第五十八話 俺の宝物 ピノコ・ナディア・哀姫について
本編はあまり進まず、俺の宝物 カナ姫についての話です。
俺の名前は、東 清二。天涯孤独の身です。なので、住んでいる所は 児童養護施設 東京サレジオ学園の ねむの家と呼ばれているところです。そして 公立の小学校、小平市立第三小学校に通い、学年は 小学校一年生です。ただ 今回の話は、2016/08/26時点で 分かっていたり思い出したりしている、俺の宝物 ピノコ・ナディア・哀姫についての事を、書こうと思います。
まず 出会いはというと、幾つかある。例えば 俺が、太陽の真ん中にある 核の中で、太陽系の誕生と調整をしていた時に、哀姫は 月に居て、月のお姫様をしていた。太陽系の調整が済み、太陽系には どんな生き物がいるのかと見渡してみたら、哀姫が たくさんのうさぎ達と生きて暮らしている事を知った。哀姫の暮らしぶりはというと、何も食べず何も飲まず、うさぎ達を可愛がりながら、暮らしていた。月は寒過ぎるから、眠る時は「うさタン、集合!」と言い、大量のうさぎを毛布代わりにして眠っていた。常識では考えられないけど、きっと奇跡ってヤツで、そもそも俺だって 太陽の核の中に仕事とはいえ 住んでいたりする。だから、プレゼンをすることにした。月へ出向いてね。
俺は、太陽の核を出て、月へ行き「寒いヤイ 寒いヤイ」と、寝言を言いながら 眠っているガキンチョの女の子が起きるのを、うさぎと遊びながら 待つことにした。ただ月の気温は 0度を下回っているので、デニムに 半袖の白いTシャツで来た俺は、寒さでブルブル震えている。そんな中 やっと、ガキンチョが目を覚ました。
「初めましてじゃないかもしれないけど、トシと言います。おはよう、ガキンチョ!」と俺。
「ありー、人間さん ヤイね。珍しいヤイね、おはようござんす。ガキンチョじゃなくて、名前はカナ ヤイ」とカナと名乗る 女の子。
「カナ、さん?ちゃん?月のお姫様も良いけど、この環境じゃ 寒すぎるだろ」と俺。
「寒いことは寒すぎるけど、カナには 友達も家族も、いないヤイ!動物さんしか、一緒に居てくれないヤイ」とカナ。
「奇遇だね。俺にも、家族も友達もいないんだよ。ちなみに、動物とも一緒に居れてないけどね」と俺。
「ありー、カナと一緒で 一人ぼっちヤイか。名前、何ていうヤイか?もしかしたら、カナが ずいっとずいっと待っていた、馬鹿トチーヤイかもしれないヤイ」
「俺の名は、トシだよ。さっき、名乗ったんだけど。俺が 君の言う、馬鹿トチーヤイかはわからないけど。どうしたら、分かるんだい?」
「触れば、分かるヤイ。カナは 、馬鹿トチーヤイ以外の男に直接触れると、悪寒がするヤイ!トチに、触ってもいいヤイか?」
「全然、いいよ」
小さな女の子 カナが、おれの腕に触れる。恐る恐る触れたので、よっぽど酷い 悪寒が、過去にあったんだろう。俺の腕に触れた カナは、驚き 笑顔になった。
「しゅげーヤイ!しゅげーヤイ!悪寒がしなかったヤイ。確実に、馬鹿トチーヤイ、ヤイ!」とカナが、喜ぶ。
「俺が 君の言う、馬鹿トチーヤイだったのか。それじゃあ、ちゃんと対応しないとな。何か、したい事はあるか?」
「馬鹿トチーヤイと、ずいっとずいっと一緒に居たいヤイ!」
「場所は、ここ月じゃなくてもいいかい?さっきから 寒すぎて、震えが止まらないんだ」
「馬鹿トチーヤイと一緒なら、どこでもいいヤイよ。どこ行くヤイか?」
「太陽の核の中。温度は、デニムに半袖のTシャツで、ちょうどいい感じになってるから。勇気を持って、一緒に行くかい?」
「いっちょに行くヤイ!いっちょに行くヤイ」
「それじゃ、ついて来て」と俺。
俺とカナは、月を離れ 太陽の真ん前に来た。そこは間違いなく、全宇宙で 一番熱い場所。
「じゃあ カナ、太陽の中へ入るぞ。一瞬だけ 凄え熱くて、仮死の状態になる。だけど その後は、ちゃんと太陽の中へ入れるから、信じてくれ」と俺。
「カナりん でも、入れるヤイか?」
「この星の最高責任者、俺の許可があれば」
「了解しもした。了解しもしたヤイ。馬鹿トチーヤイを信じ申すので、太陽さんの中へ 入らせてくださいヤイ!」
「じゃあ はぐれないように、手を繋いで」と俺。カナと手をつなぐ。
「うほほいっ、うほほいっ!馬鹿トチーヤイと、手をつなげたヤイ!」と、喜ぶカナ。
そのまま 手を繋いで、俺とカナは 太陽の中の核に入る。こんな事で 死んだことにはならないけど、やっぱり一瞬熱くて 仮死の状態になる。それでも2人共、太陽の中へ入れた。
太陽の核の中には、居住スペースと黒い壁一面に、緑色をした文字列と数列が表示されていて、今その瞬間も 刻々と変化している。この文字列と数列を読み解き 紐解くと、太陽系の状態や状況が分かる。それを カナは、興味津々といった様子で「しゅげーヤイ!しゅげーヤイ!」と言いながら、見ている。
そして、「馬鹿トチーヤイ!太陽さんの中は、ほかほかヤイね」と喜んでいる。そりゃあ月の温度は、0度を下回っているので、気温が25度に設定されている 太陽の中の居住スペースは、快適だろう。その事が分かっていたのも、カナを太陽の核の中へ連れて来た 大きな理由だ。もう一つの理由は、孤独だ。
「カナ吉!何か飲み物を、飲まないか?」と俺。
「オレンジ ジューチュがいいヤイ!あるヤイか?」
「あるよ。オレンジジュースを飲んだら、ゆっくりお風呂に入っておいで。月にオレンジジュースは、無かったからね。あとは、しっかり温まっておいで」
「太陽さんには、お風呂があるヤイか。馬鹿トチーヤイ、レデーのお風呂 覗いちゃ駄目ヤイよ。カナは、レデーなんですからね」
「ガキンチョの裸なんて、興味ないよ。ちなみに太陽の中の風呂は、天然温泉だからね。そうセッティングしておいた」
「ありー!温泉ヤイか。さすが、馬鹿トチーヤイね。じゃあ カナりんは、お風呂に入ってくるヤイ」
「了解しやした」と俺。
月に残してきた うさぎたちと、太陽の次は 地球の設定をしなくてはと、黒い壁の緑色の文字列数列と 俺は、にらめっこする。この頃の地球は、恐竜たちの最盛期で、哺乳類はネズミしかいない。少なくとも、うさぎたちの居場所を、作らなければならない。そして いつか地球は、人間達の試される場にしなくては、と考え事をしていたら、カナがお風呂から上がってきた。
「馬鹿トチーヤイ!お風呂温泉、ほかほか だったヤイ!ちゃんと着替えもタオルも、あったヤイ」とご機嫌な様子で、はしゃいでいる。俺はタオルで、カナの頭を拭き残しの無いように、風邪を引かないように ゴシゴシと拭いておく。そして、このカナというガキンチョが、これ以上 悲しまないようにと 強く思った。
《これが 哀姫との、出会いの一つで 哀姫という名も、いろんな場所でいろんな遭遇をしたのだけど、カナはいつも一人ぼっちで哀しんでいるので、哀姫と名付けた。俺の場合、人生が終わるたびに記憶が消されるので、直感とイメージで思い出さなきゃいけない。なので 、いつも哀しんでる 月のお姫様という事で、哀姫となった。もちろん この後に、人間が試される場になる地球で、太陽の落とし子になる俺の 二分の一の女ということで、姫が付く。哀姫は適正年齢が6歳で、いつも6歳児で 年齢が固定されている。もともと、持って生まれたものだ。一方、俺の適正年齢が15歳なので、15歳の約半分 6歳という事で、哀姫は 俺の二分の一女となる。やっぱり いつも明るく無邪気な、俺の宝物 哀姫が居ないと、俺は幸せにはなれない。2016/09/01だって、明日になったら 会いに来てくれると、俺は願っている。それと、念能力をこの手にとも。そうすれば、俺は全てを手に入れられる。欲しいもの全部をね》
こうして[きよじ]の本編が進まず、俺の宝物 ピノコ・ナディア・哀姫との出会いの話だけで、終わってしまった…。しかも 次回の話は、哀姫の飼い猫 ニケ姫の話の予定だ。ニケ吉も、カナ吉の次に 俺の近くに居る 4分の1女の子猫だ。カナ吉もそうだしニケ吉もそうなんだけど、糞尿をしない。寿命もない。俺にとっては、2人とも 特別な存在だ。なのに、しんどい目に遭ったり 迫害されたりしている。だから 強い決意で、俺は念能力者になることを待っているんだ。全宇宙の支配者 クソ大和田に禁止にされた 念能力をね。きっと、もうすぐだ。以上。
読んでくれて、どうもありがとうございました。よろしければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!