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星空で繋がる世界  作者: 江崎涙奈
第2章 目覚め始め
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15.遅過ぎる説明会

 


 後半は、基本的に定まらぬ者の世界観に触れた説明になります。


 詳しい話は何処かできちんと纏めたものにして書き出しますので、彼の長々した話を右から左に流しながら、主人公と共に最後までお付き合いしてやって下さい


(加筆した個所は特にありません)



 


「……ええっと、カルティーエルナさん?今とっても理不尽な事考えませんでした?」


 さっきまでの余裕の表情から一転して強張らせた顔を向ける不審者に、満面の笑みを浮かべ返す。


 ふふふふ、まさかそんなわけないDESUよ


「あはは、そりゃそうで…え?」


 目の前に重力という概念まるっと無視して、ぷかぷか宙に浮いてる超嫌味な程の美少年の顔を、世にも曝せない程にぐちゃぐty…とか考えてないに決まってますよ


「いや、考えてるじゃないですか!!」


 だって仕方ないじゃん、急に目の前現れた奴が、“やぁやぁ、暇してるかい?”とか、ああ゛ふざけてんの?


「え、すみません?!」


 ……で、なんか用?


 若干涙目になりながら脅えていた美少年は、ぴしっと背を伸ばした。


「あ、はい…っと、その前に僕誰だかわかりますか?」


 いや、知らないよ


 どう考えても今日が初対面じゃん


「じゃぁ、こちらの姿では?」


 そう言うと、きゅぽんと可愛らしい音を立てて眼前に現れたのは…


「どうじゃ?」


 ……あ゛あああああああああああああぁぁぁぁぁ




 * * *




「お主がもともと居た世界、お主が殺された世界や、お主が今いる世界など様々な世界が同時に存在しておる。」


 相変わらず目の前でぷかぷかと浮かぶ元美少年もとい、見覚えのある小人。


 …何この展開有り得ないんですけど


 先刻までの美少年が見るも無残なミニマムサイズの枯れ姿になってしまうとか


 しかも、こんなのがこの世界の神サマとか


 その上、無理やりお仲間(神サマのね)の賭けに付き合わされた挙句ぼろ負けして、勝ったのが私が問答無用で殺された世界の神サマだったらしく、生贄もどきが必要だから問題ない奴取ってこいって言われて持って来たのが私だとか


 最後私の命軽っ!?


 他にも突っ込みたいところ色々あったけど、結論、突然訳分かんない世界に飛ばされて、殺されて、気付いたら生まれ変わったっていうのも全部これというかもう神サマ共の所為だってことは理解した


 それで現在、世界の説明に入ってるとこなんだけど話が長い…


「それぞれの世界はそこに住む者達の手によって独自の発展を遂げる。例えば、化学の生まれた世界、魔王が存在する世界、魔法のある世界のようにな。まれに滅びの世界と呼ばれる世界出来てしまうが…まぁ、基本主らには関係のない話故に割愛するとしよう。」


 いや、もっと割愛するとこ一杯あったと思うけど


 特に、初の息子生誕の話や、他の神サマからの当たりが強いって事を涙ながらに語った所がいらなかったと思うし


「それらの世界に住む大抵の者は、役割が決まっており動ける範囲は限られ制約もあるのじゃ。しかし、極稀にそれがない者がいる。その者達のことを定まらぬ者と呼んでおる。

 それがお主じゃ」


 今まで虚空を見ながら語っていた小人の爺の神サマが、急に話と視線を私に戻した。


 ん?私?


「うむ、先程主が“問題ない奴”と解釈していたものが我々で言う定まらぬ者じゃ

 因みに、この世界ではお主のような者達を未定者と呼んどるらしいの」


 なにも知らない割りに、なかなか的を射ておると小人の爺は長く垂れた髭を触りながら独り言ちた。


「定められぬ者は云わば世界にとっての規格外な存在じゃ

 例えば、生きとし生けるモノ全てが魔力を有するこの世界の規格外は魔力を持たない事であり、そして魔法とは異なる未知なる力を有する事、ということじゃった。」


 まぁ確かに、皆が使っている魔力、魔法に囚われずに、独自の力とその法則によって力を使える規格外の存在は脅威になるね


「うむ、定められぬ者の存在は規格外故、世界ごとに筋書けられた予定調和を崩すことがある。その為、儂等が居る。

 儂等は、その崩された予定調和をもとに戻すという使命があるのじゃ。しかし、元々役割の決まった者を動かすことは出来ぬ。その為に、定められぬ者を使い軌道修正をするのじゃ。それが、お主をあの世界に送って死んで貰ったのもそれが理由と言う訳だ。

 本来ならあの少年が力を付け魔王になるまでは勇者は来ない筈じゃった。しかし、定められぬ者の存在によってそれは崩れた。

 光も影も適度なバランスが必要じゃ。どちらかが大きくなり過ぎても、それは結局悲劇しか生まぬ。そして、あのままだと放っておけばその均衡は崩れ、世界は崩壊し、また一からのやり直しせざるおえん。

 そうなると多大な労力を強いることになる。その為、そうなる前にどうにかしなくてはならなかったのじゃ。」


 小さい爺の長々とした話がようやく途切れた所で、片手を上げて質問しみる。


 はいはーい、質問ー、力があるならわざわざ私を使う必要はないんじゃないの?


「それは出来ぬ。何故なら神は直接世界に関わることは許されんからだ。

 それに、案外儂等の存在は世界にとっては存外希薄な存在なんじゃ。無理やり世界に介入しても、影響は大きいようで実際は微々たるものでしかない。

 ましてや、そういうことをするのは知恵を持った悪魔の仕業じゃ。知恵の持たない低級の悪魔は、取り付く程度の事しか出来ぬ。とは言えども、それも放っておけば自ずと知恵が付いてしまうんじゃがな。

 一般的に、悪魔は人を破滅に導くと言われるじゃろ?

 それは、その世界に定められた予定調和を壊して、その世界を自らの物にする方が手っ取り早いからじゃ。

 予定調和が崩れるということは、その世界が神の手から離れてしまうということだからの。一度、神の管轄外になると、低級の悪魔さえ入りやすくなってしまう。悪魔が蔓延れば、世界を創り直すのは至難の技になる。そうなってしまえば、その世界を一度滅ぼすか、地道に悪魔を駆逐していくかくらいしか方法はないのじゃ。」


 あれは大変じゃよーと呑気に言う神サマ


 何かあったのかと尋ねると「うむ、色々と…な」と濁された。


 苦虫を噛み潰すような顔してたからよっぽど酷かっただろうな


 ちょっと気になってどんな感じか聞いてみると、うじゃうじゃいる小さい黒い虫を一個一個潰していく感じだったらしい


 ………嗚呼……聞かなきゃよかった



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