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きよじ  作者: 東 清二
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第二十二話 プリンセス

雅子姉さんとの、最後のお風呂の時の、話です。

もう、俺と夏目なつめ 雅子まさこさんとの、お風呂も終わりを迎えようとしていた。氷を食べ、おデコにつけて、長風呂対策をしている。

「最後に、何か伝えたい事があれば」と、俺。

「うん。ダーリン、オードリー ヘップバーンって知ってる?」と、夏目なつめ 雅子まさこさん。

「うん、名前は、聞いたことがある」

「私、オードリー ヘップバーンに憧れて、女優になったの。私の憧れの、ハリウッド女優」

「うん、今思い出したんだけど、『ローマの休日』と『ティファニーで朝食を』とかでしょ。その2つの作品の頃なら、知ってる」

「まさか、ダーリンの知り合いっ?」

「ああ、それなりに知っているし、それなりに関わっているよ。きちんと会ったのは、『ローマの休日』で共演した時だね。失恋したけどね。そんでその後、『武装戦線ぶそうせんせん かしら』に俺が成って、『あゆ』と付き合うことになった。その後、『ティファニーで朝食を』で、再びオードリー ヘップバーンと共演した。そして、付き合うことになった。一時だけどね。日本人の場合、『あゆ』を落とさないと、オードリー ヘップバーンとは、付き合えないみたいだった。そんで、『ティファニーで朝食を』の撮影が終わった後、コルレオーネ ファミリーの奢りで、ティファニーで一番高い宝石をプレゼントし、ゴッドファーザーの了解を得て、オードリー ヘップバーンは、プリンセス オードリー ヘップバーンになった。俺にとっては、あゆは80点、プリンセス オードリーは90点の女性だよ」

「さすがダーリン、話が凄い。オードリー ヘップバーンでも、90点なの?」

「オードリーが駄目なんじゃなく、ダイアナが凄すぎるんだよ。プリンセス オブ プリンセス【ダイアナ】と言って、俺がイギリスに留学してた時に交際していた、もともとはイギリスのお姫様だったんだけど、俺と知り合って、ヨーロッパ全部のお姫様になった、100点の女性だよ。今は知らないかもしれないけど、これから出てくるよ」

「もう、話のスケールが大き過ぎて。でもダーリン、今は一人じゃない?」

「うん、もう恋愛は済ましたから、この人生では女は出来ないと思う。それに、今の俺じゃ点数は、相手からしたら、0点以下だろうしね。出来たら良いけど、もう這い上がれない」

「ダーリン、大丈夫?」

「うん、もうなるようにしかならないさ。じゃあ雅姉まさねえは、死んだら馬場ばばちゃんに会いに行って、ごうちゃんに合気道を習う。自分の身は、自分で守れるようにね。それと近々には、野球用品をプレゼントして下さい。もう、これでおしまい」

「かしこまりました。ダーリン、また後で」

こうして、長風呂も終わり、永らく繋いでいた手も、離すこととなった。そして、離した手が再び繋がれることはなかった。監督と雅子姉さんの母親の手によって、この後、俺が雅姉まさねえと、再び話し合うことは、許されなかった。せっかく、俺の側の人間に巡り会えたのに!どうやら、そう簡単には這い上がれないみたいだ。悔しいけどね。以上。

よろしければ、続編も楽しみにしてくれると嬉しいです。

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