第4話 初出勤
土曜日。初出勤の日。みんなお休みなのに、朝からそわそわ…。
でも、まだ12時間以上もあるのにね…。
せっかくの土曜日なのに
「ママは疲れるといけないから…」
と、パパと子供たちだけで遊びに行ってしまった…。
「…ったく」
何となくおもしろくなくて適当に家事を終わらせて、テレビを見ながら帰りを待った…。
そして、夜の11時。子供たちも寝静まり、支度をしようと思っていると、夫がボソッとつぶやいた。「…気をつけて行ってこいよ」
「うん。ありがと…」
夫の気遣いが嬉しくって、笑顔で家をあとにした…
勤務先の温泉まで車で10分。夜のドライブを楽しみながら、目的地へ向かった。ほどなく到着すると、ドキドキしながら、事務所のドアを開けた…
「…失礼します」
と一礼して入ると、面接の時の課長さんの顔。
「…あ、今日からだったね。よろしく頼むよ。」
と、笑顔。そして、近くにいた男性二人に紹介した。「こちらが、今日から新しく入った山本さん。そして、こっちの二人が田中さんと山田くん。」
「よろしくお願いします。」
と笑顔で挨拶すると、
「こちらこそ、よろしくー」
と二人。一人は、私と同じくらいの男性。もう一人は、20代くらいの男の子。
今日は、この二人を含む総勢6名で仕事が始まった…。
男湯、女湯に別れて全ての浴槽の清掃。
一緒のグループになった山田くんが、いろいろ教えてくれたおかげで、何とか初日を終えることができた…。