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きよじ  作者: 東 清二
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第三話 けつバット

きよじ 第三話 けつバット

    リュシフェル

もう、一人のシスターが紹介された。名前は、シスターテレジア。(あだ名、ジャンボ。通称ジャンボ・テレジア)

「明日の日曜日、広場でドッチボールするから」

 するとみんなが、

「また、かよ」

「もう、いいよ」と、もらす。

「別に来なくてもいいけど、けつバットよ」

(けつバットって何だろう?)


 当日、ハヤトとヒロユキが、なかなか、広場にやって来ない。その間に、ドッチボールのルールと説明が行われた。やっと、ハヤトとヒロユキが、やって来たが、二人とも傷だらけだ。どうやら、喧嘩をしてたらしい。ふむ、よくある事だ。が、ジャンボ・テレジアが、遅れてきたわけを聞き、怒る。

「いいわけは、どうでもいいのよ」

 と言いながら、ハヤトとヒロユキのケツめがけて、プラスチック製のバットで、フルスイング。さすがに、これは、やりすぎだと思った。ついでに、けつバットの意味も、分かった。そして、ドッチボールがはじまった。俺の役目は、球拾い。まだ、小学校一年生にもなっていなかったので、しょうがないかなと思う。


ドッチボールを観察する。ルールを把握する。役目は、球拾いなのだが、ボールを拾おうとすると、さわるんじゃねぇと怒鳴られた。だから、ただ見てるだけ。でも、ないかな。俺なりに、コツを見つけようとする。よく観察すると、ボールに当たって、コートの外に出されるやつは、むやみに、闇雲にボールをキャッチしようとしている。要するに、コートの真ん中付近で、ボールをよけつつ、確実に取れるボールだけを取る。そうすれば、多分、大丈夫。なはず。やがて、コートの中にいるのは、二人だけになった。一対一。ハヤトとヒロユキだ。(けつバットくらっても大丈夫だったんだ)

「いつも、この二人が残るのよね。これじゃあ、つまらないわ」

 と、審判をしていたジャンボ・テレジアが、言う。そばには、バットが転がっている。怖いかも。バットじゃなくて、バッタだったら、よかったのに。ジャンボ・テレジアが、

「あと一人ずつ、入りなさい。星美ホーム出身から一人、こども寮出身から一人。新入りの中で、誰か、やる子いない?」

 バかつおを見ると、首を横に振っている。

「俺、やります」と、俺。

「おれ、やる。星美ホームのやつらは、弱っちいからな」と、なすび。こいつは、顔がどう見ても、なすびだ。本名、佐々木 直人。

 さてと、どうなったかというと、同じチームで同じ部屋どうし、対決。ハヤトと話し会い、先に、なすびを狙うことで合意、調子こいて前に出てきた、なすびのそれも、わざと顔面をねらった、俺の球がヒット。なすび、キレる。しかし、ハヤトの蹴りが、なすびの股間をヒット。なすび、泣き出す。ヒロユキまで、笑う。時間ぎれ。結果、二対一で、俺たちの部屋の勝利。ちなみに、なすびちゃんは、狙われたとジャンボ・テレジアに、告げ口したが、シカトされる。でも、俺はかわいそうとは、思えない。


 以上、弟三話終わり。



 


 


 

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