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きよじ  作者: 東 清二
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第十七話 雅姉(まさねえ)と馬場(ばば)ちゃんの答え

うん、真実の予感。

再び、なつめ 雅子さんとお風呂に、入ることになった。取りあえず俺は、撮影用に身振り手振りで、野球がしたいことを、伝えようとする。

「野球がしたいの?」と、なつめ 雅子さんに聞かれ、俺はこくりと頷く。その後、風呂桶に笑顔で飛び込む!なつめ 雅子さんが、驚きながらも、笑顔になったことを見届け、俺は、両耳を横に引っ張り、この合図で、二度目の俺の分のお風呂のシーンの、撮影を終える。

「いやー、終わった終わった!」と俺。

「また、喋べらなかった!」と、なつめ 雅子さん。

「だから、耳の聞こえない役だと、言ったじゃないですか!」と俺。

「野球、好きなの?」となつめ 雅子さん。

「俺は、野球大好きです。愛してると言っても、過言じゃない。まあ、この映画の設定でも、あるけと」と俺。

「耳を、横に引っ張るのは?」

「ああ、監督と話して、撮影とプライベートの切り替えの合図です」

「私、耳大きいから、おちょくっているのかと思ってた」

「おちょくらないですよ、まったく。言われて見ると、耳大きいかもしれませんね」

「うん。私のコンプレックスの一つ」

「そういう場合は、むしろ逆手に取って、アピールした方が良いですよ。他、何か顔を使って、出来る事ありますか?」

「ギョロ目なら、出来る!」

「それじゃあ、みみを横に引っ張って、ギョロ目してみて」

なつめ 雅子さんが、耳を横に引っ張って、ギョロ目をする。なかなか、面白い、いい顔だ。

「もう、今日はしょうがないけど、その顔でプロのカメラマンさんに、写真を撮っておいてもらった方が良いですよ。

「本当に?ダーリン」と なつめ 雅子さん。

「うん。振り幅って言って、女優もちゃんと出来て、面白い顔とか変顔も、出来ると評価が上がる。雅子姉さんの、好きな花とかは?」

向日葵ヒマワリ!」

「向日葵か。まあ、向日葵は種食べれるしね」

「ダーリン、それが好きな理由じゃない」

「好きな男性有名人とかは?」

「うーん、馬場ばばさん!ジャイアント馬場って、知ってるダーリン?」

「よく知ってるよ。俺が雇い主だよ。『ピノコ・ナディア・哀姫かなひめ』と言って、俺の宝物のボデーガードだよ!日本語だと、用心棒かな。哀吉かなきちが、そう呼ぶから、そうなった。『かな』は、永遠の6歳児で馬場ばばちゃんにとっては、どうしても守りたい存在だからね。馬場ばばちゃんかー。そうか!やっとピンときた!雅子姉さんと、どっかで会ってた気がする訳だ」

「え?」

「とりあえず、目を閉じて、雅子姉さん。チューしたり、しないから」

「別に、ダーリンだったらいいよ。どうせ、撮影してないし」と言って、なつめ 雅子さんは目を閉じる。

「これは、俺の前世の話で、過去と言ってもいいかな。戦後、間もなく『ジョー』っていう名前で、俺は、ボクシングをしていた。その人生の前半で、すぐに『かな』と出会い、プロボクサーになった。ボクシングの東日本新人王になって、西日本新人王の『オダギリ ジョー』と闘い、ギリギリで勝ち、新人王になった。その後、『かな』と一緒に、メキシコに渡り、賭けボクシングの選手になった。活躍を続けると、ある日「トレーナーを募集してないかフォー」と、ジァイアント馬場ばばが会いに来た。「トレーナーは、大募集中だよ!」と俺が言い、俺と『かな』と馬場ばばちゃんが、メキシコで暮らすことになった。ここまでは、いい?」と俺。

「うん。凄い話」と、なつめ 雅子さん。

「そんで、三人でメキシコにいると、ある日、なつめ 雅子さんが「掃除婦を募集してないか?」とやって来た」

「あっ!思い出した!」と なつめ 雅子さん。

「うん、もう少しだけ続けるね。それで、なつめ 雅子さんを『雅姉まさねえ』と、呼ぶことにした。女優は世界中の男は、自分を好きになると、思い込んでいる人もいるからね。『雅姫まさひめ様』と馬場ばばちゃんは、呼ぶことにしたみたいだけど。そんで、メキシコの家の馬場ばばちゃんと同じ部屋にした。理由は、馬場ばばちゃん恋愛は、奥手だから。何度か馬場ばばちゃんに、なつめ 雅子さんは、『ジョー』こと俺の、女じゃないかと聞かれ、永遠に絶対に、俺の女じゃないと、確認して、馬場ばばちゃんと雅姉まさねえは、交際することになった!雅姉まさねえは、女性として一級品だから、馬場ばばちゃんの女になってくれたのは、凄く有り難い」

「私、一級品!」となつめ 雅子さん。

「うん、一級品だよ。たった一人でいいから、馬場ばばちゃんの良さを分かってくれる女性が、いればいいと、思っていたので、雅姉まさねえで、十分です。『哀』とも、仲良くしていたし。雅姉まさねえに、子供が出来なければ、話は別だけど。雅姉まさねえ、子供をおろしたことあるでしょ」

「うん。本当は育てたかったけど」

「俺の恋愛対象は、子供が出来ない女性なんです。理由は、俺に子種がないから。子供が出来る女性は、俺じゃなくても、二番手がいるなら二番手と、付き合ってくださいって言う話」

「そうだったんた。もともと、私選ばれないんだ。ダーリン、『哀』ちゃんは?」

「どこにいるのか、さっぱりわからない。雅姉まさねえ馬場ばばちゃんは、まだ生きてる?」

「もう、亡くなった。私、号泣した!」

馬場ばばちゃん、もう死んでるのか。しょうがないか」と俺。

「あと、私、白血病なの。でもダーリン、白血病は、お風呂なんかじゃ移ったりしないから」

「白血病が怖くて、ひがし 清二きよじが、やってられるか!まったく!美人、薄命かー。まあ、馬場ばばちゃんが死んでるなら、寿命かもしれませんね。あと、話は変わるけど、この映画の監督が、ずっとこちらを、睨んでいるので、メシ休憩にしましょう。馬場ばばちゃんとか『かな』とかと、ラスベガスに行った話は、また今度で」

そう言って、俺はお風呂をあとにした。映画のスタッフ達は、撮影しておけば良かったと嘆いている。監督に廊下で、「あまりいい気になるなよ」と顔面を殴られる。俺は、監督のみぞおちを、渾身の力で殴り返す。結果、勝った!ただ、『やられたら、やり返す』は小学生までにしておかないと。本当の強さは、ブレない自分を作ること。以上。それでは!

馬場ちゃんと雅姉が、天国の『異次元』で、一緒にいることを祈って。

続編も、楽しみにしてくれたら、嬉しいです。それでは!

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