表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります  作者: 穂村満月
第三章.さよなら大好きだよ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/125

41.閑話、キーリー視点

 あの日、あの時、くそ野郎の魔法の所為で、俺の可愛いシャルルはいなくなった。残ったのは、笑わない人形のようなシャルルだ。

 以前は、こいつのことが好きなんだと思っていた。でも、元に戻って、勘違いだったと気付いた。見た目が同じでも、全然違った。今更気付いても、もう遅い。


 シャルルが逃げ出したから、捕まえた。保護するためだったが、罵られた。俺は、シャルルに尽くしているつもりで、全く感謝されていないことを初めて知った。言われて納得したが、許せなかった。

 俺を罵るのは、構わない。だが、俺のシャルルの身体を奪ったのは、許せなかった。

 俺は、シャルルのおかげで、あいつに出会えた訳だが、あいつはすっげぇ迷惑だったろう。何も関係ないのに巻き込まれて、頑張っていた。頑張らなくていい、と言ったのに。 

 シャルルの勝手を許す訳にはいかない。ジョエルと監視することにした。



 ジョエルが、シャルルが変だと言い出した。あいつが変なのは今に始まったことではないが、シャルルが変なのは気になる。食事を名目に様子を伺うことにした。  

 確かに、シャルルは変だった。いつも無感動に真っ直ぐ前だけを見て歩くヤツだったのに、周囲を見回しながら歩いている。まるで、あいつのようだった。  

 いつか何処かで聞いたような会話が続く。あいつのことを思い出す。イライラする。俺は、あいつを守らないといけないんだ。ツライ。

「お前、いい加減にしろよ。これ以上、変なことするな!」

「私が何したって言うの? 変かもしれないけど、悪いことなんてしてないよ」

 あれが悪いことじゃなければ、なんなんだ! 不満があるのは、分かった。だが、何をしてもいいとは言わせねぇ。


「るる!」

 タケルが来た。いつぶりだ? お前は、シャルルがどっちでもいいのか? 黒けりゃ何でもいいのか。

 だが、こいつの方がシャルルがわかるらしい。

「える、るる、もどった」

「戻った? まさか、また?」

 戻った? 戻った? 何に戻った。

「シャル、うちのイケメン、どう思う?」

「ムカつく」  


 即答だった。そんなことを言う心当たりは、1つしかなかった。

「あいつかもしれない!」

「ルルー、記憶はどうなってる? わたしたちのことは、覚えてないのよね」

 そうだ。あいつが戻ってきても、もうあいつじゃない。あいつはあんなに頑張っていたのに、全てを捨てた。俺のことを全て消した。なのに。

「知らん!」

と言われて、めちゃくちゃ嬉しかった。我慢できなかった。すげぇ後悔した。



 抱きついたら、拒否られた。

 そりゃそうだ。俺は、見ず知らずの誰かなんだ。そんなことをして受け入れられる訳がない。だけど。

 あいつが拒絶したのは、俺だけじゃなかった。あいつの笑顔を、俺が奪ってしまった。


 シャルルは、猫だけは受け入れたらしい。ジョエルは、助っ人を呼びに出かけて行った。戻るまで、シャルルを守るのが、俺の役割だ。次は失敗しない。


 シャルルに姿を見せることなく、護衛を果たすのが、目標だ。村の人間に周知するのは、簡単だ。だが、話を聞かない男が1人いる。案の定、接触した。

「やあ、お嬢さん、久しぶりだね。君と添い遂げる障害は、消え去った。さあ、こちらへおいで」

 やむを得ず、シャルルの横を通り過ぎ、バカ男をヘッドロックして引きずり連れる。適当な部屋へ放り込んだ。

「お前は、バカか! 今、シャルルは人間恐怖症だ、と言っただろう。そんな状態で結婚したがるヤツが、何処にいるんだよ。しばらく出てくんな。俺も隠れてんだから。いいな。シャルルが部屋に戻るまで、この場を動くな。悪化するぞ」

「また時間さっこ」

「阿呆か! 反省しろ!!」


 シャルルを部屋に戻して、食事を持って行った。  

 食事がとれるなら心配はいらないという気持ちと、外に出たかったと罵るシャルルの顔が浮かぶ。

 魔獣の飯の心配なんかより、自分を大切にしていいのに。やっぱり、シャルルは、あいつなのか。

 俺は、シャルルに何をしてやれるだろう。あいつの笑顔をもう一度見たい。

次回、助っ人到着。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ