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シャンディラ編1

続き

小鳥の囀りが聞こえる。

「...チュンチュン言っとる。」

少し吹いた風に呼応するように起き上がり、周りを見る。

「えと...ここは...」

視界に映るのは風で囁く大草原、底が抜けたかのような雄大な青空。

まさに平和の象徴のような景色である。

「凄えな...これ...」

テレビでしか見たことないような光景に少し圧倒される。

ため息を吐いてもう一度草原に寝転ぶ。

「これ...やばいな。」

天国のような景色に心が清められる。

いつも俺がいた景色にはこんなものはなかったから。

少し目を閉じる。


そして...


「あ?」

目の前に地獄が唐突に現れる。


ブルルルルル!


「は?」

目の前には猪?のような黒く巨大な動物が今にも俺を襲いそうな形相で立っていた。


「ーやば」


「ああああああああああああ!!!!!!!!」


俺は全力で逃げる。全力疾走だ。

それに呼応するように巨大な猪?は俺を追いかけてくる!


ブルルルルル!!!


「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!!!!!!!!バイク見たいな音立ててきてる!!!!!!!!」


段々と距離を詰められてるのは感覚でわかる。

あと2メートル、あと1メートル、あと50センチ、あと10センチ、あと...


「あっ...死ぬ...」


走馬灯が目の前を支配した。

子供助けた時もこんなだったっけ。


(またこれかよ早すぎるだろ...人生最速記録更新だな...)


「助けてくれ!俺には子供が!妻がいるんだ!」


「助けてパパ!ママ!」


「いやぁあ!」


(...やっぱまともなもの思い出さないな。)


「それは君だからだよ。」


(.......)


もう数ミリのところ、今にも襲い掛かられる、その時であった。


ゴォォオ!


巨大な炎が猪を包む。

猪は悲鳴を上げながらのたうちまわった。

「なんだあ?!」

俺が間抜けな声を上げてると後ろから声をかけられる。

「おい!大丈夫か?」

振り向くといかにも馬に乗った騎士という風貌の青年がそこに立っていた。

「ああ...ええ。」

「この辺は魔物が多い。丸腰で歩くもんじゃないよ。僕がきたから良かったものの。」

「すみません。助けてくれてありがとうございます。」

少し険しい顔をしたあと青年は微笑みかけ、続けた。

「いいんだよ。俺は俺のやることを全うしたまで。感謝されることはしてないさ!君、別の国出身だろ?道に迷ったってとこかな。もう大丈夫だ。僕が街まで送ってあげるよ。」

おお!なんて優しい人なんだ。

こんな人は初めてだ。

聖人とはこのような人を指すのか。

「お、お言葉に甘えさせてもらいます。」

「うん!じゃあ馬に乗ってくれ。乗り方わかるかい?」

「いえ、初めてなので...」

「じゃあ!僕が教えてあげるよ!」

そう言って聖人は馬から降り、手取り足取り教えてくれた。

優しすぎる。

好きだ。

「じゃあ出発だ!少し揺れることもあるから捕まっててね!」

そう言われたので腰の辺りを軽く抱いた。

(男の騎士?の割には華奢だな。)

こんな親切にしてもらったのにこんなこと思う自分に嫌悪感を感じながら、揺られ揺られ街に向かっていった。

ママ

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