第四十四話 衝突 【難敵の存在】
俺とヤトさんと夏目雅子さん、それに監督と大和田と難敵の話です。ちょびっとだけ、俺の側のの人間達の話も あります。
俺 と小3のサイトウ ハヤト君と夏目 雅子さんは、疲れきっている。なのに、監督や、 全宇宙の支配者 大和田がいる。そして、俺と一緒の孤児院の子供達もいる。その孤児院の先生や 子供達にも、大和田の側の人間達がいることが、判明している。
「大和田っ!どっちにしろ 東京へ帰るし、時間も巻き戻さなきゃいけないんだ!」と俺。何で 大和田なんかと一緒にいるのかと、嫌気がさす。
「いやよお、それは そちらの都合だからよお。それをそのまま丸呑みするのは、交渉ではないからよお」と、大和田。
「交渉を、お前ごときが語るな。じゃあ、このままいくとどうなる?映画の放映もあるし、小学校のスケジュールもある。また大和田と大和田の側の人間のせいで、この有り様だ」と、俺。「いやよお。大体、何で夏休み中に撮影が終わるはずなのに、こんなに時間がかかるのだ?」と大和田。
「ああ、そこのクソ監督のせいだよ」と俺は言い、クソ監督を指差す。
「いやっ、こんなガキ共に、ギャラを払いたくないからよお。しかも、コイツとコイツは俺に暴力を振るってきたからよお。まあ、大和田が来てくれたから、もうこっちのもんだけどよお」と監督。コイツとコイツとは、俺とヤトさんのこと。
「じゃあ、このまま行ってみますか。俺はヤトさんと、東京へ帰る。孤児院は、24時間365日監視されてるので、戻らない。カツアゲじゃなく、アゲカツをしながら 俺の側の人間の所へ。ヤトさん、俺の側の人間達はみんな凄いですよ」
「待てっ、それじゃ 俺無しで、上手くいく可能性がある!それは、駄目だ!そうだ、大木がいるはずだ。アイツを、こてんぱんにしろ!」と俺を指差して、大和田が言う。
大木とは、途中から 孤児院に入ってきた、先輩や強い者には 媚びへつらい、後輩や弱い者には、容赦なく いじめたりカツアゲしたりする、小1の男の子だ。本名は、大木 茂。チビデブで、抵抗しない者抵抗出来ない者は、すぐ殴る少年だ。ちなみに ずっと以前に、俺を完全にぶっ消す為に『特攻』を、大和田に植え付けられた。なので この後も、俺を苦しめる少年だ。
「そこの ゲオルグみたいな顔をした、弱い者イジメを得意とする 将来クソ野郎になる、大木とか言うチビデブを、ぶっ飛ばせばいいのか?よしっ、どっからでも かかって来い!」と、俺。
「いやっ、清二は ヤトに倒してもらう」と大木。
「待てっ、そんなんじゃ駄目だ!ヤトとか言う奴は、俺の側の人間ではない。大木が、自分で倒せ」と大和田。
「自分で闘えと言うならば、大和田よ お前が闘え!」と俺は言い、大和田のみぞおちに、渾身のパンチ!大和田が腹を押さえ、うんうん唸ってる。
「ダーリン、身体ボロボロなのに 凄い!相変わらず、強いのね」と、夏目 雅子さん。
「うん。と言っても、俺の永い歴史の中では、今は最弱だけどね。雅姉、俺もヤトさんも あとはいらない奴ばっかりの、この映画の撮影に来た 孤児院の子供達も、東京へ帰らなくちゃ。もう時間は このままでもいいから、最悪 雅姉の自腹になっても、クソ監督と東京へ俺たちが帰る段取りをつけてきて」と、俺。
「うん。なるべく 早くが良いよね?」
「うん」
「分かったわ。ダーリン、私 監督とは別れるからね」
「当たり前だー!」
「清二これで、帰れるよな?」としみじみと、ヤトさんが言う。
「あとは、時間だけですね。この小さな島じゃなくて、日本本土に行ければ、あとはどうとでもなります。カツアゲじゃなく、アゲカツの旅とか。とりあえず 、俺が念能力者に成らないと俺の側の人間達に会っても、どうしょうも出来ない。俺が念能力者になるのを、全宇宙の支配者の権限で 大和田に禁止されてる。ただ待つことしか、出来ない。だから俺は、大和田のいない所へ、行きます」と、俺。
「あるのか、そんなとこ?」
「多分!」
「ハハッ 笑、だな」
《僕は、願うんだ!いつか 俺の側の人間達と、一緒に生きていけることを!俺の側の人間。3代目4代目 武装戦線。濱田総長率いる 銭屋一家。コルレオーネ・ファミリー。そして、極道のタテオカ。何か 振り返ってみると、裏稼業の人たちばかりだ。そして俺の宝物で、いつも 明るく無邪気な 元気一杯の女の子、ピノコ・ナディア・哀姫 率いる、チビッ子・ギャング団!俺が、念能力を手に入れれば、大丈夫。そう、思うんだ。待ち続けるんだ!》
大和田を殺すことは出来ても、完全に消すことが出来ない!俺の唯一無二の子分 菅原文太が消そうとしても、殺すことは出来ても、消すことは出来なかった。あとは 俺が、しっかり念能力者になって、俺の手で 大和田をぶっ消す!
雅姉の計らいで、明日の昼に 子供達みんな、フェリーで移動し本土に着いたら、東京へ帰る事が決まった。ただ まだ監督はブツブツ文句を言っているし、大和田も 全然納得してないみたいだ。たかだかクソ監督とクソ全宇宙の支配者、どうでもいいけどね。
こうして明日の昼、この小さな島を出られることになった。この島での思い出も、紳助兄やんに会えたり、雅姉に出会えたり、悪い思い出だけではない。もちろん 身体中をあちこち痛め、クソ野郎達との、嫌な思い出もあるけどね。必ず、最低限 大和田のいない世を、俺の手で創る!ずっと昔から、そう 思っているんだ。残念ながら、全然出来ていないけど。俺、成れ!以上。
面白かったら、幸いです。よろしければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!