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1話 いきなり強敵登場ですか?

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「はぁ…はぁ…くっそ見失ったか、どこ行きやがった…」

 時はX2071年、場所はセイヴの街。

 日も沈んできた夕暮れのなか、街の大闘技場Cブロック。

 茶色い髪を短めにカットし、動きやすそうな服装をした少年、てゆーか俺は右手に細身の刀の柄をぐっと握りしめながら、背の高い建物の外壁に背中を合わせ、身を潜めるように周りの様子をうかがっていた。


 大闘技場とは、人々が金を手に入れるために闘う場所である。

全部で4つのエリアに分かれ、それぞれA、B、C、Dブロックとなり、一度に4試合できるようになっている。場内は小さな街のようになっており、身を潜めることも可能だ。

観客はほとんど貴族やらのお偉いさんで、そいつらはこの闘ってる中で誰が勝つかを賭けているらしい。

闘手は武器の使用を認められ、相手を倒すと相手にかけられている金額を奪うことができ、負けまたはリタイヤすることでそこまでの金額を貰うことができる。しかし、1勝もできずに負けてしまえば貰える金額は0である。

闘手の戦闘可不可は大闘技場の上空に幾つも浮かんでいる球体、通称審判によって判定され、戦闘続行不可能とされた闘手は負け、さらにその闘手への攻撃が禁止される。

人々はこの、ほぼ毎日行われている闘技大会のことを舞闘技会(バトルオリンピア)と呼んでいる。

舞闘技会バトルオリンピアには10歳以上ならば誰でもエントリーし、試合に出場するのに必要なライセンスカードを貰うことができる。さらに舞闘技会では本名ではなく、エントリーのさいに登録したHN(ハンドルネーム)を名乗る。

まあ、だいたいの奴が本名なのだが。

 そして俺、霧崎玄十(きりさきくろと)もまた、この舞闘技会にエントリーしている1人だった。

ただ、舞闘技会は毎日やっているといっても、学生の玄十くろとは学校の無い休日にしか出場してない。


 ちぃ…相手より先に見つけないと…

 建物の影から通りを一瞥したその時、ぬっ、という擬音とともに一瞬で背後に大きな気配が現れた。


「っ…!?」

 とっさにその気配に気づき、玄十は握っていた刀をガードの形で構える。

ガキィッ、と辺りに鉄と鉄がぶつかりあう音が響きわたった。


「っぶねぇ…!」

 しかし相手の武器の重さが異常だ。証拠として受けている刀が折れそうなくらいにしなっている。

玄十は態勢を立て直そうと後ろに飛び退き、そしてそこで襲いかかってきた相手の顔形がはっきりした。

敵がさっきまでの位置では全身が視界に入りきらないほどの大男だったからだ。


「ガードされるとは、奇襲失敗だ…」

 この大男は奇襲を狙っていたようだ。まあ気配もあったし奇襲にしては少々ぬるい気もするが。

しかし、でかい。さっきも見たけどやっぱりでかい。3メートルくらいあるんじゃないだろうか。

 大男は大剣を片手で軽々と持ち上げ、構えている。

それを見て、玄十もあわてて刀を構える。

と同時に大男が大剣を振りかぶりながら走りこんで来た。


 あの大剣をまともに受けたらまずい、玄十の細身の刀では折れてしまいそうだ。だがスピードは見た目どうり若干のろい。玄十にとってこの程度なら避けるのは容易だ。

玄十は振り下ろされた剣を紙一重で避け、ガラ空きの首の後ろに峰打ちを叩きこんだ。

そして大男はその場で地面に崩れ落ちた。


「ったく何メートルあんだよ、首まで刀届かなかったらどーすんだ…」

 わりと普通に届いたけど。


「っ…2メートル20センチ、だ…ぅぐっ…」

 ほらな、3メートルくらいあった…

てかな、自分の身長言いながら倒れてくってどうなんだろうな。


『No.1754バーク戦闘続行不可能、No.2760クロト1000(イース)獲得!!合計獲得金額8000E!』

 審判の声が鳴り響き、続いて観客席からも歓声が聞こえる。


 闘手たちには、それぞれNo.が決められている、玄十は2760。Eというのはこの世界の金の単位だ。

ちなみに1000Eは舞闘技会ではくそ安いほう、本2冊くらいしか買えない。あいつ雑魚だったのかちくしょう。

まあさっきのやつの賞金が1000Eという金額な理由は、あいつが雑魚なだけではない。


 この試合にいるのだ。

 最強の闘手が。

かけられる賞金は毎回軽く10万Eを越える。

そのため、彼が出る試合はいつも、他の闘手にかけられる金額ががた落ちするのである。

彼については、無敗伝説、特殊な魔術を使うなど、いろいろな噂を聞く。

玄十も一度闘り合ったことがある相手だ。だから分かる、奴の強さは異常だと。まあその時は特殊な魔術などは使ってこなかったのだが。

そしてその強さに加えてイケメンである。まったく、羨ましい限りだ。


「久しぶり、玄十くん」

 噂をすればなんとやらである。

この壁によりかかって玄十に向かって手を振っている、肩まで伸ばしている青黒い色の髪をでこの真ん中で分けている美少年野郎が、例の最強男、スカイだ。


「なんの用だよ…って、愚問か」

「玄十くんは6万5000Eだよね。確か」

「ああ、スカイは11万だったか」

「うん。玄十くんのせいでいつもよりちょっと下がってるんだ」

 自信過剰などではないが、玄十は自分でもそこそこ強いほうだと思っている。

金を賭けている奴らにしても、もしかしたら玄十がスカイを倒すのではないかということで、いつものスカイの金額が少し玄十の方に流れてきているのかもしれない。

それでもいつもは8万ちょいなので玄十からすればかなり下がっているのだが。


「こっちはちょっとどころかものすげえ下がってるんだよね。さっきの大男もくそ安かったし。あんたのせいでさ、無敗伝説の最強闘手さん」

 皮肉である。我ながら嫌な男だ。


「それ噂でしょ?ガセだよ。僕だって負けたことくらいある。数えきれないくらいね。あと安かったのはごめん」

「んじゃあ特殊な魔術ってのは?それもガセネタかよ」

 魔術については前から気になっていた。以前闘った時にそれっぽいのが無かったから余計なのかもしれない。

 スカイは少し渋った表情を見せた後、


「んー…それはまた後でのお楽しみってことで。それにここじゃちょっと話しづらいし、また今度」

 なに勿体ぶってんだ?いつもはあっちから必要以上に絡んでくるのだが。よくわからん。


「だったら今から無理やりにでも見るさ」

 玄十に勝ち目がないのはかけられている金額を見ればあきらかである。

だが残りが玄十とスカイになった以上、勝ち目がないからと言ってリタイアをするのは許されない。

観客のお偉いさん方にとってはこの試合は見もののはずだ。勝ち目がないという理由でリタイアなどすれば興醒きょうざめもいいところだろう。


「うん、僕も玄十くんと闘うつもりだし、いいよ。始めよう」

 辺りはすっかり暗くなっていた。

 玄十はニッと少し口角を上げ、一振りの刀を握りしめ小さな街を駆けた。

まず、読んで下さった方。ありがとうございます。


えーっと、前作(前作と言っていいのか?)2話のあとがきで書きなおすと言ってから大分たちました。

まあ、いないと思いますが、お待たせしてしまった方、いたらごめんなさいm(__)m


前作に感想書いて下さった方、とてもやる気出ました。ありがとうございました。(気づいたのが遅く、返事を書きづらかったのでここでお礼を)



感想、指摘等くれるとありがたいです。(お返事できるかどうかは解らないですが←


ではでは

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