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第28話 10年後…

あれから、10年の月日が流れた…いろんなことがあった…

同居していた夫の両親が旅立ち、子供たちも来年の春には巣立っていく…

そして、夫は定年退職…

あの事故があってから、家族には、たくさん迷惑をかけたと思う。私が3ヶ月入院している間に、マスコミとかご近所、親戚の対応を夫は何も言わず引き受けたらしいし、子供たちも少しいじめられたようなのに、私には何も言わず、まっすぐ素直な子に育ってくれた…

退院後もみんなあのことには一言も触れず、10年間、表向きは平穏な生活だった…

私は、この10年、心の時計は止まったままだった…

あれからは専業主婦に逆戻りしたものの、家族のためだけに時間を費やした…

ただ、空いた時間に考えるのは、いつも山田くんと過ごした思い出だった…

瞳を閉じると昨日のことのように思い出されるあの山田くんの笑顔…

そして、最初で最後のデートになったあの島の夕日…

何もかも鮮やかに思い出せるのに…山田くんだけがいない…その現実を受け入れることが10年経った今もできないでいた…


そして、夫が退職する前日、白い封筒を渡された…

「これは…?」

と私が尋ねると、

「明日で退職だから、週末旅行でも…と思ってさ」

中を開けてみるとJRの切符が1枚…

夫を見ると同じ封筒を手にしていた。

「駅で待ち合わせしよう!日曜の朝10時に…」

「えぇ…」

返事をしたものの、なんとなく腑に落ちない気がした…

どこが?と聞かれると答えられないのだけれど…

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