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陶酔の牢獄
ああ、今日もまた、薬という名の甘美な牢獄に囚われる。
意識は朦朧とし、思考は霧散し、ただ快楽だけが残る。
しかし、その快楽は、あまりにも脆く、儚い。
薬の効果が切れれば、私は再び、孤独という名の奈落に突き落とされる。
(中略)
勒枢薇朧は、今、薬で機嫌が良いのだろう。
しかし、その代償として、彼女の心には、深い虚無感が巣食う。
そして、私は、そんな彼女を、ただ傍観することしかできない。
ああ、私は、なんと無力な存在なのだろうか。
(中略)
私は独り身で、恋なんてしない。
愛など、とうに捨てた。
私に必要なのは、薬と、孤独と、そして、ほんの少しの快楽だけ。
ああ、今日もまた、夜が更けていく。