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検索してはいけない言葉の話

【キーワード】


①虫

②ウイルス

③動画

④技術

⑤絵

⑥自撮り

⑦フィルター

⑧容量

⑨死神

⑩再現











 やれやれ、ようやっと百物語の終わりが見えましたね。

 最後にお話しするのは……そうだ、この話にしましょう。

 皆さんは「検索してはいけない言葉」というものをご存知でしょうか。

 検索するとグロテスクな【虫】の写真が出てきたり、過激な内容のアニメがヒットしたり。

 時にはコンピュータ【ウイルス】に感染したり、ダークウェブという普通の方法では見ることのできないウェブサイトが覗けたりする言葉をまとめてそう呼ぶんです。

 有名なものはサイトにまとめられていたり、【動画】のネタになっていたりしますね。

 実は私、「検索してはいけない言葉」をリアクションも含めた実況形式で紹介している【動画】を見るのが好きなんです。 

 というのも、一人で見ると「ふーん」で終わっちゃうものも多いんですよね。

 特に、【虫】の画像とかは平気な方なので検索してはいけない理由がピンと来ないんです。

 なので【動画】でリアクションを見て「なるほど。他の人はこういうものが苦手なのか!」と勉強しています。

 それに、知らないで【ウイルス】サイトを踏んで感染するのも嫌ですからね。

 面白そうなホラー系のホームページが紹介されていたら、それだけは自分で検索して遊んでみたりしていますよ。

 ただ、検索してはいけない言葉の実況【動画】というのは数に限りがありますから熱中していると見尽くしてしまうんですよね。

 そこで思いついたのが、自分で検索してはいけない言葉を作ろう、ということでした。

 とはいえ、ホームページや【動画】を作る【技術】はないのでできることが限られます。

 考えた末に辿り着いたのは「見ると不幸になる画像」作りです。

 見たら死ぬとか、持ち主の一族が災いに巻き込まれるとか、そういう【絵】がけっこうあるんですよ。

 今なら画像の加工が簡単にできますから、私にもそんな【絵】が作れるんじゃないかと思ったんです。

 まず用意したのは、【自撮り】写真でした。

 【技術】のある人に加工を外されると怖いので、顔はお面で隠して写真を撮りました。

 その写真の解像度を荒くして、彩度とか明度とかのバーを適当に動かして。

 それだけでも雰囲気って出るんですね。

 ただ、まだちょっと味気なかったのでその画像を編集用のアプリに取り込みました。

 そこでさらに手当たり次第に【フィルター】を掛けて加工したんです。

 画像加工は詳しくないので、文字通りの手当たり次第です。

 数日かかって、ようやくそれっぽいものが完成しました。

 一見すると前衛的なアート作品で、元が【自撮り】写真だなんて想像もつかないような画像です。

 ちょっと困ったのが、加工し過ぎたせいか【容量】が見たこともない数字になってしまったんですよね。

 私はその画像を某掲示板サイトのオカルト系のスレッドへ「この画像、知ってるか?」というメッセージと共に投稿しました。

 【容量】が大きいからか画像が見られる人と見られない人がいたみたいで、その投稿はあっという間に話題になりました。

 さすがは巨大掲示板というべきか、「このくらい知っていて当然だ」みたいな知ったかぶりのレスが複数付きました。

 少し泳がせてから私が作った画像だと種明かしをしようと思って、スレッドの動向を見守っていた時です。

「この画像めちゃくちゃヤバくないか? 女の子の背後に【死神】が立っているように見えるんだが」というレスがついたんです。

 まずい、と思いました。

 加工前は【自撮り】の写真だったのがバレたと思ったんです。 

 しかし、そうではありませんでした。

 抽象画になった私の左肩辺りに、女の子のように見える模様があったんです。

 そして、そのさらに左奥、画面から見切れるギリギリのところに鎌を持った【死神】のようなものがいました。

 偶然だろうとは思いつつも怖くなってしまって……。

 種明かしをする前にそのページを閉じてスマホの中に入っていた画像も削除してしまいました。

 次の日、あのスレッドがどうなったか確認しようと閲覧履歴を探したんですが、なぜか見つからなかったんですよね。

 検索しても何も出てこなかったので、もしかしたらスレッドごと削除されたのかもしれません。

 時間が経つともったいないことをしてしまったような気になってきて【再現】しようとしたんですが、本当に適当に【フィルター】を掛けていたので何を使ったのか全く覚えていないんですよね。

 おかげでまだ【再現】はできていません。

 それを不幸中の幸いと言うべきか否か……。

 見えてはいけないモノが見える可能性があるので、皆さんは決して真似をしないでください。

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