4、ビバ!異世界!
なに事もなく野営場所につき、簡単な食事をし商人と澪を除いた4人を2組に分け交代で警戒にあたる。
澪の結界があるので本当は必要ないのだが、どうもこちらの魔術師が使う魔術とは違うらしく信頼出来ないみたいだ。
理由はそれだけじゃないと思うけど…
俺とガイスト、アルとフィンで先に俺とガイストの組が警戒にあたることになった。
昼間は歩いていると少し汗ばむくらいの陽気だったが、さすがに日が落ちると少し肌寒くなる。隣で借りた毛布に丸まって眠る澪を見ながらこれからのことを考える…
元々、澪が学校を卒業したら異世界に行くつもりだった。
俺と澪はいろいろあって、人には考えられないくらい長寿で、ある程度の年までは不老でもある。
現代日本で生きていくことは出来ない。
前に行った世界なら、長寿な種族もいたし戸籍やらの面倒もないから移住しようと決めていた。
でもまたこんなに急に落ちるとは……
一緒にいる時で本当によかったと思う。
俺一人なら…澪と離れたら…あっというまに狂っていただろうから………
予定より早くなってしまったが二人で生活出来るという悦びがふつふつと沸き上がる。
幸い二人共苦手な家事はないし、冒険者ギルドがあるらしいので稼ぎながらこの世界を巡ってみよう。
稼いだらまず澪の防具の調達が最優先。俺と違って(…)澪は寿命は永いが体は普通の人間だ。
剣なんかで斬られたら普通に怪我もするし、傷が深ければ死んでしまう。
深く暗い考えに落ちそうになった寸前にガイストから声がかかる。
「おう。お前らの故郷の島は随分変わったところみたいだな。未知の場所ってのは、こう冒険者魂が疼くよなぁ。
一度行ってみたいよ。」
「未知の場所を探検するワクワク感はわかります。俺、今そうだし(笑)」
「ああ。そうか、おまえらにすれば大陸のが未知の世界なんだな」
笑って返される。
正直、この世界の人が現代日本にトリップしたら大変なことになるだろうな。
仕事なんてまず見つからないだろうし…
そう考えると、中世のような文化水準、魔物のような脅威があり冒険者のような身元不明者でもすぐに就ける職種があって…
すごいよな異世界!!
それから交代時間までガイストといろんな話をした。
少しの真実を織り交ぜ『島』の話しを。
代わりにこの大陸(世界)の情報を聞く。
この大陸には6つの国があり、ここは西の端にあるヘギークリア王国で王都はイルマからさらに馬車で3日かかる。
北にモーリス連邦という国があるが、険しく魔物が多い山で隔たれているので交易はそれほど盛んではない。
中央にリューニスト帝国という大陸1大きい国があり、
東のほうに北からメレティア、アフガニザ、ミラスクと3つの国があり、大陸のまわりに小さい島が多数ある
助かったのは前の異世界と大差ない文化水準であること。
魔術もある。魔術師は少いようだが。
黒は少いが嫌忌されてはいないということ。
やはり俺たちの服装は目立つということ。
この世界にも人間以外の種族がいて差別している国もあるということ。
お金は銅貨、銀貨、金貨、白金貨、銅貨百枚で銀貨一枚。銀貨百枚で金貨一枚。金貨百枚で白金貨一枚。
イルマではだいたい4人家族が銀貨十枚で一月暮らせるらしい。
交代時間になり、澪の隣で横になる。いろいろスペックが上がってるおかげで4、5日寝なくても問題ないが寝たふりくらいはしといたほうがよさそうだし…
少しすると澪がてを伸ばしてきたので、手をにぎってやると微笑んで、また深い眠りに落ちた。まぁ、起きたら覚えてないんだろうけど。
明日、街についたらまずは冒険者ギルドだなそれから…と今後の予定を考えてたが、澪にも相談して決めないと!と気がついたのはそろそろ皆が起き出す時間だった。