2、初戦闘
誰の視点で書くのか悩む…
ガイストは、焦っていた。いきなり飛んできた矢で一人がやられ、その後すぐに賊に囲まれた。アルがすぐさま馬車に簡易結界をはり、ひとまず護衛対象である商人と荷物は無事だが、いくら中堅の魔術師とはいえ、結界もそう長くはもたない。自分達もヤバイが今回一緒に組んでいる他の4人は少し恐慌状態だ。まぁいきなり自分の仲間に矢が刺さり倒れたら恐慌もするか…フィンも2人はやったがすこし押し込まれてきたようだ。かくいう自分も余裕などない。アルも矢を射ってきた奴をなんとかしようとしているが、向こうにも魔術師がいるようで手こずっている。じり貧だな…もう少し使えるかと思っていたんだがな。へんに突っ込んでいったりされたら終りだなと、ちらりと目をやり愕然とする…あいつら逃げやがった!!!
護衛対象を放置して逃げるなぞ冒険者の風上にも置けん!が今はそれどころではない、商人だけでも逃がしたいがそれもままならない。どうしたもんか、覚悟を決めるべきかと思ったとき、空から人?が降りてきた。
「澪とりあえず結界張って下がって。出来たら魔術師と弓の奴の無力化して。魔術師はとくに体弱そうだし殴りたくないから。」
「了解。零、気を付けて」
「んじゃ行きますか!どいつからぶっ飛ばされたい?」
「はぁ??急に出てきてなめてんのかゴラァ!!」
「一人で、素手で俺らに勝てるとでも思ってんのかガキィ!」
「そりゃぁやってみなきゃわかんねぇ、どっせい」
バキバキバキッ
軽く(…)殴った奴がぶっ飛んで林の木をなぎ倒していった。
「…」
「…」
「…」
「「「…」」」
「あれっ?!」
「零、力入れすぎ。」
「そんなはずないんだけどなぁ。向こうで大分、力加減覚えたし。コイツら弱いんじゃね?」
「なにぃ!てめぇ!!」
「ウラァ!!!」
両手剣を持った奴が左右からかかってくるが、遅い、遅すぎる。右から来るやつの腕をつかみ抑え、左から来るやつの腹に蹴りを入れる。と、同時に掴んでた腕を引き投げ飛ばす。
蹴りを入れられた賊が仲間を2人巻き込んで林の方にぶっ飛んで木を2、3本へし折って伸び、投げられた賊は側にいた賊にぶつかり地面に伸びている。
一瞬で5人である
フィンが2人。ガイストが3人。零が6人。澪もいつの間にか弓と魔術師を気絶させていたので、あっという間に残りは7人。
あわてた賊たちは逃げようとするが、
「あいつら逃がしていいの?捕まえとく?」
「殺っちゃう?」
「「「…」」」
「澪、黙っとけ」
「……捕まえて街まで連れて行くのも大変だし…」
「了解。澪、お仕置きだけ許可する」
「えっ?いいの?!
キラキラした目で男を見る女に戦慄を覚えた。
読んで頂きありがとうございましたm(._.)m