一時の休息
『―――以上。道路交通情報でした。』
車のラジオはいつも通り、何事もなく流れる。
普段、ラジオを聞くことの無い僕が"いつも通り"と言うのもおかしいが、いつも通りだ。
「高校生。お腹空いてないか?」
「あ、そういえば。」
言われてみると、お腹が空いてきた。
「コンビニでも行くか。」
「うん。」
「いらっしゃいませー。」
おにぎりを5、6個、なぎ倒すようにカゴに落とした。
「食べたい物と飲みたい物ここにいれな。」
僕は鮭おにぎりとメロンパンと緑茶を買ってもらった。
「ほんとにそれだけでいいのか?」
「いざとなったら山崎さんのたい焼きがあるから!」
山崎さんは一瞬驚いた顔をしたが、すぐにニヤニヤして、「そうだな。」と言った。
コンビニの前に停めたトラックの中で、二人でおにぎりを頬張る。
久しぶりの食事に胃が驚いたのか、おにぎりだけでお腹いっぱいになってしまった。
その隣で、山崎さんはニヤニヤとおにぎりにむしゃぶりついている。
食事を終えた頃にはもう既に陽は落ちていて、月明かりがこの小さな町を照らしている。
ブイィン
そこそこ使い込まれたトラックが、小気味よくマフラーを鳴らす。
「どこに行くの?」
煙草に火を点けながら答えた。
「高校生に会わせたい人がいる。」




