第六十七話 悲劇のお尻 ~俺の駄目なところ~
児童養護施設 東京サレジオ学園で、先輩たち2人の手により、俺のお尻が 悲劇と屈辱に塗れます。
東京都の西部 多摩地区にある、児童養護施設 東京サレジオ学園。全宇宙の支配者 クソ大和田が、俺の金で造った地獄みたいな所。その東京サレジオ学園の敷地内にある、小学校一年生から小学校三年生までが暮らしているのが、『ねむの家』。そこに否応なく、小学校二年生になった、俺 東 清二も 暮らしている。親も家族も家もない 俺にとっては、ここで暮らす以外に選択肢がなかった。悲しいかな時代は、俺の長年の敵 大和田の世。そんな灰色の時代の、しょうもない孤児院の話。
ねむの家の子供たちは、平日は 小平市立第三小学校へ登校する。サレジオ学園の子供たちは、群れて登校し すぐにケンカをするので、公立の小学校においては、嫌われ者だ。そして サレジオ学園の子供は、土曜日には 上履きの掃除、そして日曜日は 坂の上の広場で、ドッチボールをする。これが、いつものルーティーンだ。
それはそうと、俺のお尻について説明しなくては。もともと 山中星美ホームという、幼稚園児の頃、俺はトイレの後は お尻をキレイに拭いていた。ただ 山中星美ホームには、お金がなかった。トイレットペーパー代さえ、払えないぐらいにね。その結果、山中星美ホームの園長をしていた先生の判断で、下着が汚れても 洗濯すればいいという事で、トイレの後 お尻は拭かなくていいという事に決まった。そして、とうとう山中星美ホームのトイレから、トイレットペーパーが無くなる。もう パブロフの犬なのか、一度 トイレの後にお尻を拭かない習慣がつくと、そのまま 俺は進級し 東京サレジオ学園に入ってしまった。なので お風呂の時に、俺はお尻をキレイに洗っていた。小学校高学年になるまで ずっと、俺のお尻は臭かった。トイレットペーパーがあり、使用してもいい事に気付かなければ いけなかった。俺、ちゃんと しっかりして…。
そして日曜日、いつものごとく 坂の上へドッチボールをしに行こうとしたら、学年が一つ上の小3の熊谷 ツヨシと、小3の番長 横山 ケンジと遭遇した。すぐにケンカになるサレジオ学園の子供だけあって、相変わらず 揉めている。先輩が揉めてようが 俺には関係ないので、俺は坂の上へ行こうとしたら呼び止められた。
「ひがしきー、熊谷が 俺の方がケンカ強いのに、 俺の言うことを聞かないぞー」と横山 ケンジ。
「別に ケンカが強いやつの言うことを、聞く聞かないは 先輩じゃあるまいし、俺の自由だ」と熊谷。
「どうでもいいですけど、ドッチボールの時間に遅れたら、ジャンボ・テレジアから ケツバットですよ。俺は 先に行きますからね」と俺。
東京サレジオ学園の子供たちは、始終 ケンカばかりしているので、ほっといて 俺は坂の上へ行こうとする。
すると「待てっ!お前も、ここに残れ!」と、2人に言われる。
「何故ですか?」と俺。
「ケンカを止める 係だ」と熊谷。
「ひがしきー、ケンカなら オレの方が、熊谷より強いぞー」と横山 ケンジ。
「そういうこと言うから、ケンカになるんですよ。俺は、出来れば ケツバット喰らいたくないので、あとは2人で話し合いで、解決して下さい」と俺。
「ひがしきー、オレの言うことを聞かないと、ひがしきの秘密、熊谷にバラすぞー」と横山 ケンジ。
「何で、そうなるんだよっ」と俺。
「コイツの秘密か。それは、いい。このガキは、自分が正しいと相手が先輩だろうと、楯突くからな」と熊谷が、ニヤニヤしながら ほざく。
「くまがいー、ひがしきはトイレの後、ケツを1回しか拭かないから、ひがしきのケツは臭いんだぞー」と、横山ケンジも ほざく。
「それは、いい事を聞いた。ホントかどうか、確かめないとな」と熊谷。
熊谷 ツヨシが、俺の後ろに回り込み お尻の臭いを嗅ぐ。屈辱…。
「ホントに臭え」と熊谷。
「ひがしきー、オレの言うことを聞かないから、こんなことになるんだぞー」と横山ケンジがほざく。
「うるせえよ。確かに俺のケツは臭いかもしれないけど、お前らだって クソ先輩のクソ野朗じゃねえかっ」と俺。
「テメーっ!」と熊谷が、俺に殴りかかってきた。俺は 教わった事もないけど、合気道の見よう見まねで、熊谷を放り投げ 地面に叩きつける。
「次は、秘密さえ守れない お前かっ?」と俺は、一つ学年が上の小3の番長 横山 ケンジに向かって言う。
目の前で熊谷が、簡単に倒されるのを見た 横山 ケンジは、「ひがしきっ、ケンカはよくないぞ」と焦った様子で言う。
「まあ、いいや。まずは、熊谷から仕留めよう」と俺。熊谷 ツヨシの上に馬乗りになって、殴り倒そうとしたら「まいった!ギブアップだ!」と熊谷が叫ぶ。
「弱えー」と俺は言い、立ち上がる。
「ケンジ!オレたちは、先輩だぞ!何でオレを、助けねえんだ」と熊谷。
「いやっ、ひがしき 本気になると、強いからよー」とケンジ。
「じゃあ、お前ら先輩2人は 、サレジオの喧嘩の強い ボス猿ランキングでは、俺より はるかに下で。何だったら、仲の悪い先輩同士手を組んで、俺 対 熊谷とケンジの2人で、闘ってみるか?ああ!?」と俺。
「いやっ、待て!きよじが強いのは、分かった。ただ、オレが後輩にケンカで負けたのは、ココだけの話にしてくれ」と熊谷。
「横山 ケンジは、秘密を守れないと ついさっき、証明されたんだけどな」と俺。
「ひがしきー、それだったら オレがひがしきのケツをキレイにしてやるぞー」とケンジ。そう言った 横山 ケンジの手には、芝生の上に落ちていたであろう、小さな細い木の枝を持っている。悪い予感しかしない。
「ひがしきー、オレたちは先輩だぞー。先輩の言うことは、聞かないといけないんだぞー」と横山 ケンジ。
〈このスポーツとケンカしか能のない、勉強の出来ない 知恵遅れは、どう対処すればいいのか?〉
「くまがいー、ひがしきが暴れないように、見張ってろ」とケンジ。俺の履いていた半ズボンと下着を下げる。当然、俺の下半身は剥き出しになる。熊谷が見張っている中、横山 ケンジが、俺のお尻の糞をほじくる。最悪の状態だ。
なので、俺は 小3の番長 横山 ケンジに蹴りを入れ、脱がされていた 半ズボンと下着を引き上げる。
「ひがしきー、なに戻してるんだ。サレジオでは、先輩の言う通りにしないといけないんだぞー」とケンジ。
「うるせえ。ふざけんな」と俺。
「分かった。多数決で決める。きよじが、先輩の言うことを聞かないといけないと、思う人?」と熊谷。熊谷とケンジが、手を挙げ 賛成し決定した。俺は、反対したけどね。
それからは、熊谷とケンジに、俺のお尻は 木の枝で、つつかれ 最終的に、木の枝が肛門の中に入ったまま 枝が折れた。さすがに熊谷は「シャレにならない」と、木の枝をお尻から 取り出そうとしたが、そうすればそうするほど 枝は深くお尻に刺さり、俺のお尻は激痛に襲われる。俺は 自分の手で、木の枝をお尻の奥から 取り出そうとするが、取り出せない。
「もう オレは知らない。きよじ、この事 誰にも言うんじゃねえぞ」と言い残し、熊谷 ツヨシは 坂の上へ向かった。
「ひがしきー、シスターにも言うんじゃないぞー。この事は、ヒミツだぞ。ヒミツは、守るものだぞー」と言い、横山 ケンジも 坂の上へ向かう。
ガキンチョだった俺は、このような事態に どうすればいいか分からず、途方にくれる。分かっていることは、屈辱の日で 救急車を呼んだ方がいいかどうかだ。
《そういえば、こんな事もあったなと 2016/12/22 今現在 思い返して、嫌な気分になった。熊谷 ツヨシも横山 ケンジも、クソ野朗で その上、横山 ケンジに至っては、ホモ野郎でもある。そして 2人とも、全宇宙の支配者 クソ大和田の側の人間たちだ。この2人が、今頃 どこで何をしているかを、俺は知らないし興味もない。ただし 勿論、いずれは クソ大和田を消せる状態になったら、熊谷もケンジも ぶっ消す。数千年前から続く、俺 対 大和田の消すか消されるかの戦いも、2016/12/22には最終局面に入った。今の俺は、大和田も 大和田の側の人間たちも 居ないところへたどり着いた。その分、俺の側の人間たちも 居ないし、会いにも来れない場所に 俺は居る。俺の寿命は、長く見積もっても あと15年。寿命が終われば、確実に 念能力者にも成れるし、本当の自分 大天使長 ドン・リュシフェルにも成れる。そうすれば 幸福の王子として、世界中を幸せにする事だって 出来るかもしれない。ただ もっと早く、這い上がりたい。だから ここんとこずっと待ってるんだ。カナ ニケ ミケ、そして念能力をね。確証はないけど、きっと もうすぐだ》
こうして、今回の話は お尻の奥に、木の枝が刺さったまま 終わってしまった。汚くて しょうもない話で、振り返ってみても 嫌な記憶、嫌な体験でしかない。全宇宙の支配者 クソ大和田の手の内で生きる、大和田の側の人間たちと一緒にいると、こんな事になってしまう。俺に、逃れる術はなかったのか?次回の話は この続き、お尻に刺さった木の枝をどうすれば外せるかと、すったもんだします。さて、どうなることやら。以上。
読んで頂き、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!