児童養護施設 東京サレジオ学園に、警察官の息子が入って来ます。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!