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きよじ  作者: 東 清二
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第四十話 最後の反撃

窮地から 機転で切り抜け、監督とチンピラ達に、最後の復讐をしているところです。

夏目なつめ 雅子まさこさん不在の中、映画の監督とチンピラ達の手によって、さっきまで 俺は、両手両足を拘束されていた。そして、たくさんの忘却剤入りの注射とたくさんのパンチを食らっていた。それを 両手を拘束される時に、あらかじめ隙間を作っておき、なんとか機転を利かし、両手次に両足と自由になった。顔はパンパンに腫れ、腕はジャンキーのように注射跡だらけだが、高らかに復讐を宣言した。


俺は足が遅いので、逃げ惑う監督を捕まえるのに 手こずったが、とっ捕まえボコボコにし、その場に捨て置いた。チンピラ達が、持っていた注射針で闘おうとしていたが、こちらは椅子で迎撃した。倒した順にチンピラを、監督の方に引きずって 捨て置く。チンピラ達を倒し終わった時には、監督の上にチンピラ達が置かれ、ゴミ捨て山みたいになっていた。まあ 監督もチンピラ達も、ゴミみたいなものなので、別に問題はない。そのゴミ山に、あらゆる角度から 蹴りを見舞っている時に、一緒に拘束されていた小3のサイトウ ハヤト君に、大声で話しかけられた。「清二きよじっ、助けてくれ!俺も、闘う!」と。


「もう、せっかく俺の復讐の最中なのに。とりあえず ヤトさんは、自分で 両手両足を解放出来ないか、試してみて下さい」と、まだまだ 復讐の途中で、戦闘モードが解けない俺。

ハヤト君は、両手両足に力を入れて バタバタしているが、拘束ベルトは解けない。

「もう、しょうがないですね。次こんな事になっても、俺は助けられないですからね」と、俺。ハヤト君の両手の、拘束ベルトを解く。あとは ヤトさんが、自分で両足の拘束ベルトも、解いた。

清二きよじ、ありがとう!これで闘える。お前は、何で腕の拘束ベルトを外せたんだ?」

「最初から 手首を、横ではなく縦にしてたんですよ。これだと、拘束ベルトをきつく巻かれても、手首を横にすれば 隙間が出来て、両手が自由に出来る。ヤトさんも ちゃんと考えて、対応しないと」

「ああ。だな」

「じゃあ 監督とチンピラ達に、蹴りを見舞っておいて下さい。こちらが怪我しないように、ローキックじゃなくて、前蹴りとか踏みつけとかで、お願いします。俺は、グロッキー状態のケンジ君の様子を診ておきます。ヤトさん、復讐はしっかりと!」

「ああ。分かってる」


小3のサイトウ ハヤト君が、監督とチンピラ達から成るゴミ山に、蹴りを見舞っている。俺はその間、小2のヨコヤマ ケンジ君の、両手両足の拘束ベルトを外し、ちゃんとまだ 生きてるかどうか、脈と呼吸を確認する。たくさん注射を打たれ たくさん殴られ、あまりいい状態ではないが、命には別状ないようだ。なのでケンジ君は、そのまま椅子に座らせておいた。


「ヤトさーん、とりあえずケンジ君は、大丈夫そうです。ゴミ捨て山の方はどうですか?」と、俺。

「ゴミ捨て山?」

「ほら、目の前を見て下さい。クソ監督とヤクザにもなれないチンピラ達が、ゴミの山のように積まれているじゃないですか」

「ハハッ 笑。だな」

「もうっ 銃があったら、このゴミ捨て山に 全弾、打ち尽くすのに。前蹴りもいいですけど、靴の裏が汚れるし穢れるじゃないですか」と言いながら、監督とチンピラ達から成るゴミ捨て山に、蹴りを入れる俺。ヤトさんも無言で、蹴りを入れ続ける。


周りを見渡すと、忘却剤入りの注射を打ち続けた 看護婦さんが居たので、話しかける。

「看護婦さーん。身体中が、あちこち痛いでーす。でも、大丈夫でーす」と、俺。

「本当に強いのね、君は」

「やっぱり、小3のサイトウ ハヤト君より、俺の方がカッコよくないですか?」

「フフッ笑。知らないわ」

「じゃあ 看護婦さんとスタッフで、夏目なつめ 雅子まさこさんをここまで連れて来て下さい。この戦い、もう終わりにしましょう」

「分かったわ」

夏目なつめ 雅子まさこさんの了解を得れば、看護婦さんも看護婦さんの家族も、無事で 自由になれるでしょう。多分、看護婦さんを脅したのは、監督の独断だろうし」

「家族も無事で、自由!」

「もともとは、当たり前の話ですけど」

「分かりました。必ず 夏目なつめ 雅子まさこさんを、連れて来ます!それで、終わるんですね?」

「はい。必ず、終わらせます。じゃあ 俺は、監督とチンピラ達を、まだまだ いたぶって来ます」と、俺。

看護婦さんと まだ残っていた数少ない映画のスタッフが、夏目なつめ 雅子まさこさんを連れ戻しに出発した。俺は俺で、復讐を完遂するために、監督とチンピラ達から成るゴミ捨て山に戻った。


「ヤトさん。夏目なつめ 雅子まさこさんを連れ戻しに、大人達が向かったので、雅姉まさねえの承諾を得て、この戦いを終わらすことにしましょう」

「出来るか?」

雅姉まさねえが、こんな戦いを望むわけがないので、事情を話せば 終わらせられるでしょう」

「ああ。そうなると、いいな」

「最悪、監督を殺してでも、終わらせます。あとは、モグラ叩きならぬ モグラ蹴りと言って、俺とヤトさん どちらの蹴りが効くか、試してみましょう」

「ハハッ 笑。モグラ蹴りか、試してみるか」

「はい。復讐は、出来るうちに ちゃんとしましょう」


こうして、この戦いの最後の反撃が、終わった。あれだけ威勢のよかったクソ監督も、俺とヤトさんの足元に、転がっている。こちらの、逆転勝利だ!しかし この数年後、俺対サイトウ ハヤト君、俺対ヨコヤマ ケンジ君というように、残念ながら 喧嘩で闘うこととなる。ただ それは、もっと先の話。さて、どうなることやら。以上。

楽しめなくても、面白かったら 幸いです。続編も、楽しみにしてくれると、嬉しいです。それでは!

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