表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります  作者: 穂村満月
第九章.これはハッピーエンドですか?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

113/125

103.ジョエルとシャルルの秘密の話

 ジョエルとシャルルが、大事な話があるとやってきたので、シュバルツの家の部屋を借りて、話を聞くことにした。大事な話なら、他の誰かも巻き込みたかったのだが、繊細な話を含むからダメだと言われ、龍の力を使って、厳重に聞き耳対策をしてから聞くようにお願いされた。龍の力を使うのは構わないが、そんな大事な話は聞きたくない。聞く勇気がない。

「えーと、音漏れ対策はしたけど、話って何かな。本当に、話す相手は、私でいいのかな」

 確かに、生きてきた年数だけなら年長者なのだが、あちらでは勉強とバイトしかしてこなかったし、こちらでは一般常識に事欠く状態だ。なんで、私を話し相手に選んだのやら、心当たりがない。

「ルルーは、わたしとシャルルの結婚を決めたけれど、わたしたちは、結婚する意思がないことを伝えたかったんだよ」

 ジョエルの言葉に驚いた。

「なんで!」

「なんでも何も、シャルルは妹だから。大切だし、大好きだけど、ルルーだって御形と結婚しようとは思わないだろう?

 それに、シャルルも今やっと教育を受けて、自分の足で立ちあがろうとし始めたところだ。今、将来を決めてしまうなんて、可哀想だ。

 今までと同様、生活資金の保障はする。生涯面倒をみても構わない。シャルルが、本気でわたしと結婚したいというなら、受け入れる覚悟はある。それでも、現段階での結婚はない」

「そうなんだ」

 言われてみれば、どこかに薄っすらと「姉と呼んで欲しい」とかいうフレーズがこぼれていた。意味がわからないから夢だと思っていたが、リアルだったのか。なんて残念なリアルだ。

 しきりにシャルルが首肯いているから、合意の上なのだろう。それならば、私が言うことは何もない。15歳までに結婚させなきゃいけないの?! と慌てて間に合わそうとしたとか、ジョエルに問題を押し付けたとか、そういう話だったのだ。シャルルが嫌だと言うなら、やめて正解だ。

「ジョエルにあげようと、こっそり指輪を作ったのに。どうする? 妹へのプレゼントにしとく?」

 シャルルが前に気に入ったと言っていた、ロードクロサイトの指輪をジョエルに見せた。私の残念なんて、この程度だ。

「ルルーからのプレゼントにすれば、いいんじゃないかな。わたしがプレゼントするなら、自分で用意するよ」

「そっか。それもそうだね。少なくとも、本人の前で言ったらナシだね。シャルル、もらってくれるかな」

「ありがとう。嬉しい。大切にする」


「そういう訳だからさ。ルルーも、キーリーと結婚する必要はないよね?」

「え? なんで?」

 話は終わったと思って、油断をしていた。どこで何の話と繋がっているのか、まったくわからなかった。

「わたしとシャルルが結婚するから、ルルーはキーリーと結婚しなくちゃいけないことになったんだろう?」

「そうなのかな? なんか最近、キーリーが病んじゃって、話がよくわからなくなってるんだよね。私の夢がキーリーと結婚することなんだって、聞いたような気がするんだけど」

「ルルーの夢は、弟妹を笑顔にすることじゃなかったの?」

「!! そうだよ。それだよ。弟妹の結婚式に出たいんであって、私の結婚なんて、どうでもいいんだよ! あれ? 御形が、キーリーの弟になりたいんだったかな? もう情報過多で、訳わかんないんだよ」

 キーリーとシュバルツに顔を合わせる度に、いろんなことを吹き込まれすぎて、真実がなんだったのか、よくわからなくなってきている。2人が病んでいることはわかるのだが、弁では敵わないので困っていた。


「あのね。私ね。キーリーのことが、気になっているの。口が悪いから嫌いだったんだけど、優しい人だって気付いたの。だから、結婚しないで欲しいの」

 シャルルの顔が赤い。その上、涙目だ。本気のやつだ!

「ま、じ、か! キーリーすっごい喜ぶよ。病気治っちゃうよ。ちょっと待って、呼んでくる」

「だめ! だめなの。キーリーには、絶対に言わないで!」

「なんで?」

 シャルルとキーリーで大団円でも、私は一向に構わない。キーリーがあぶれるより、ジョエルが姉として残る方が幸せみも高くて、いいんじゃなかろうか。

「シュバルツ先生のことも、いいなって思ってるの。どっちが1番か決めきれてないから、どっちにも言わないで欲しいの」

「えーーーーー!」

 シャルルが、ぷるぷるしている。何これ、可愛い!  まさかの二股発言。確かに、それは言いにくい。でも、だからこそめちゃくちゃリアルっぽい。

「そっかぁ。私的には、一押しがジョエルで、二押しがシュバルツだよ。女癖が悪くてもいいなら、シュバルツ一択だよ。あんな便利魔人、他にはいないよ。でも、キーリーも悪いヤツじゃないよ。シャルルへの想いだけなら、突き抜けてるよ。だから、誰でもいいと思うよ。応援するよ」

 まさかの展開にびっくりはしたが、どっちに走ってくれても、私は問題ない。シュバルツの女癖の悪さだけは気になるが、アレは私にどうにかできる問題ではない。どうしようもない。

「時間が欲しいの」

「まだ身体を入れ替える魔法が見当もつかないから、ごゆっくりどうぞ。誰が良くても、入れ替わるまでは、イチャイチャ禁止だから」

「よく考える。ありがとう」

 妹分の笑顔は格別のご褒美のハズなのに、自分の顔だっていうのが、微妙だ。

次回、キーリーの恋バナを聞きます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ