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きよじ  作者: 東 清二
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第三十五話 倒せ チンピラ達

監督の連れて来た チンピラ達と、戦っているところです。

夏目なつめ 雅子まさこさんが 居ないから、監督がしょうもなく 収拾が付かなくなっている。俺も含めた 孤児院サレジオの 東京へ帰る旅費は、監督が管理している。なので、帰るに帰れない。しかも 嘘発見器とチンピラまで、監督が 意気揚々と連れて来た。だけど 俺は基本 嘘はつかないので、嘘発見器は あまり意味はない。

嘘発見器を付けられていた 俺は、計器を取り外し 椅子から立ち上がった。

「何かもう、戦わないと しょうがないな。監督っ、闘え!」と、俺。

「いやっ俺は 高みの見物だからよお。そのために、仲間を連れて来た。お前らじゃ、勝てない」と、監督。

「俺は戦うけど、ヤトさんは どうしますか?」と、俺。

「戦う。半グレのチンピラ達なんか、ぶっ飛ばしてやる。清二きよじ、次は 監督は、俺がぶっ飛ばすからな。清二きよじの戦い方では、まだ 甘い」と、小3のサイトウ ハヤト君。

「了解しました。じゃあ俺は、目に付いたチンピラを順に 倒していきます」と、俺。

「ひがしきー、俺も 戦うぞ」と、小2のヨコヤマ ケンジ君。

「別にいいですけど、ケンジ君は 運動は出来るけど 頭が足りないので、返り討ちにあわないように気をつけてください」と、俺。

俺が小1 ケンジ君が小2 ヤトさんが小3の、小学校低学年の三人だが、孤児院サレジオでは ケンカばかりしている。孤児院サレジオの、ケンカのレベルは 高い。そして 俺を除く 二人は、各学年の番長だ。ヤクザにも なれないチンピラ達なんか、十分に倒せる。

「小学生が、大人の男達 相手に 勝てると思っているのかっ!」と、チンピラに言われる。俺は そのチンピラの、足を踏みつけ 膝を蹴り みぞおちに正拳突きをし、勢いに任せて チンピラの側頭部のこめかみに 右フック。さっきまで 威勢の良かったチンピラは、俺の足もとに 気を失って転がっている。

「ひがしきー、ひがしき ケンカ強いんだな」と、ケンジ君。

「ああ、生まれつきな。ケンジ君、雑魚は 俺の方で 倒して行くので、ヤトさんの助っ人に 行ってください」と、俺。

1人対多数のケンカも、せめて 手の届く目の届く 1人対2人ぐらいに、持って行く。後ろに、一歩や二歩退がってもね。その上で、一撃では 倒せなくても、一旦 敵の動きが止まるぐらいにして 次の攻撃で倒す。幸い?チンピラ達が 置いてあった椅子を武器として 使い始めたので、チンピラから 椅子を奪い チャンバラの要領で、俺が 倒すべき敵は 全員倒した。鼻歌まじりにね。元 さむらいを、舐めないでもらいたい。

そんで俺は 敵の首謀者の クソ監督を倒すべく、二階の踊り場へ上がると、ヤトさんとケンジ君、そしてクソ監督の間で ピリピリした空気が流れていた。

「とりあえず、ヤトさん。クソ監督以外の敵は、みんな倒しときましたよ」と、俺。

「ああ。清二きよじ、監督に手出ししたら、俺の家族 必ず見つけ出して ぶっ殺すと 言われてるんだけど」と、ハヤト君。

「ひがしき、俺も 言われたぞ」と、ケンジ君。

「ありゃ。とりあえず、ヤトさんも ケンジ君も 家族いたんですね。クソ監督、クソ大和田おおわだの側の人間だけあって、やり方が汚ねえな」と、俺。

「俺に そんな口きいてるとよお、お前の家族にも 容赦しねえぞっ!」と、クソ監督。

「ああ、俺は家族が 全く居ないから、問題ねえ」と、俺。

《大抵っとか 大体 強くなっていく過程で、家族だとか 恋人だとか 守るべきものが ある人は、今回のように それが人質に取られた時 どうするか選択を迫られる。俺の考えと経験では、自分1 敵1 守りたいもの1として、その3倍の強さ 力が求められる。もちろん それは、簡単な事ではない。俺の場合は、 自分がもっと強くなる事と、守るべきものを 安心安全にする事と、守るべきものが 自分を守れる強さを 身につけさせるようにしている。ただ 今回は、俺だけの問題ではないので、おれに選択肢はない》

「じゃあ ヤトさん、一番年長者として 判断して。文句言ったり しないから」と、俺。

清二きよじ、俺には 父親がいる。俺にとっては、唯一の家族で 大事な存在だ。心配も迷惑も、かけたくない!殺されて欲しくもない!だから 今回は、コイツの言うことを聞く」と、ハヤト君。

「じゃあ、クソ監督の言うことを聞くで。ただ クソ監督が連れて来た仲間達の、ヤクザにも成れないチンピラ達は、全員 俺がぶっ飛ばしたので、殴られる蹴られるのは 当たり前の、相当な暴力と拷問が予想される。それは ヤトさんも ケンジ君も、覚悟しておいてください」と、俺。

「ああ」と、ヤトさん。「分かったぞー」とケンジ君。

「お前らなんてよお 消すのは訳ないけどよお、命だけは見逃してやる。俺と俺の仲間達で、死ぬほど殴って死ぬほど蹴り上げてやるからよお。俺の言うことを聞かなかったことを、後悔させてやるからよお」と、クソ監督。

「あーあ、せっかく1人で 10数人のチンピラ倒したのになー。じゃあ ヤトさん ケンジ君、俺たち3人で 気合いで乗り切りましょう。あと 2人とも、根性はあるかな?」と、俺。

「ああ」と、ヤトさん。「あるぞー」と、ケンジ君。

こうして 監督が連れて来た 10数人のチンピラは 全員倒したのに 、この後 その復讐と拷問が 俺たち3人を待っていることになる。暴力は憎しみを生み、新たに暴力を生む。やられたら やり返せで 済めばいいけど、もっと被害が拡大することもある。もう 血は流れた。憎しみが暴力を呼ぶ。この負の連鎖を断ち切るためには、相当の覚悟 相当の忍耐が必要だ。俺には それが、無いかもしれない。次回の話は、監督とチンピラ達による、暴力と拷問です。以上。

よろしければ、続編も楽しみにしてくれると、嬉しいです。

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