表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きよじ  作者: 東 清二
5/198

弟四話 ピカピカの一年生

やっと小学校一年生。ではでは。

弟四話 ピカピカの一年生

                 リュシフェル

やっと、サレジオ学園ねむの家にも慣れてきた。そして、春を迎えた。小学校に入学する事になり、準備に追われる。入学先は、小平市立第三小学校。多摩にある、何の変哲もない普通の小学校だ。入学式の記念撮影の後で、担任の先生を紹介された。名前は、曽務川先生という女性の先生らしい。(顔がだらーんとしていて、ブサイクだ。後で知ったことだが、どうやらダウン症の一種らしい)

 はじめに、先生の自己紹介があり、(ダウン症の話は、出なかった)そして、みんなの自己紹介が、始まる。さりげなく、可愛い子がいないかチェック。自己紹介を終えると曽務川先生がこう切り出した。

「わたしのクラスには、サレジオ学園という孤児院から来てる子が、三人います。鈴木 翼君、長尾 嫌君、東 きよじ君です。サレジオの子は、危険で凶暴なので、みんなあまり、かかわりあわないようにしましょう。いいですね」

(ふーむ。このくらいのことは、予想の範囲内だ)

「はーい」

 俺が、一番大きな声で、一番可愛く答える。翼と嫌は、ずっと下を向いている。これしきの事で、だらしねぇ。下校の時刻になり、帰ろうとすると、曽務川先生に呼び止められる。

「君が、一番大きな声で返事してたわね。いい、サレジオの子には気をつけるのよ」

「はーい。危険で凶暴なサレジオ学園の東 きよじでーす。先生、早く顔と名前を覚えてくださーい」

「嘘でしょ?」

「本当だぴょーん。それでは、失礼しまーす」

こうして、入学式は終わった。


 これからは、小学校と孤児院サレジオという二重の生活を送ることになる。面倒くせぇ。俺にとって小学校(三小)は、楽園だった。誰からも、強制や命令もなく、喧嘩もほとんどしなかった。ただ、スカートめくりは、正直してみたかった。恥ずかしくてできなかったけど。それに比べて、孤児院サレジオは、地獄とはいかなくても、それに近いところだった。枕戦争(夜、嫌いなやつや、適当なやつを何人かで、枕や蹴りでボコボコにする)が毎晩あったし、喧嘩は無い方がありえない状況だったし、掃除は強制で後輩の仕事だった。そのほか、先輩のわけの分からない命令も聞かなければならなかった。だから、俺は常に先輩と喧嘩をしていた。その中で、自分なりに喧嘩のコツを学んでいった。


そんなある日、シスター佐藤に呼ばれた。

「きよじ、大事な話があるの」

「何じゃらほい」

「フジテレビの(白い巨塔)っていうドラマのオーディションがあるの」

「それが、どうかしたのですか」

「それに、清二きよじが行ってほしいの」

「何で俺が?」

「最初は、ハヤトがいるから承諾したんだけど、ハヤトがどうしても行きたくないっていうの。向こうとしては、孤児院の子がどういうふうか知りたいらしいの」

「どうしても、行けと」

「学校休んでいいから。お願い」

「分かりました。行くだけいってみます。落ちても知りませんよ」

「やったー。これで何とかいい返事ができる。急なんだけど明後日、

車でフジテレビまで送るから」

「ハイ、ホイ」


 以上、弟四話終わり。



第五話は、ドラマ「白い巨塔」(田宮二郎主演)のお話です。目の見えない少年役で、俺、東清二ひがしきよじが、出演していたはずなのですが、DVDには出てきていません。何か分かる方は、ぜひぜひ、情報を。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ