第三十六話 監督とチンピラによる 拷問
監督とチンピラ達による、拷問の話です。それに対する、こちらの逆襲も!
瀬戸内海の小さな島で、俺は途方に暮れている。話せば 長くなるけど、確かなことは これから監督とチンピラ達によって、拷問される。せっかく喧嘩に勝ったのに、倒した大人達の 逆襲と復讐を受ける。何が駄目だったのか 何を間違えたのかもわからないで、クソ野郎共の出方を見ている。
すると 監督が「これでお前らは、俺の掌の上だからよお。とりあえずはよお、好きなだけ殴らせてもらうからよお」と、この拷問の始まりを告げる。
拷問を受けるのは、小3のサイトウ ハヤト君。小2のヨコヤマ ケンジ君。そして 小1の俺、東 清二。拷問を受ける理由は、生意気で 喧嘩が強すぎた。他に理由が、思いつかない!
そして 監督の合図で、監督の仲間のチンピラ達が 右から左から、殴りつけてきた。大の大人の男達が、小学校低学年の子供達を 愉悦を浮かべながら 殴る。蹴る。
《こういう時は、相手の力をいなす。当たってはいるけど、大してダメージを負わないようにする。まっ もちろん、痛いことは痛いけどね》
俺は 殴られながら「ヤトさん、契約書にサインしたのに こうなるなら、最初から サインなんてしないほうがいいでしょ」と、話しかける。こちらも 殴られながら「ああ、だな。これからは そうするよ」と、ハヤト君。こっちも 殴られながら「ひがしきー、いつまで 殴られ続けなきゃ いけないんだー」と、ケンジ君。「相手の気持ちが、済むまでだ」と、俺。
《100発ぐらいは、何発殴られたか 数えていたんだけど、100発を過ぎてからは 俺はもう 数えるのをやめた。右左 右左と殴られるから、自動で 首がそちらに、動くようになってる。顔も あちこち腫れてきて、これじゃあ アンパンマンもびっくりなぐらいの 状況と顔の大きさだ。この痛みと苦しみは、いつ終わるのだろうか?》
すると 監督が「いやよお 100発ぶん殴ったら、終わりにしてやるからよお」と、ニヤニヤしながら 話す。
「確実に、100発以上 殴られてるんだけどね。例えば 俺1人で クソ監督を殺せば、確実に終わるんじゃないか?ヤトさん、検討してみて下さい」と、俺。
「ああ。それも、いいな」と、ハヤト君。
「じゃあ、そういう事で!」と、俺。
すると 監督が、血相を変える。「待てっ!お前はもう 闘えないはずだ!」と、監督。チンピラ達の 後ろに隠れる。
「じゃあ あとは、自己判断 自己責任で。俺は 先ずはチンピラ達から 倒して、最後に クソ監督をぶっ飛ばす!別に 俺が脅されても、家族もいないし 大事なもの大切なものは、どこかへ行ってしまった。そもそも 基本 俺は、いつ死んで消えて無くなってもいい 覚悟ぐらいは、持っている。どこからでも、かかって来い!」と、俺。チンピラ達を、前に倒した要領で 倒していく。知ってますか?これは復讐だから 拳に憎しみを込めると、いいパンチが打てる。ただ チンピラ達も、一度俺に 倒されているので、もともと及び腰なので 楽に制圧出来た。
「それじゃ クソ監督、闘え!次のターゲットは、お前だ!」と、俺。
「待て待てっ!話せば分かる!」と、監督。背中を見せて、逃げ出す。
俺は 足が遅いから なかなか追いつけないが、角へ追いやって 先ずは跳び蹴りを食らわす。そして そのまま、ローキックと下段蹴りを織り交ぜ クソ監督が立っていられなくなったところで、顔面に サッカーボールキックを見舞う。当然のごとく、監督は意識を失う。ガキで、スピードもパワーもなくても、戦い方によっては 十分に闘える。ちゃんとその事を、証明した。
「ハハハッ、清二 強えんだな」と、ハヤト君。
「はい。時と場合にも よりますが。さて この状況をどうしますか?」と、俺。
「清二だったら どうする?俺の判断で、こっちはボコボコにされちまったからな」と、ハヤト君。
「うーん、それなら 相手が意識を取り戻したら、交渉をしましょう。ヤトさんや ケンジ君に家族がいるように、監督やチンピラ達にも 家族や大事なものが、きっとあるでしょう」と、俺。
「ああ、だな」と、ハヤト君。
「しかし お互い殴られ過ぎて、孤児院の子供達には 喧嘩に負けたと、思われるでしょうね。ヤトさんもケンジ君も 今のうちに、チンピラ達の財布を回収しなくていいのですか」と、俺。
「ハハハッ、だな」と、ハヤト君。「分かったぞー」と、ケンジ君。
ヤトさんとケンジ君が、チンピラ達の財布を回収している間に、俺は 俺達を拷問したクソ監督に復讐をすることにした。その内容は、監督のおでこを ひたすら殴るという いたってシンプルなものだ。監督が 意識を取り戻しかけると、殴って失神させる、この先 たくさん喧嘩するであろう俺の、勉強も兼ねた復讐だ。骨対骨の 衝突だから、殴る俺の拳も 痛いけどね。
すると 財布を回収していたハヤト君が「清二、大金が手に入ったぞ!」と 意気揚々に話す。
「ひがしきー、俺もだぞー!」と、ケンジ君。どうやら相変わらず、俺の取り分はないみたいだ。
「じゃあ この戦いを終える、交渉の準備をしましょう」と、俺。
「ああ」と、ハヤト君。「分かったぞー」と、ケンジ君。
こうして 100発以上 思い切りぶん殴られて 蹴り上げられたけど、なんとか生き残った!五体満足には 帰れない、もっと酷い拷問を想定していたので、そこも 心配は杞憂に終わった。次回が この不毛の戦いを終わらせる、交渉の話です。以上。
よろしければ、続編も 楽しみにしてくれると、嬉しいです。