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花粉
ああ、忌々しい。春風に乗って舞い散る花粉。その微細な粒子が、私の鼻腔を、喉を、そして精神を蝕む。まるで、神の悪戯か、はたまた悪魔の囁きか。
この苦しみから、解放されたい。花粉など、この世から消え失せてしまえ。そう、心の底から叫びたくなる。しかし、無駄だ。所詮、私は無力な人間。春の呪いから逃れることなど、できはしない。
今日もまた、私は一人、花粉に苦しめられる。ああ、どうか、この苦しみから、私を解放してください。しかし、神も仏も、私を見捨てた。所詮、私は、孤独な人間。一人、苦しんで、そして死んでいく。