第1部 魔法界 人間界 1章
風が澄み渡り、季節は秋から冬に移り変わる頃、落ち葉でいっぱいの学校の中庭で一人の男と女がいた。
「あの、コウ君、私、前からコウ君の事好きでした。良かったら私と付き合ってください!」
コウと呼ばれた少年は晴れ渡った空を見ながら言った。
「・・・ごめん。俺、まだ誰とも付き合わないんだ。あ、用事あるから行くわ。」
ここはラインピースという国の南西に位置する田舎町ルイス。
この町の学校に一人の男がいた。その名もコウ=ライト。
今も一人の女を振り、これで合計10人目だ。
コウは学校では女生徒のアイドル的存在の位置に属していた。
「おーい、コウ。あの子どんな話しだったんだ?」
コウが教室に戻るといつも通りトシが話し掛けてきた。
「あぁ、あの子ね。いつも通り告白の話しで振っちゃった。」
「まじかよ!かわいかったのになぁ。」
「いいの。それよりトシは誰かいないのか?」
「俺はいいよ。今は学校生活を楽しむのが一番だ。」
トシはコウの一番の親友でいつも二人でつるんでいた。「そうだ、コウ。実はいい物が手に入ったんだ。今日、コウの家に持って行くよ。」
「いい物って何だよ?気になるなぁ。教えてくれよ。」
「あとで持って行くから楽しみに待ってなさい!そろそろあいつが来る頃だな。」
トシが噂をしていると活発な女がコウ目掛けて走って来た。
「おーい、コウー!」
叫びながらやって来たのは、コウの幼なじみのリンダだ。
コウとトシとリンダは幼なじみで小さい頃からいつも一緒にいた。
リンダは学校のマドンナ的存在で男生徒からは高嶺の花として見られているが、性格は自己中心だ。
それを知っているのは幼なじみの二人だけだった。普段はお姫様風に振る舞っている。
ついでにトシの紹介をしておこう。
トシは明るく誰からも慕われている存在だ。
学校では裏番長的な存在で切れると手がつけなくなってしまう。しかし普段は優しいのだ。「あぁ、トシもいたんだ。まぁ、いいわ。ところでコウ、どこ行ってたのよ?私、探したんだからね。この私を心配させないでよね。」
「どうしてリンダが俺を心配するんだ?」
「え、だって・・・まぁ、なんとなくだよ!」
リンダの反応によくわからないコウとそのやりとりを見て苦笑しているトシがいた。
これが日常の風景だった。
初めての小説執筆ですが、楽しく書いて行くので、最後まで読んでください!
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