第二十四話 土下座
うおっ、大作の予感。紳助さんとの、話です。
しまだ 紳助さんが来て、くそ監督が、虎の威を借る狐とばかりに、調子に乗っている。俺は黙って、紳助さんの様子を見ている。クソ監督が、俺を名指しで「お前も、黙っているところを見ると、しまだ 紳助さんが怖いんだろ」と言う。それでも俺は、歯をくいしばって、黙っている。
「はーっ?」と俺。黙っていられなかった。
「はははっ」と、紳助さんがわらう。
すると、斉藤 早人君が、「こいつをぶっ飛ばしたら、俺の方が上という事でいいんだな」と言い、しまだ 紳助さんに、殴りかかる。だが、どうやっても勝てず、返り討ちに遭い、力の差を見せつけられる。
「そこまで!もういいだろ、紳助さんとやら」と、俺。二才上の小3の斉藤 早人君を、みんなのいる安全なところまで、引っ張って連れて行く。悔し涙を流す、斉藤 早人君。
「じゃあ次は、俺が相手だ、紳助兄やん。小3の番長を倒された、仇を取らなければ」と、俺。
「今俺のことを、紳助兄やんと、呼んだか?」と、しまだ 紳助。
「ああ」と、俺。
「どこかで、会ってるか?」紳助さん。
「ああ。前世でな」と、俺。
「涼はん?涼はんやないですか?」と紳助さん。
「あっはーん」と、俺。
「フフッ、元『我妻 涼』だった、人ですよね」と、紳助さん。
「今さっき、思い出したんだけどね。銭屋一家の相談役に、なる人ですよね」と、俺。
「こんなところで、涼はんの生まれ変わりの子供に、会えるとは。夏目 雅子さんの裸、見ている場合じゃない。涼はん、元気にしてたのですか?今は何て名前ですか?」と、紳助さん。
「元気っちゃ元気だけど。最低最悪の人生の、途中だよ。名前は東 清二。別に呼び名は、涼はんでいいよ」と、俺。
「涼はんっ、今いくつですか?」と、紳助さん。
「小1だよ。あと、紳助兄やん。夏目 雅子さんのことで、話が」と、俺。
「素敵な女優さん、ですよね」と、紳助さん。
「うん、素敵な女優さんではあるけど、ジャイアント馬場さんの女なんだよ。馬場ちゃんの女の裸が見れるからと、紳助兄やんが、ホイホイ来るのは、間違っている。よりによって、クソ監督の誘いに乗るし。君子危うきには近寄らずだよ。俺の側の人間を辞めたいとか、銭屋一家の相談役を辞めたいとかでは、ないよね?」と、俺。
「辞めません、辞めません。涼はんの言うことを、聞きます。すいませんでした」と、紳助さん。
「それじゃあ、ちょうど夏目 雅子さんもいるし、俺と雅子姉さんに、土下座をして。それで、チャラにしよう。我妻 涼の時だけじゃなく、俺の最後の人生の時にも、不手際があるとは」と、俺。紳助さんが、三つ指をつこうとしていたので、男の謝り方は手はグーにして、両足の隣に置いて、頭を下げると、教えといた。
「申し訳ありませんでした」と、紳助さん。深々と頭を下げる。
「これで、雅姉」も、いいよね?」と、俺。
「はいっ!」と、夏目 雅子さん。
「でっ!」と、俺。
「でっ?」と、紳助さん。
「俺この映画に、出演しないから、暇なんだよ。紳助兄やんのスケジュール、2~3日空けられないか?」と、俺。
「空けられます」と、紳助さん。
「それならこの島を、一緒にぶらぶら散策してみないか。学校もあるみたいだし、情報と意見の擦り合わせもしたいし」と、俺。
「かしこまりました。スケジュールは、空けてみせます。楽しそうです、一緒に行きましょう」と、紳助さん。
「私も、行く」と、雅子姉さん。
「雅姉は、撮影があるから、駄目でーす」と、俺。
「もう!」と、雅子姉さん。
「クソ監督、このとおりだよ。クソが!」と、俺。人は、上に行けば行く程、俺や、俺の側の人間達に、関わることになる。報われるということ。クソ監督に、力の差を見せつけ、紳助さんと遊べるという、楽しみが出来た。さて、どうなることやら。以上。
よろしければ、続編も楽しみにしてくれると、嬉しいです。