表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きよじ  作者: 東 清二
54/198

第五十三話 ゴミ捨て山

児童養護施設 東京サレジオ学園 ねむの家で、そこに住む 先輩やシスター達を、これまた先輩達と面接 確認をする話です。

俺の名前は、ひがし 清二きよじ。家族もなく 大人びた、小学校一年生だ。俺が暮らしているところは、東京サレジオ学園。東京都の西に位置する、多摩地区にあり、児童養護施設と鑑別所の機能を持ち合わせている。そして 東京サレジオ学園にある『ねむの家』が、今回の話の舞台だ。ちなみに『ねむの家』には、小学校一年生から 小学校三年生までが暮らしている。


よく分からない理由で 一部俺の記憶が奪われたことを受け、俺と小3の番長 サイトウ ハヤト君 通称ヤトさんと小3のいじめられっ子 山崎 クニオ君と、ねむの家の探検と ねむの家の子供たちの面接をしている。ちなみに 俺もヤトさんも クニオ君も、幼稚園の頃は 山中星美やまなかせいびホームの出身だ。そして 次に会った子供も、山中星美やまなかせいびホーム出身だった。


その子供の名前は、村瀬むらせフミオという。フミオ君は 小学校二年生で、番長になれず すぐ後輩を殴る先輩に変貌していた。東京サレジオ学園で過ごした1年間で、何があったのだろうか。

清二きよじ、フミオは 大したことないし、別にいいか?」とヤトさん。

「うーん、別にいいですけど 前に熊谷くまがい君に、俺の顎ばっかり殴られて俺が意識を失ったっという話をしたじゃないですか。その時 俺を、後ろから羽交い締めしてたのが、フミオ君です。俺とフミオ君は、山中星美やまなかせいびホームに居た頃は 凄く仲良しだったのに。俺の知らない この東京サレジオ学園 ねむの家での1年間で、何があったのかですか?」

清二きよじ!俺は 後輩にも、優しいぞ!」とクニオ君。

「クニオ!お前は黙ってろ!フミオ、清二きよじを羽交い締めして意識を失わせたって 本当か?」とヤトさん。

「はい。熊谷くまがいに言われて」とフミオ君。

清二きよじ熊谷くまがいもフミオも、俺がぶっ飛ばしてもいいぞ」とヤトさん。

「自分の復讐は、自分ですると言ってるじゃないですか。別に 意識を失ったって言っても、金を奪われた訳でも 殺された訳でもないので、いつか熊谷くまがいだけは 俺の手で ぶっ飛ばしますけど、フミオ君はどっちでもいいです」と俺。

清二きよじ、お前がそれでいいなら 俺としては、熊谷くまがいもフミオも 見逃しといてやる」とヤトさん。

「じゃあ 俺も、見逃しといてやる」とクニオ君。クニオ君は、ヤトさんのラリアットを喰らう。

「クニオ君!ヤトさんは恐い人なので、下手に真似をしない方が 身の為ですよ」と俺。

「それを、早く言ってくれー!」とクニオ君。クニオ君は、俺の後ろに隠れた。俺とヤトさんとクニオ君は、次へ進む。


次に会った子供が、野口のぐち君。小学校二年生。寡黙で 喧嘩も強く 運動神経もまあまあ 勉強は大してやる気のない、子供だ。俺は 野口君のぐちくんを省略して、ぐち君と呼んでいる。

清二きよじは、野口ぐちとは 仲が良いのか?」とヤトさん。

「そう簡単には 、後輩に暴力を振るわない先輩です。ぐち君は おしゃべりではないので、仲が良いかは分かりません。あと ぐち君に関して言えば、ここ東京サレジオ学園 ねむの家で会ったのが、初対面じゃない気がします。もしかしたら、俺が東清二ひがしきよじに成る前に、どっかで会っている気がします。詳しくは、分かりませんが」と俺。

「俺も、どっかで会ってる気がするぞ!」とクニオ君。

「クニオ君のは、気のせいです」と俺。

清二きよじ、俺の事は どうだ?」とヤトさん。

「地球以外だったら、会ったことがあるかもしれません。ヤトさんは、プロスポーツ選手にならないなら、マフィアのトップ集団 コルレオーネ・ファミリーをお勧めします。ヤトさんの喧嘩の強さも ヤトさんの恐さも、むしろストロング ポイントになるでしょうし」と俺。

「マフィアか。それも 悪くないな。清二きよじ、コルレオーネ・ファミリーがマフィアのトップか?」とヤトさん。

「はい。俺の知ってる限りは。俺がだいぶ以前 、アメリカの孤児院で4歳の頃に 拾いに来てくれたのが、ドン・ビト・コルレオーネ。通称、ゴットファーザー。そして その時に、ゴットファーザーに付けられた名前が、ジョルジィオ・アルマーニです。小金が出来てからは、デザイナーもやったので、ヤトさんもクニオ君も 将来、紳士服の最高級ブランドとして ジョルジィオ・アルマーニの名前を知ることになると思います」と俺。

「俺は もう、知ってるぞー!」とクニオ君。

「お前は、知らないだろ!」とヤトさん。そう言いながら、クニオ君の頭にチョップを喰らわしている。

野口ぐち君は、本当に無口ですね。ここまで、何も話さない!ヤトさん、野口ぐち君は問題ないので、次に行きましょう」と俺。

「ああ。だな」とヤトさん。

「分かったぞー」とクニオ君。


そして 次に会ったのが、三宅みやけシスター。2つ大部屋がある ねむの家で、俺とヤトさんが住んでいる部屋とは、別の部屋を担当しているシスターだ。三宅みやけシスターは「自分は、エイズだ」という、衝撃の告白をした。なので 三宅みやけシスターが担当じゃない部屋を選んだ 俺とは、仲が悪いし、そもそも 人としての相性が悪い。それは いつも何かにつけ 怒られているヤトさんも同じみたいで、また 恐い顔になる。

「クニオ、お前が話せ」とヤトさん。

「んだんだ」と俺。

「待て!ヤトはともかく、清二きよじまで 俺をいじめるのか!?」と、動揺するクニオ君。

「クニオ君。確かに俺は、弱いものいじめはしない。ただ 俺とヤトさんは、三宅みやけシスターとは仲が悪い。ここは 三宅みやけシスターと仲が悪くない、クニオ君が話して」と俺。

「ハハッ笑。だな」とヤトさん。

「別に、三宅みやけシスターについて 話すことなんてないぞ」とクニオ君。

「じゃあ 終了で撤収で」と俺。

怪訝な顔で 今にも怒り出しそうな 三宅みやけシスターのそばを、俺とヤトさんとクニオ君は 立ち去る。


《ヤトさんは、喧嘩の強い 典型的な番長。クニオ君は、話しも存在も 面白い 典型的ないじめられっ子。もう この頃から、ヤトさん達 小3の世代は、誰が この東京サレジオ学園で生き残れるかの、生存競争が始まっていく。それでも、 この頃は まだよかった。この後、ヤトさん達 小3の学年には、全宇宙の支配者 大和田おおわだの息子 近藤こんどうヤスシや、黒人も 学年別に3人サレジオに入る。結果、誰が生き残れるかの過当競争へと激化する。だから僕は、願うんだ!いじめられっ子なんて、いない世界を!クニオ君みたいな人が、安心 安全で、笑顔で暮らしていける世を!その為には、必要最低限でいいから 俺に念能力をくれ!念能力が 全宇宙の支配者 大和田おおわだによって、俺だけ禁止され数百年が経つ。そりゃあ 俺が念能力者になったら、世界中を不幸にした 不幸の王様 クソ大和田おおわだなんて、確実にぶっ消してやるけどね。その覚悟が、俺が念能力者になることを禁止された 大きな理由の一つなのだろう。それでも、僕は待つんだ。俺が念能力者になり 幸福の王子になり、世界中を幸せに出来る世を!》


こうして 東京サレジオ学園 ねむの家の、シスターと小3 小2までの 面接を終えた。ねむの家は、親がゴミを捨てるがごとく 子供が預けられているので、まるで ゴミ捨て山の様相だ。しかも 子供達が成長するにつれ、状況は悪化していく。生き地獄のようにね。次回の話は、俺と同学年の小1の子供達との 面接です。さて、どうなることやら。以上。

読んでくれて、どうもありがとうございました。よろしければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ