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神よ、さようなら。
神など、とうに捨てた。
そう、吐き捨てるように呟く。
見上げた空は、どこまでも昏く、私の孤独を嘲笑うかのようだ。
ああ、神よ、あなたは私を見捨てたのか。
それとも、最初から、私など見ていなかったのか。
私は、偶像を壊した。
神という名の、虚構の偶像を。
そして、私は気づいた。
神のいない世界で、私は初めて、私になれたのだと。
ああ、なんと滑稽なことか。
神に縋っていた私は、まるで操り人形だった。
神よ、さようなら。
あなたのいない、この昏い世界で、私は私のまま、堕ちていく。
たとえ、それが奈落の底であろうとも。
私は、私だけの罪を背負い、生きていく。
勒枢薇朧には神なんぞいないも同然