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きよじ  作者: 東 清二
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第五十四話 暗黒の同学年

児童養護施設 東京サレジオ学園の ねむの家での、クソガキ2人に まつわる話です。少しだけ、昔話もあります。

俺の名は、ひがし 清二きよじ。親もなく家族もなく、お金もない。そうすると 行き着くところは、犯罪か もしくは児童養護施設。そんなこんなで 俺は、東京の西 多摩地区にある児童養護施設 東京サレジオ学園で 生きている。その東京サレジオ学園に、小学校一年生のから小学校三年生までが暮らしているところが ねむの家。何と風呂がガラス張りで、外から丸見えな家だ。そんな中、全宇宙の支配者クソ大和田おおわだによって、大和田おおわだの事だけ 俺の記憶が奪われた。なので、ねむの家に纏わる人たちを再確認し、残すは 俺と同学年の小学校一年生のみになった。


今までのように、俺と小3の番長 サイトウ ハヤト君、そして 小3のいじめられっ子 山崎 クニオくんと、ねむの家を歩く。ねむの家の唯一 テレビの観れる部屋に、佐々木 ナオト 通称なすび がいた。なすびは前世で、戦国時代に 佐々成政さっさなりまさをしていた。そう 俺が、織田二郎三郎信長おだじろうさぶろうのぶながをしていた頃にね。その頃から なすびは、弱いものいじめをしたり、性格が悪く 善良な人にまで攻撃をするので、戦国時代には 当時の俺が、佐々成政さっさなりまさを北陸へ左遷と追放をした。織田家には、なすびはいらないからね。それが 何の因果か、ここ東京サレジオ学園 ねむの家で、同学年として再会する事になった。この時の俺は、記憶を奪われたので 覚えていないが、全宇宙の支配者 大和田おおわだの考えそうなことだ。


「なすびか…。これから 一緒に、やっていける気がしない…」と俺。

「なら、ぶっ飛ばせばいいじゃねえか。清二きよじだったら、こんな奴 余裕で勝てるだろ」とヤトさん。

「なすび だったら、俺でも勝てるぞ〜」とクニオ君。

「もう 先輩方は、黙ってて下さい。なすびが、訳が分からず 怯えてるじゃないですか。まっ、いいか。なすび お前、しん君とけん君いじめたら、俺とケンカだからな」と俺。

「だったら、今 ぶっ飛ばせばいいじゃねえか」とヤトさん。

「ヤトさん、喧嘩するったって 闘う理由がいるんですよ。大義名分とは いかなくても、義のある 正当な理由のある喧嘩じゃないと、俺は戦ったりしませんよ」と俺

清二きよじ、そんな事 言ってたら、ここじゃ生き残れないぞ」とヤトさん。

「ここじゃ生き残れないったって、ずっとここ東京サレジオ学園に 俺は居たいわけじゃないですよ。念能力者に成るとか、お金持ちに成るとか、少なくても 1人で生きていけるようになったら、喜んで出て行きますよ」と俺。

「俺も、お金持ちになったら こんなとこ、喜んで出て行くぞ!」とクニオ君。

「クニオっ!今、大事な話をしてるんだ。お前は、黙ってろ!」とヤトさん。クニオ君は、急いで 俺の後ろに隠れる。

「こらっ ヤトさん。なすびは ともかく、クニオ君を怯えさせないでください。じゃっ ヤトさん、なすびに関しては、友達を作るとか ちゃんとルールを守るとか 集団生活も 出来ないだろうから、途中で ここ東京サレジオ学園を出て行くことになるでしょうから、次に行きましょう。ついでに、ローリングソバット!」と俺。なすびを蹴り飛ばし、なすびは 折れた人形のように 壁にへばりついている。

「ハハッ笑!清二きよじも、やれば出来るじゃねえか!よしっ、次のガキに行こう」とヤトさん。

「ヤト!もしかして清二きよじ、俺より強いのか?」とクニオ君。

「ああ。今頃、気づいたのか。俺の知ってる 後輩の中で、清二きよじは一番強え。もちろん、クニオよりもな」とヤトさん。

「うわー、知らなかった!これからは、清二きよじにも 気をつけよう」とクニオ君。少し、俺から距離を置く。俺は ヤトさんと違って、暴れん坊じゃないのに。


そして なすびに会いに来た、吉田よしだ 大地だいちが 壁にへばりついて横たわる なすびを見て、驚いている。無理もない、佐々木 ナオトと吉田大地よしだだいちは手を組み、率先して 小1のボス猿争いを繰り広げている。ボス猿争いに、俺は興味ないから 放っておいてるけどね。

「ヤトが、やったのか?」と吉田よしだ

「ヤトさん、そう簡単に 後輩ぶっ飛ばしちゃダメですよ」と俺。

「お前、だから ふざけんな!今回は、俺がやったんじゃねえだろ!」とヤトさん。

「はっ!?もしや、後輩には優しい クニオ君が…!?」と、ふざけながらの俺。

「ハハハッ笑」と、珍しく ヤトさんもクニオ君も、笑っている。

「ああ。吉田よしだ。なすびは、俺が蹴り飛ばしたんだよ。次 俺と闘うのは、吉田よしだか?」と俺。

「きよじ。ナオトには勝てても、俺には勝てないからな!」と吉田よしだ

「一度 戦闘モードに入ってるから、吉田よしだに ケンカで勝てる気、満々なんたけどな」と俺。

清二きよじ!こんな弱いやつ 放っておいて、次行くぞ!」とヤトさん。

「次だ次だ」とクニオ君。

「はいほい」と俺。


吉田よしだは なすびに、本当に俺に、ケンカで負けたのか聞いてる。なすびは、「軽ん気だった」と答えている。なすびと吉田よしだは、子ども寮と呼ばれているところの出身で、共に性格が悪く 嫌われ者の悪友の2人だ。強い者に 媚びへつらい、弱い者や ケンカをしたくない者には、強く出る。まるで 性格も存在も、俺とは真逆の2人だ。それなのに、そんな奴らと ひとつ屋根の下で暮らさないといけない、ここ東京サレジオ学園の地獄っぷりっと言ったら!


《この時から 2年後の話だけど、俺は『ブナの家』と言って 小学校四年生から中学校三年生までが暮らす家で、吉田大地よしだだいちと一緒に入ることになる。そう決まった時の 俺の絶望と失望が、どんだけだったか 君らに分かるかい?3年間一緒の家に住み、一緒の学校に通う。小学校四年生になって、やっと解放されると思ったら あともう6年間、一緒の家 一緒の学校。だから、それを決めた この東京サレジオ学園の園長 村上むらかみコウスケには、恨みと憎しみしかない。サレジオ学園の学園生は、俺と村公むらこうこと 村上むらかみコウスケが、仲がいいと誤解されてた。俺の憎むべき敵 全宇宙の支配者 クソ大和田おおわだの親友である 村公むらこうと、上手くやっていけるはずがない。村公むらこうは神父のくせに、修道女の三宅みやけシスターと 情を通じ、村上むらかみコウスケの持っていたエイズウィルスをばら撒く結果にまでなった。本当に 東京サレジオ学園は、地獄のようなとこだった》


こうして、全宇宙の支配者 大和田おおわだの側の人間 佐々木ナオトとクソ大和田おおわだの息子 吉田大地よしだだいちの、確認を終えた。もちろん 確認したところで、状況や状態が変わる訳もなく、ただただ 事態の深刻さを嘆くだけなのだけども。今 現在の俺は、大和田おおわだ大和田おおわだの側の人間達もいない、暗くて狭い部屋で暮らしている。そりゃあ 落ちこぼれて落ちぶれたけど、念願だった 大和田おおわだのいないところにたどり着いた。あとは ただただ、【哀姫かなひめ】と【念能力】を待つばかりです。だいぶ、待ち焦がれているけどね。それでも 今の俺じゃ、ただ 待つことしか出来ない。さて 次回の話は、いじめられっ子の元ゴリラと歴代サレジオの先輩の中で、一番嫌われてる同学年の奴の話です。さて、どうなることやら。以上。

読んでくれて、どうもありがとうございました。よろしければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!

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