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きよじ  作者: 東 清二
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第四十八話 選ばれなかった者【檻の出入り】

児童養護施設 東京サレジオ学園での日常と、俺の全宇宙の支配者になるという、決意表明の話です。

俺は、東京都小平市にある 児童養護施設 東京サレジオ学園で、暮らしている。その東京サレジオ学園に、小学校一年生から小学校三年生まで暮らしているのが『ねむの家』と呼ばれている所だ。外観は綺麗で30人ぐらいの少年達が、大きな部屋に2つに分かれて住んでいる。そしてその部屋ごとに、1人づつ担当のシスターと呼ばれる 子供達の世話をする女性達がいる。そんな中での、孤児達の物語。


まず佐藤シスターの担当する、俺が住んでいる部屋について。小1から小3までいる部屋で、小3の番長として頂点にいるのがサイトウ ハヤト君。喧嘩が強く、運動神経も良く いつも怖い顔をしているけど、ヤトと呼ばれ 後輩からは慕われていたりする。ちなみに瀬戸内海で負った怪我も、無事 完治した。俺は さんを付けて ヤトさんと呼んでいるのだけど、ヤトさん達小3は 東京サレジオ学園に隣接するサレジオ小学校に通っている。喧嘩が多発する、男子校だけどね。そして、俺たち小1と小2は 小平市にある小平市立第三小学校に通っている。公立の小学校だから、共学です。こちらも、普通の小学校よりは、喧嘩が多い。


そして、もう1つの部屋。三宅みやけシスターが担当する部屋には、小3のヨコヤマ ヒロユキ君とその弟 小2のヨコヤマ ケンジ君がいる。ヒロユキ君は 喧嘩が強い奴が一番偉いという、東京サレジオ学園で ヤトさんと番長の座や譲れない理由などで、たくさんぶつかりたくさん喧嘩したのだろう。ヤトさんとヒロユキ君は、一緒に居ても口を聞かないし、そもそも一緒にいることが しょうがない場合を除き、ほとんどない。なんか 東京サレジオ学園の伝統なのか、一度口を聞かなくなると、ずっと聞かなくなる。家でも学校でも一緒だと、密度が濃過ぎるのかもしれない。しょうがないか。そして 小2の番長 ヨコヤマ ケンジ君。ケンジ君は、体格に恵まれ運動神経も良く 喧嘩も強い。ただ、勉強がまるで出来ないし、勉強をする気もないみたいだ。まっ 東京サレジオ学園は、勉強が出来ることよりも、スポーツが得意だったり 喧嘩が強い方が尊敬されるから、みんな あんまし勉強をしようとは、思わないみたいだ。


もう夏休みも終わり、小3はサレジオ小学校へ、小2と小1は小平市立第三小学校へ登校する。小平市立第三小学校では、サレジオ学園の子供達は 大概嫌われたり避けられたりしている。理由はまちまちだが、喧嘩っ早いとかすぐ暴力を振るうとか、単純に性格が悪いとか色々だ。しかも東京サレジオ学園の子供は、数人とかで 群れていたりして、1人では闘わなかったりするので、それも嫌われる一因かな。ちなみに俺も、1人で登校するのではなく、同じく小1のマツモト シンゴ君と登校することが多い。シンゴは、性格がとても良く 誰からも好かれる少年だ。


あと登校と言えば、中山なかやまカツオ。一緒に登校する事もあるが、後々思い返してみれば、俺に付きまとうことも多く、大和田おおわだの側の人間でクソ野郎だ。喧嘩の強さもそこそこで、運動神経もそこそこ。人の大切な物も盗むし、口の良さだけで 取り入りながら生きてる。勉強は出来ず、仲違いして 口を聞かなくなる事も多い。親が木っ端ヤクザで、最終的には 俺とも口を聞かなくなり、東京サレジオ学園を卒業したあと、俺にはよく分からない世界で、たまに出てきた。ただ もう現れることも無く、ちょびっとだけだけど 俺は自由を手に入れた。


いつものように小学校に登校し、一緒に登校しているシンゴ君は「かわいい」と小平市立第三小学校の先輩に、可愛がられる。俺は「お前は、生意気そうだから」と因縁をつけられる。絡まれる。うん、いつものことだ。東京サレジオ学園の小2の番長 ヨコヤマ ケンジ君も、さすがに三つ歳上四つ歳上だと、闘えない。なので俺は、殴られたら殴り返す、頭突きには頭突きで返す。ポイントは、殴る箇所 頭突きをやり返す箇所を、効果的なものにすること。こちとら、散々 大人のチンピラ達と闘ったあとだからね。そうそう、やられない。そして、いつの間にか あんまり絡まれなくなっていった。


ある日、俺は小1だから 早く授業が終わり、東京サレジオ学園の『ねむの家』に帰ると、玄関に小3の番長 サイトウ ハヤト君がいた。うおっ、こっちはこっちで 絡まれるかも。

清二きよじ、お前 三小の先輩達との喧嘩を、頑張っているらしいじゃねえか」とヤトさん。

「ほどほど、ですけどね。闘わないと、前に進めない時もありますからね」と俺。『ねむの家』の中に入ろうとすると、ヤトさんにランドセルを掴まれ、そのままランドセルごと俺も下駄箱に放り投げられる。

「三小の先輩のことで、何かあったら 俺に言え。じゃあな!」とヤトさんは立ち去る。

「たった今、サレジオの先輩に ランドセルごと吹っ飛ばされたんですけど」と俺が言うと、ヤトさんは笑いながら、どこかに向かった。


《この頃は、思っていた。自分なら、何にでも成れると。児童養護施設出身でも、プロ野球選手になってみせると。ただ 自分が置かれている環境が、野球が出来る環境ではなかった。歳を重ねるごとに、自分の可能性が狭まっていき いつしか野球への憧れはあっても、野球への情熱がなくなっていった。そして、念能力者の壁に弾き飛ばされた。だから 僕は願うんだ!念能力をこの手にと!そして、全宇宙の支配者になると!永くても、あと16年待てばいいだけだ。きっと、叶えるんだ!》


こうして 児童養護施設 東京サレジオ学園と小平市立第三小学校での、日常が始まった。しばらくは、喧嘩はあるけど平和な日々だ。未だに思うのは、サレジオ学園と東宮御所での暮らし、どちらの方が良かったのか?小和田おわだ ブタ子に全宇宙の支配者 大和田おおわだのいた東宮御所じゃ、そりゃあ駄目か。東宮御所は、俺が自分の才覚で建てたし、自分が住むはずだったのに。どうやっても、大和田おおわだ小和田おわだ ブタ子とは、一緒にやっていけない。とりあえず今は、念能力がどうしても必要だ。そして 俺は、這い上がります。さらに、大和田おおわだを、完全にぶっ消す!復讐は、ちゃんとしないとね。次回の話も、東京サレジオ学園の子供達との話です。以上。

読んでくれて、どうもありがとうございました。よろしければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!

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