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第5話 予感

それから、週に5日ぐったりしながら家路につく日々が続いた…。

けれど、ひと月も過ぎるとバイトの人数も増え、体も慣れてきたせいか、仕事も順調にこなせるようになってきた…。

そんなある日、連絡名簿を作るため、バイト仲間の携帯番号を聞いてくれ、と課長から頼まれた。

一通り聞いて課長へFAXしようとしていたとき、

「イタ電はダメっすよ」

との声。

振り返ると、笑顔の山田くんだった。

「じゃ、ちょうど寝入ったくらいにかけてあげようか?」

と冗談っぽく言いながら、送信済みのメモをそっとポケットに入れた…。

このひと月、毎日一緒に仕事しているせいか、山田くんとは冗談を言えるくらい仲良くなった。

歳は10コも下ながら、仕事ぶりは真面目だし、ルックスもよかったので、いつの間にか仕事に行くのが楽しみになっていた…。最近、すっかりイキイキしてきた妻に、気付いているのかいないのか、夫も

「仕事きつくないか?」

と聞くくらいで、静かに見守っている様子だった…。

携帯のメモをもらってから2週間ほど経った仕事のお休みの日、仕事のことで山田くんに初めて電話をした…。

「…もしもし…山本ですけど…」

「…あ、山本さん?今日、休みですよね?」

いつもの山田くんの声。

「…あの、課長からの伝言で…」

と、何故だか悪いことをしているような気持ちで、話す私。話し終わって、電話を切ろうとする私に、

「あれっ?!それだけ?デートのお誘いかと思ったのに…」

と、いつもの冗談。分かっていても言葉が出てこない私に…

「ウソ、ウソ、冗談!山本さん真面目だからーじゃ、また明日!」

と電話は切れてしまった…

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