第五話 白い巨塔 オーディション
A-,長らく更新しないで、申し訳ありませんでした。言い訳させてもらうと、引越しやら、いろいろあったので。これからも、よろぴく。
第五話 白い巨塔 オーディション
リュシフェル
フジテレビに、到着。どうやら、オーディションがあるらしい。ガキがいっぱいいる。あっ、俺もガキだ。
「ここにすわって、いい子にしててね」
「はーい」一応、かわいく答えておく。何か、偉そうなオッサンが出てきた。
「えー、今からオーディションを始める。名前呼ばれた人から、こっちに来るように。まずは、見本」
「はい、足が悪い人やります」とても可愛らしい女の子が演技を始めた。足をひきずり、とても痛そうだ。
「痛い、痛い」演技が終わった。
「今の演技以上じゃないと合格させません」と、また偉そうなオッサンが言った。
オーディションが始まった。
「痛い、痛い」と泣き叫ぶやつ。大げさに転ぶやつ。ただの学芸会が始まった。そして、俺の順番がきた。
イメージは、足が棒になったように。左足を軽く前にだし、右足は、ひざを曲げずに、そのまま左足までもっていく。決して大げさではなく、声も出さない。ただ、たんたんと前へ、前へ。
「名前は?」
「東 きよじです」
「どこの劇団だ?」
「サレジオ学園」
「サレジオ?聞いたことないな」
「あっ孤児院です。何か、孤児院の子がどういうふうか知りたかったらしくて」
「お前、孤児院の子なのか?」
「はい」
「合格だ」
「えっ?」
「ひとつだけ教えてくれ。何で、声もださなかったんだ?」
「テーマが足の悪い人だったので、いくら足が悪くたって、普通、声をあげたり、わざわざアピールしたりしないでしょう」
偉そうなオッサンが、見本の演技をした女の子を呼んだ。
「広末、お前も見習えよ」
「はい」(どっかで、見た顔だ)
「孤児院の子、名前は?」
「だから、東 きよじです」
「広末と東、合格。これから一緒にやっていくから仲良くするように」オッサンがいなくなる。
「始めまして、東です」
「はじめまして?広末 涼子です。きよじって本名ですか?」
「ほい」
「ほい?リョーチンで分かりませんか?」
「へい?」
「もう、やっと会えた。今どういう状態?」
「孤児の中の孤児、完全に親がいない状態」
「大丈夫なの?」
「さあー、どうでしょう。よろしくお願いします」
「もう、分かってない」
オッサンが帰ってくる。
「お前ら、何を話してたんだ?まあ、いい。後で、ドラマ(白い巨塔)の主演田宮 二郎を紹介してやる」
「別にいいです。帰ります」と俺。
「何でだ?ドラマに出れるんだぞ」
「いいです。シスターに、テレホンカードもらったので、電話して帰ります。ありがとうございました」
「やだ。絶対やだ」と広末。
「とりあえず、明日までは居ろ。テレカは、オレが預かっておく」
「あー、面倒くせぇ。」
とりあえず、合格。以上。
A-,実話です。