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死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります  作者: 穂村満月
第四章.愛する私のシャルルへ

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57.海水浴

 朝、またシュバルツのところに遊びに行った後、砂浜に遊びに来た。

 昨日、あの後、みんなで服を買いに行ったのだけど、折角海に来たんだから泳ごうぜ! と水着も購入したのだ。どうせ私はどこに行ってもフード付マントを取れないんだから、水着なんて買っても意味ないだろ! って思うんだけど。みんな泳ぎたいんだね、そうだね、お留守番できないからついてくよ、と抵抗することなくついてきた。


 一応、マントの下に水着も着てるけど、先生に買ってもらったヤツではない。自分の身体は現在他人の身体のため、晒したところで羞恥はないが、セクハラキング指定の水着を着るのは、本人に申し訳なさすぎる。

 そのため、村人Dから譲られた水着を選択した。ピンクのフリフリビキニだ。まったく趣味は合わないが、上着とパレオが付いているところは悪くない。2択なら、絶対こっちだ。



 とはいえ、別に泳がないけどね! 今日は、私は潮干狩りをするのだ。貝をいっぱい取るのだ。

 泥んこになっても、先生に魔法でキレイにしてもらえばいい。私は、気にせずマントのまま突撃した。


 のだが、何故か皆、私の後ろをついてきた。護衛は、タケルだけで十分なのに。水着姿のイケメンについて来られる方が、視線を集めて迷惑だ。私の安全のためには、ついてこない方がいいんじゃないの?

「お前、バケツなんて持って、何する気だ?」

「潮干狩り」

「シオヒ狩り?」

「貝を取るの!」

 アサリでも、マテガイでも、ツメタガイでもなんでもいい。貝は食べても美味しい。出汁を取るのでもいい。

「取るところまでは許可するが、食べるのは不許可だ。店で買って食えよ」

「何故だ!」

「毒があるからだよ。お嬢さんは本当に何でも食べようとするね」

「本当に目を離せないよ」

「だいじょぶ。タケルがたべる」

「それなら、良し」


 食べれないから、誰も取らないのだろう。貝は簡単にゴロゴロ取れた。面白くなくなるほど取れた。そして、取れたそばから砂抜きもせずに生のまま殻付きで、タケルがバリバリ食べる。今日は人型なのに、だ。とてもいたたまれない。水着イケメンより、ちびっこが毒貝食べてる方が、絶対にヤバイ。私は、早々に潮干狩りを諦めた。


 仕方ない。釣りをしよう! 竿を振っても支障ない人気のない場所を探そう。歩き出すと、また邪魔が入った。

「どこに行こうとしてるか知らんが、釣りなら不許可だぞ」

「な、ん、で!」

「気付け。毒貝食って生活してるヤツがいるんだぞ? 食ったら危ないどころか、毒針持ってるヤツもいる。お前には無理だ」

 なんてことだ! 海の2大レジャーが潰されてしまった。

「じゃあ、海なんか来ても、私に出来ることなんてないじゃん」

「何故、普通に泳がないんだ。昨日の水着はアレだが、別のを買えばいいだろ? その辺で買ってやるし」

「水着は着てるけど、マントのままじゃ泳げないよ。でも、フード取れないでしょ」

「「「アレを着てるだと?!」」」

 え? いや、アレは着ないよ? アレを着る人だと思われてるとか嫌だ。

「よし、お嬢さんのために一肌脱ごうじゃないか。髪色を変化させる魔法をかけよう。大した時間は保たないが、遊ぶ時間くらいは任せたまえ」

「ちょ、アレはダメだろ。脱ぐなよ。新しいの買うから! ジョエル、なんでもいい。ダッシュで買ってこい!!」

「わ、わかった」

 いや、アレは着ないよ⁈ 先生の呪文が終わったので、マントを脱いでみたら、頭が銀髪に変わっていましたよ。

「なんで、銀髪だよ。目立つじゃん」

 黒もいないが、銀だって見たことないよ。銀はいいのか。どんな世界だ。

「オレとお揃いだ」

 先生が、魔王の微笑みだ。意味がわからん。

「それ、銀髪の白髪だったのか! わざわざ女避けにならないための兄妹設定とか作らないでいいから、さっさとナンパに行けばいいのに」

「兄妹設定ではないよ?」

 早く嫁を見つけて、セクハラを直せば、便利でいい先生なのに。やれやれだ。

「シャル! その水着はなんだ。話が違うだろ!」

「え? 村人Dにもらったんだよ? 昨日のアレよりはいいでしょ? え? アレを着なきゃダメなの? アレは、ダメだよね。いくらなんでもだよ。着たいなら、キーリーが着ればいい」

 キーリーが何を怒っているのか、わからない。馬鹿正直にアレを着てきたら、笑う予定だったのか。いくらシャルルに恨みがあったって、それはしないよ?

「すっげぇサイズがぴったりじゃねぇか。ダコタの野郎、しばいてやる!」

 水着のサイズが合わないのは、致命的じゃないかと思うんだけど。村人Dのその後なんて、どうでもいいや。



「じゃあ、泳いでくるねー。ナンパ頑張ってー」

 先生を置いて来るのに成功したが、キーリーはついてきてしまった。タケルだけでいいんだけどなー。タケルは猫かきでついてきてて、可愛いんだけどなー。

「キーリーもナンパしてくればいいのに」

「なんでだ」

「皆でずっと私を探してくれてた、って聞いたから。申し訳なくて、私を忘れてはっちゃけて遊んできて欲しい」

「はっちゃけるとナンパに行くのか。どういう理論だ。俺は、嫁は募集してないぞ。お前以外のややこしいのは、必要ないだろ?  それに、お前は、いつもの喉元すぎればで気にしてないんだろうが、俺にとっては、昨日の今日だ。お前がいつ消えるか心配で、ナンパなんかしてる場合じゃねぇ。俺には無理だ。諦めて、監視されてろ。飽きたら離れるから」

「わかった」


 まあまあ深いところまで歩いてきたので、泳ぎ始めた。まずは、平泳ぎだ。

「泳げるのか?!」

「え? なんで? 泳げって言ったじゃん。、、、そうか、引きこもりのシャルルは泳げないのか。川で泳ぐのは無料なのになぁ」

 水泳は、我が家の貴重な夏の娯楽だ。兄弟6人揃って出かけても無料だった。水着もお下がりで無料だ。川で弟妹に水泳指導をしておけば、夏の体育は楽勝だ。私も弟妹の教師役をやる手前、意地で泳げるようになった。お姉ちゃんの矜持を守るためなら、できないことなど何もない。

「なんで浮くんだ」

「人体は浮くようにできてるらしいよ。塩水は淡水より浮かびやすいから、キーリーも浮かんでみたらいい。動かないでぼんやりしてれば、浮くから」

 キーリーは、まったく動かなくても、浮かなかった。

「話が違うな?」

「ごめん。多分、キーリーは筋肉付きすぎなんだと思う。そういう人は、浮きにくいんだって。浮きにくいだけで浮かない訳じゃないし、泳げる人は泳げるから、泳げるようになると思うけど」

 そんなアスリートは弟妹にいなかったので、詳しくは知らない。この世界の海水の塩分濃度も知らんしな。

「なるほど。つまりジョエル式じゃないとダメだ、ってことだな?」

 ああ、うちの筋肉担当の人! なんでもできるもんね。泳げるよね。

「ジョエル式って、どんなの?」

「水に入ったら沈むから、沈み切る前に水を蹴れば浮くらしい。だが、あいつはその理論で水面を走るんだぜ? 俺にできると思うか?」

 ああ、壁や天井を走ってるのは見たことあるけど、水面も走るんだ。もう空中も走るかもしれないね、あの人。

「水面を走るよりは、水中を走る方が難易度は低そうだね」

「そうだな」


 ジョエル式は置いといて、バタ足から練習してもらった。ずーっと練習させてたら、息継ぎなしクロールまで行きついた。下半身沈んでるから、できてるうちに入らないかもしれないけど、数時間で行き着いたんだから、いいじゃないか。

「よく頑張ったね。えらいえらい。もう浮き輪があれば、完璧に泳げるよ。だから、ごはんに行こう」

「もう少しやりたかったが、飽きたんだな? 飯食ったら、また付き合えよ、先生」

 ちっ。飽きたのわかったなら、誘うなよ。でも、日頃お世話になってるからなー。そうだ、ついでだ。

「報酬次第だね」

「ほう。何が欲しい?」

「今ね。ぎゅーできる人を大募集中なの!」

「ちょ、ちょっと待て。自分の今の格好をよく考えろ。そして、そこに至った経緯をちゃんと説明しろ。襲うぞ?」

「えー、めんどくさー。シュバルツの代役を求めてるんだよー。ヨシヨシしてあげられなかったのが、心残りだったんだよ。墓石にやってみたんだけど、なんか違うんだよ。ジョエルはごついし、先生はセクハラひどいし、キーリーしかいないじゃん」

「俺は背格好が似てるのか?」

「全然。シュバルツは可愛い系だし、背も私と大して変わらなかった。もう誰でもいいから、それらしい人を抱っこしたいんだよー。もう許可なく勝手に抱きついていいかな? 前は抱きついてたよね?」

 組み付いたら勝ちだよね? 襲ってやる。襲ってやるぜ!

「ちょっと待て。危ないぞ。俺より適当なのを用意してやるから、ちょっと待て」

 そう言って、キーリーはタケルの後ろに隠れた。

「タケル、シャルルよりちょっとだけでかい男になれ」

「いやだ」

「なんでだ。シャルルが可愛がってくれるんだぞ?」

「ちいさいままが、ゆだんする」

「お前な!」

「タケル、大きくなれるの? 私と同じ黒髪で、背も顔も大体同じで、男。なれる?」

「わかった」


 タケルが変化した。なんかちょっと違うけど、大体シュバルツだ。キーリーよりは、断然シュバルツだ。

「シュバルツ! シュバルツ、シュバルツ! 会いたかった」

 私は、思いっきり組み付いて、シュバルツに伝えたかったことを、気が済むまでしゃべり倒した。会えて嬉しかったこと、一緒にいて楽しかったこと、迷惑をかけて申し訳なかったこと、急にいなくなってしまったこと、シュバルツのその後が心配でたまらないこと、約束を守れなかったこと、指輪を見つけたこと、博士になってたこと、結婚してて欲しかったこと、思いついたこと全部だ。

 タケルだってことはわかってるけど、ちょっとスッキリした。

「ありがとう、タケル」

「うん」

 タケルは元に戻ってしまった。残念だ。

「お前長すぎるだろ。俺も腹減ったぞ」



 海の家風屋台で、3人で海鮮あんかけ焼きそばを食べた。エビやイカの色が青とか緑とかでちょっと引いたけど、普通の味で美味しかった。

 遠くに巨大ハレムが2つ見える。あれには見つからない、関わらないで帰ろうね、と話し合った。

次回は、閑話になります。

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