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星空で繋がる世界  作者: 江崎涙奈
第2章 目覚め始め
20/37

14.何故か一人の誕生日

 

 加筆した上で、投稿し直しました。

 


 今日、私ことカルティーエルナは1歳になりました!!


 そうそう、聞いて下さい!見て下さい!


 なんと私……髪の毛がいい感じに生え揃ったんです


 いやね、生まれたばかりの時、わかってたとはいえこう、頭触るとつるぴか!ってわけじゃないんですけど、まぁ産毛が生えた程度の頼り無いもんだったんです…ふっ、分かり切ったことだけどね?


 それが今や、ふっさふさの髪の毛沢山ですよ!!


 しかもまだ産毛みたいにやわらかいし、傷まないし、枝毛なくて毛先まで綺麗だし!!


 あ、あと四つ足ではいはいから二本足で歩けるようになりました


 レベルアップですね♪


 p.s.でもそろそろ赤ちゃんからせめて子供にジョフチェンジ希望です


 とかなんとか呟きたい気分だよ!!


 そしたら誰かが『おめでとうございます』とか『ジョブチェンジ乙ww』とかさ


 一人でなにやってんだろ………


 いや、それもこれも私の誕生日だってのに朝から誰も相手してくれない上に、軽く部屋に軟禁状態なのが原因だと思うんだよね。




 * * *




 朝目覚めた時、いつもどうり誰も居なかった。半年前の私の生活では大半を寝て、食べて過ごしていた。けれど、動けるようになってからは情報を集める為に奮闘するべく、誰も居ない時に行動した。その所為か、朝日が昇る頃に目が覚め、小一時間程部屋の中を捜索した後、起こしに来る時間になったら寝ている振りをして、その後侍女や父母、兄姉と共に昼寝を挟みつつ行動し、夜は早めに寝るようになっていたのだ。つまり、早寝早起きという酷く規則正しい生活リズムが体に馴染んでいるという訳だ。


 ただ、誰もいない時を見計らってこの部屋(の隅から隅なんて言葉じゃ生ぬるい程度には)情報を収集し尽くしたお陰なのか、最近部屋で得る事の出来る情報(モノ)がない為、二度寝するようになっていたりする。だから今日も二度寝くらいしたって構わなかったが、何と言っても今日は特別な日。


 そう、今日は私の初めての誕生日なのだ!


 誕生日といえば、美味しい料理が積まれ、プレゼントを貰い、誕生日ケーキを食べ、家族に囲まれ、お腹を満たすささやか(?)な幸せにに包まれる日。


 おい19年経ってまだ誕生日楽しみなのかこいつ!とか思うかも知れないけど、これは新しい人生の一年目。あの18年だか19年だか判別のつかないものと一緒にしてもらっちゃ困るんですよ。


 兎にも角にも、今日は自分にとっても家族にとっても特別な日だということはわかって貰えたと思う。


 ただその筈なんだけど、目覚めてから何時はアサナが起こしにきても良い時間なのに、閑古鳥が鳴いてるこの状況はなんなんだろう


 不満げに溜息を溢して、ふとこの隙に外にこっそり出て行こうかなという考えが過った。けれど、今日は誕生日だしどっかにふらふらしてたら良くないと思い直しもう少し待ってみることにした。




 * * *




〈5分経過…〉


 まぁ、まだ来ないよね




 * * *




〈15分経過…〉


 来ないなー




 * * *




〈30分経過…〉


 …来ない




 * * *




〈45分経過…〉


 様子見してこようかな?


 …


 ……


 ………


 な、出れない、だと!?




 * * *




〈1時間経過…〉


 ドアノブと格闘すること凡そ15分、見事なまでの惨敗に突っ伏した私。


 ……一先ず状況を確認しよう


 もし、誕生日会のサプライズの準備で忙しいとして、暇を見つけては様子を見に来る姉や兄の姿がないのは納得出来ても、毎朝起こしに来てくれるアサナの姿がないのはおかしい。で、おまけに部屋に外から施錠とかもおかしすぎる。つまり、現在、自分は家族から軟禁中ってことだ。


 ここでやっと冒頭の独り言に戻るっていう訳ですよ!


 ていうかお腹空いたなぁ…


 大の字になって空腹からくる空しさを抱え、ぼんやりと天井を眺めていたら、突如にょきっと顔が現れた。


 「やぁやぁ、暇してるかい?」


 ………何こいつ…しばき倒していい?



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