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きよじ  作者: 東 清二
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第五十二話 番長といじめられっ子

番長といじめられっ子と一緒に、東京サレジオ学園 ねむの家の人達の、面接と探検をしている話です。

ここは、東京都の西 多摩地区にある 東京サレジオ学園。東京サレジオ学園は児童養護施設だが、鑑別所代わりにも 使われていて、何かと 喧嘩が多発する。そんなところに『ねむの家』という、小学校一年生から三年生までが、暮らしているところがある。小学校一年生の俺も、『ねむの家』で生きている。そんな中、東京サレジオ学園の内部を24時間365日監視する仕組みが作られた。その上 俺は、憎っくき敵 全宇宙の支配者 大和田おおわだについての記憶を奪われた。そんな中での話。


ここは ねむの家で、相変わらず 俺の後ろには、小3の番長 サイトウ ハヤト君が居る。俺が 一部記憶を奪われたので、確認するみたいだ。俺としては、その必要はないと思うのだけど。ねむの家をヤトさんと探検していると、小3の山崎 クニオ君に遭遇した。クニオ君は、俺を見て 笑顔になり、俺の後ろにいるヤトさんを見つけて、逃げ出そうとする。


ヤトさんと同じく 小3の、山崎 クニオ君はいじめられっ子だ。それを主導しているのが、ヤトさんだ。確かに クニオ君は、面白いことを言ったり 面白いことをするのが上手だ。ただ 喧嘩が強くないと、いじめを回避することが出来ない。しかも 相手が、小3の番長 ヤトさんだからね。たとえ先生にいじめられてると言っても、裏でやられるだけだ。それも、倍返し以上でね。それでも クニオ君は優しくて面白いから、後輩からは慕われている。


「クニオ、逃げんじゃねえ!」とヤトさん。クニオ君が、ビクッとする。

「クニオ君、逃げるなら 今ですよ。佐藤シスターは、食堂に居ます。それか、俺の後ろに隠れて」と俺。俺は180度回り、ヤトさんの方を向く。必然と、クニオ君は 俺の後ろにいることになる。

清二きよじ、ありがとう」と、クニオ君。

「清二!俺と、闘う気かっ?」とヤトさん。

「ヤトさん。強きをくじいて弱きを助ける ですよ」と俺。

清二きよじとケンカしても、意味がねえ。何も手に入らないからな。清二きよじ、クニオはどういう奴だ?」とヤトさん。喧嘩を回避出来て、クニオ君が喜んでいる。

「うーん、クニオ君は、優しくて面白い人ですよ。後輩からも、慕われてます。ただ、自主性がない。自分はこうだ とか、自分はこうしたい というのが、あまりない。しかも 下手に面白いから、みんなにからかわられたり、いじめられたりする。ヤトさん!弱いものイジメは、卑怯者のすることですよ」と俺。

クニオ君も、俺の後ろに隠れて「そうだ、そうだ」と言ってる。クニオ君は、こういうとこで調子に乗るのも、駄目なのかもしれない。

「じゃあ、どちらかに 拳骨で、見逃してやるよ」とヤトさん。

「ヤトさん!見逃すと言っているのに、拳骨が付いてくるのですか?」と俺。

「ああ」とヤトさん。

「すまん!ここは、清二きよじに 拳骨で」とクニオ君。

「クニオ君!簡単に俺を、売らないでください」と俺。

結果、小3の番長のヤトさんによる、火の出るような拳骨が、俺の頭に落ちてきた。

「痛え!それだったら クニオ君にも、拳骨落としてくださいよ」と、まだ痺れている 頭をさすりながら、俺が言う。

「ハハッ笑!だな」とヤトさん。クニオ君は、俺の影に隠れ 何とか拳骨を、回避しようとしている。ただ ヤトさんは、足も早く 運動神経もいい。クニオ君は、ヤトさんに 簡単に捕まった。

「ヤト!清二きよじに拳骨したんだから、俺に拳骨しなくてもいいだろ!」とクニオが、叫び お願いしている。だが、拳骨の代わりに クニオ君は、ヤトさんに 投げ飛ばされてる。下が 畳みではなくフローリングなので、これはこれで痛いだろう。

「クニオ君、簡単に俺のことを売るからですよ。せっかくだから クニオ君も、ねむの家の子供たちの面接に行きませんか?もう残すは、クニオ君にとっては後輩だけですからね。俺が、ヤトさんとクニオ君の間に居れば、ヤトさんも クニオ君にそうそう手は出せないでしょうし。で、いいでしょう 無実の俺に、拳骨を落とした ヤトさん」と俺。

「ああ。ただ クニオをかばった分、無実ではないけどな」とヤトさん。

「ああ。わかったから 清二きよじ、ヤトが俺をいじめないように ちゃんと見ててくれ」とクニオ君。

これで ねむの家の子供たちの面接を、俺とヤトさんとクニオ君の3人ですることになった。


そして、俺とヤトさんとクニオ君で 次に遭遇したのが、小2の熊谷くまがいツヨシ君。熊谷くまがいは小2にして すでに不良少年で、俺としては あまり好感を持ってはいない。先輩は先輩なんだけど、俺とは因縁があったりする。

清二きよじ熊谷くまがいはどうでもいいか」とヤトさん。

「どうでもいい」とクニオ君。「お前に、聞いてねえ」とクニオ君は、ヤトさんに怒られてる。

「どうでもいいっちゃ どうでもいいですけど、俺が 山中星美やまなかせいびホームから、ここ東京サレジオ学園 ねむの家 に来た時に、先輩に背中から 羽交い締めされ、熊谷くまがいに顎だけ 集中して殴られ、俺は失神した。なので、機会があったら いずれ俺が、熊谷くまがいをぶっ飛ばしますよ」と俺。

「そうだったのか。じゃあ 熊谷くまがいなんか、クニオにでもぶっ飛ばさせるか?」とヤトさん。

「うーん、それだと クニオ君が 返り討ちに遭うかもしれないので、断ります。自分の復讐は、自分でします」と俺。

清二きよじー、熊谷くまがいぐらい 俺でも倒せるぞ」とクニオ君。

「倒してもいいですけど、建設会社の熊谷組って、聞いた事ありませんか?熊谷くまがいツヨシって、きっと熊谷組の御曹司ですよ。ここ東京サレジオ学園もそうだし、俺が通っている 小平市立第三小学校も そうですし、裏稼業だったり クソ野郎の息子だったり ヤクザもそうだし 朝鮮だったり、俺がいた東宮御所と宮内庁の関係者だったり、いろんな勢力の子供たちが振り分けられてる。喧嘩だけだったら、世界チャンピオンクラスの子供たちがね。だけど この環境下で、俺もヤトさんもクニオ君も 生きていかなくてはならない。出来たらだけど、高校卒業を目標に 生き残ってください。俺は、無理っぽいですけどね」と俺。

「俺も、無理だー!」とクニオ君。

「俺はちゃんと、高校は卒業してみせる」とヤトさん。

「じゃあ 熊谷くまがいには、もう用はないので 次に行きましょう」と俺。

何の話だったのか分からず、呆然としいる 熊谷くまがいツヨシをおいて、俺とヤトさんとクニオ君はこの場を離れた。


《この後 騎馬戦と騎馬戦での俺の勝利を理由に、俺1人対 熊谷くまがいを含む 先輩3人と、俺は闘うことになる。勝敗はいずれね、まあ 余裕だったけど。そして 高校を卒業するという目標を立てた、俺とヤトさんとクニオ君は、唯一 ヤトさんだけが 無事 卒業した。俺は 都立高校を中退し、通信制高校を卒業したのか 分かっていない。単位は全部取ったけど、卒業証書をもらっていない 意味不明な状態だ。クニオ君は 高校を中退し、定時制高校に入ったところまでは 分かっているが、その後は行方知れずだ。俺とヤトさんとクニオ君、三者三様 自分自身の情報しか 分かっていないのだろう。だから、 僕は願うんだ!念能力をこの手にと!そうすれば、こんな絶望と失望しかない世界を、希望で埋め尽くせる。その後の、ビジョンもある。俺、ちゃんと這い上がれ!》


こうして 小3の番長 ヤトさんと、いじめられっ子のクニオ君が登場した。もともと この2人は、山中星美やまなかせいびホームと言う 幼稚園と保育園を兼ねたところで、俺と一緒に暮らしていた。その頃は、喧嘩も暴力も 起こらなかったのに!東京サレジオ学園に来たら、暴力三昧だ。教育が駄目なのか、もともとの子供たちの性格と資質が、問題なのか?次回の話は、まだまだ、ねむの家を俺とヤトさんとクニオ君で 探検します。さて、どうなることやら。以上。

読んでくれて、どうもありがとうございました。よろしければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!

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