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第21話 記憶の中で…

このまま時間が止まってしまえばいいのに…

ゆっくりと沈んでいく夕日に周りのオブジェが照らされて…そのオブジェに囲まれた私たちも作品の一部になったように風景に溶け込んで…

この瞬間を永遠に忘れたくない…と思えるほど、幸せな時間だった…



ふと気がつくと、白い無機質な天井…

えっ?何?今までのは夢?そんなはずは…だってまだ抱きしめられた感触が腕や肩に残ってる…

でも、私どうしてベッドにいるのかしら…?

体もなまりのように重たくて動かすこともできない…冷静に落ち着いて、周囲を見回してみた…

自分の寝室ではないことはすぐ分かった。

ポタン、ポタン…規則正しく落ちていく液体…点滴だった…

…病院?!どうして?私、病院なんかに…?混乱している記憶の糸をゆっくりと解いていった…


そうだ!あの時、夕日が沈むまで山田くんに抱きしめられてたんだ…

それから予定より帰る時間が遅くなって…



「ごめん…ゆっくりしてたら遅くなってしまった…」

と山田くん。

「いいよ…楽しかったし。それに夕日も素敵だった」

「…夕日だけ?」

と悪戯っぽく笑う横顔に、つられて私も笑ってしまった。

「山田くんも素敵だよ、大好き…」そう言って、その横顔にそっとキスをした…

普段ならそんなことをする勇気もないのにね…

でも、余韻に浸る間もなく、私たちは島をあとにした…辺りは、すっかり暗くなって、さっきの景色がウソのよう…

一応、家には遅くなるので、昨日のカレーを温めて食べるように伝言しておいた…

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