第六十話 名門 長尾家
久し振りの本編で、俺の大切な友人の二人の話と、何で俺が 念能力を失ったかを、思い出している話です。
ここはどこかって?東京都の西部 多摩地区にある、児童養護施設 東京サレジオ学園。喧嘩のレベルだけは高い、地獄みたいなところです。俺は、誰かって?その名は、東 清二と言います。小学校一年生で 大した男では、ありません。大した男ではありませんが、後に「全宇宙の支配者になる!」という 野望を秘めた子供です。成れるかではなく、成らないといけません。さて、今回の話しの舞台は、東京サレジオ学園内にある ねむの家と呼ばれる 小学校一年生から、小学校三年生までが収容されているところの話しです。久し振りに、本編の続きです。楽しんで頂けたら、幸いです。
サイトウ ハヤト、小学校三年生の番長で 運動神経も良く喧嘩も強く、みんなからは ヤトと呼ばれ 慕われている。
山崎 クニオ、同じく 小学校三年生のいじめられっ子。なまじ 面白い人なので、反応が面白い分 いじめのターゲットになりやすい。後輩には優しいが、喧嘩が強くないと 東京サレジオ学園では、尊敬されないし 生き残れない。しかも クニオ君の同学年は、ケンカの強い少年が多く、ケンカの強くないクニオ君は、しんどい立場だ。
この2人と 俺で、ねむの家の子供達の確認をしていた。理由は、俺が 記憶を奪われたから。その確認作業で、俺と幼馴染みの 長尾 ケン君と長尾 シン君の番となった。ケン君とシン君は、一卵性の双子で 俺以外の人だと、なかなか見分けがつかない。性格は、ケン君が守備的で シン君は攻撃的、といったイメージで 2人共 心根の優しい 愛すべき少年だ。何で そんな2人が、こんな地獄のようなところに居なきゃいけないのか。多分、親の問題なのだろうけど、世の中 不条理だ。
そんなケン君シン君のところに、俺とヤトさんとクニオ君がやって来た。
「清二、お前はどうやって この2人を、見分けているんだ?」とヤトさん。
「イメージと勘」と俺。
「清二、俺でも分からない」とクニオ君。
「俺が見分けられないのに、クニオに分かるわけねえだろ」とヤトさん。はっ!?クニオ君が、小さくなってしまった。ヤトさんが恐い顔してるから、しょうがないか。まったく ヤトさんとクニオ君は、幼馴染みなのに。何で、仲良く 一緒にやっていく ということが、出来ないのだろう。
「ちなみに ケン君とシン君の2人は、戦国時代に その当時の俺に、出会ってますよ。ヤトさんもクニオ君も、上杉謙信って名前 聞いたことありませんか?」と俺。
「ある!」とヤトさん。「俺も、あるぞー」とクニオ君。
「上杉謙信は 当時の俺ですが、元々は 長尾 景虎と名乗ってました。その時に ケン君もシン君も、戦国時代に存在し 長尾家の一員だった。越後国は、米にも酒にも金にも 恵まれ、豊かな国として存在してました。なので 大義名分がある時しか、戦わなかった。豪族を潰したあとは、戦に勝っても 領土を広げたりは、しなかった。そんな頃、ケン君は守備を シン君は攻撃を唱えていた。そんなこんなで、俺の親友 オダギリジョーが、どちらの意見を採用したらいいか、てんてこ舞いになってました。結果、結局 ケン君もシン君も、戦国時代から 撤収することにし、ケン君とシン君の名を借り、上杉 謙信と名乗ることになった。上杉という名字は、今 ケン君とシン君の父親をしている男からです。そんな戦国時代からの、名門 長尾家のケン君とシン君が、巡り巡って ここ東京サレジオ学園 ねむの家に居ます」と俺。
「そんなに凄えなら、強いのか?」とヤトさん。
「普通。強くもなく、弱くもない。別に 野望がある訳でもないので、ヤトさんは ケン君とシン君とケンカしちゃダメですよ」と俺。
「清二、俺も 闘わない方がいいかー?」とクニオ君。
「当たり前です。暴力が憎しみを生み、憎しみが また暴力を生む。先輩から ぶっ飛ばされながら育ったら、その人は 後輩をぶっ飛ばすでしょう。それを堪えるのは、結構な我慢がいる。どうしても我慢出来ない時以外は、後輩といえど そう簡単に ぶっ飛ばさないでください」と俺。
「分かった」とクニオ君。
「ああ。我慢出来ない時には、俺はぶっ飛ばすけどな」とヤトさん。
「はい。それで、構いませんよ。あと クニオ君は、名前を逆さにすると おにく なので、ケン君とシン君には、おにく と呼ばれてみてください。クニオ君は、後輩には慕われてますし」と俺。
シン君が 試しに「おにーく」と言う。「ガォーッ!」とクニオ君は、シン君に襲いかかり 横腹をくすぐっている。ケン君が「おにく」と小さめな声で 言うと、「ウガーッ!」とクニオ君は、ケン君をくすぐる。後輩に慕われる クニオ君ならではの、ヤトさんには 出来ないことだ。これ以来、クニオ君を ケン君シン君は、「おにく」と呼び、仲良しになった。
《なんだか、もう疲れた。たかだか 念能力者じゃないだけで、こんなに苦しまないといけないのか。もちろん そもそも、何で念能力を禁止されなければならないのか。禁止した 全宇宙の支配者 クソ大和田を、俺が ぶっ殺してぶっ消そうとしてるかららしい。クソ大和田を完全に消さないと、日本のみならず 世界中で起こっている 負の連鎖 不幸の連鎖が、終わらない。この2回目の東 清二としての人生の中で、2度だけ 念能力者になったことがある。一方は クソ常盤貴子の仕業で、せっかく手に入れた念能力を使えなくされた。クソみたいな シュチュエーションでね。もう一方は、いつも 大和田の期待に応える、高倉健が「このままでは、自分に被害が出るかもしれない」という理由で、高倉健は大和田が求めていた、俺を念能力者じゃなくす案に従った。その結果、2016/09/24も こうして俺は念能力者ではない。
失われた30年。俺が、念能力者じゃない30年。俺が、時代に機能しない30年。天皇も皇太子も偽物で、皇后も 小和田 雅子は、偽物に嫁いだクソ女で、クソ女同士仲が悪い。そもそもクソ大和田が存在し、全宇宙の支配者になってしまったことがいけない。ただ 俺が念能力を使えなくされたのは、高倉健が使い物にならないからだ。この2回目の東 清二としての人生では、12歳になったら自動的に念能力者になる予定だった。が、その人生が始まる前に、俺 オダギリジョー 菅原文太の、天上人 有資格者 3人で作戦会議をし、余裕が生まれてしまった。話し合って決めた、決まったことを文太が、余裕をぶっこいて変えてしまった。理由は「どうしても、手柄を立てたい」と、高倉健に どうしてもと頼まれたから。よりにもよって その変えたことが、俺を念能力者にする 師匠に、高倉健がなるということだった。俺もオダギリも、あの不幸の使者 高倉健に、そんな大事な役目を任せられないと 慌てて それを辞めさせようとした。だが 高倉健は、「自分は、もう任されたので」と譲らず、案の定 結果、不幸の王様 大和田に、不幸の使者 高倉健が、俺の念能力と俺を 売った。相変わらず 高倉健は、大和田の期待に応え、なおかつ 不幸の使者 高倉健も 不幸の王様 大和田も、ずっと念能力者である。ドラマ『白い巨塔』の終わる時に、全宇宙の支配者 大和田の、大和田の世が来ることになった。あと当日を入れて 3日、俺が念能力を保持していたら、大和田の世が来ないばかりか、大和田も 大和田の側の人間達も、完全にぶっ消すことが出来たのに!これが、失われた30年》
こうして 本編の途中から、何故か 回顧録になってしまった…。そう 俺は、四日間だけ 念能力者だった。あと3日、高倉健が「現状維持で」と言う俺を、信じてくれれば。過去を振り返っても しょうがないので、そういえば 俺、最近 誕生日を迎え、35歳になりました。なので、まともな生活をしてこなかった俺の場合、50歳で死ぬとして長くても あと15年が残された時間だ。か、明日にでも 念能力者になれるか。次回の話は、なるべく 本編を進めるように、頑張ってみます。以上。
読んでくれて、どうもありがとうございました。宜しければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!