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死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります  作者: 穂村満月
第八章.みんな可愛い私の弟妹

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97.帰郷

「ジョエル! 抱っこして!!」

 私は、舞踏会天井付近に現れた。転移ポイントの設定を失敗してしまった。使ったこともない魔法を適当に使った代償だ。

 シュバルツも近くに現れて、同じように落ちている。2、3階程度の高さなら、落ちても平気で着地しそうな気もするけど、守ると決めたんだから、絶対に守る!

「弟を守って」

 妹を2、3体飛ばす。

 ホッと息をついたら、もう私は地面だ。でも、何もしなくとも、ケガをすることはない。

「ルルー、飛び降りはやめようね」

「ただいま、ジョエル。ありがとう」

 やっとジョエルのところに帰って来れたよ。



 宿泊用の部屋に、みんなで戻って、報告会だ。

 私が勝手に何処かへ行ったと、みんなが怒っているのだ。私は、何も悪くないと思うんだけど。

「何をして、ここまで飛んだ?」

「シャルルは、ハーフじゃないんだよ。純血種なんだよ。しかも、心臓まで2つも持ってるんだよ。子は親を超えるのが相場なんだとしたら、いけんじゃないかなー、って精霊を根こそぎ奪ってみたんだよ」

「何の話だ。今まで、何処に行ってやがった」


「えと。順を追って説明するね。想像の部分もあるから、シュバルツの補足を後で聞いてね。

 まず、ドレスからこの服に着替えるのに、この部屋に戻ってきて、着替え終わって皆と合流しようとしたトコで、誘拐されたの」

 王子服を引っ張って見せた。ドレスじゃなくなってるのは、すぐに気付くと思う。

「誘拐犯は、金ピカドラゴンだったから、光龍かな? 試練がどうこう言ってたんだけど、あんまり私が話を聞かないもんだから、通訳として、シュバルツも誘拐されちゃったんだよ」

 今度は、シュバルツの袖を引っ張る。顔が怒ってるので、すごく怖い。命の危機に晒し放題になっているから、怒りたい気持ちはわかるが、私が悪いのかな? 私には、どうしようもできない話じゃなかったかな。どうしたら怒りを収めてくれるだろう。

「で、なんか色々シュバルツが、ドラゴンに脅されたんでしょ? だから、ちょっと腹が立ってさー。シャルルの両親を名乗る謎の生命体が出てきたんだけど、カチコーンってお姉ちゃん力を発揮して、逃げて来たんだよ。

 使ったことない魔法を使ってみたら、ちょっと失敗して変なところに出て来ちゃったんだけど、ジョエルがいたら、大体何でもなんとかなるよね!」

 なんて長い説明! シャルルになって、1番長く喋ったよ。説明してる私こそよくわかってないところばかりだから、うまく説明できないのと、説明したくない部分があるんだけど。

「シャルル、1番大事なところが抜けている。両親の正体を教えただろう。そして、顛末は、それでいいのか?」

 ちっ。適当で済まそうと思ったのに、シュバルツは許してくれないか。別に、細かく皆に開示しなくても良いと思って、あえて言わないで済ませたのに。

「わかったよ。言うよ。。。  シャルルは、龍の娘だった。で、親龍に勝たなきゃどうにもならなそうだから、龍になった。あれが実の両親だって言うなら、この先、私はモヤモヤしたり、地面になったりするかもしれない」

「モヤモヤって、なんだ?」

「知らないよ。私だって、あんなの初めて見たんだよ。あのモヤモヤは、本当に生き物かってところから、私が聞きたいくらいなんだよ」

「生き物じゃなくなっちゃうの?」

「わかんない。今のところは何ともないんだけど、この先、どうなるかわかんないからさ。今のうちだと思うんだよね。キーリー、シャルルに会わせてあげる」

「は?」

「ジョエルも、会いたかったら会わせてあげる。仲直りしておいで」

「わたしは別に、あっちのシャルルには」

 なんだよ。久しぶりに可愛いあの子に会えるって言ってんのに、テンション低いな!

「弟妹に会いたいから、私も行く。あっちに行ったら魔法は使えないから、時間制限を付けて、あちらに行く。時間は約1日。悔いのないように過ごしましょう」

 私は、2人の返事を無視して飛んだ。



 懐かしき我が家。皆の寝室に降り立った。外は薄暗い。これから日が昇るくらいだろう。私の可愛い弟妹たちは、全員寝ていた。少し面差しが変わっているような気もする。弟妹の成長を見逃してしまうなんて、なんてことだ。

 私は、うっかり靴を履いたままだったので、脱いで玄関に置いてくる。ジョエルやキーリーにも、靴を脱ぐように指導した。ついでに、武装解除もお願いした。職質されたら言い訳できない物を、沢山持ってる人がいる。


 寝室に戻ったら、鈴音を揺り起こす。

「鈴音、鈴音。起ーきーてー」

「んー。姉ちゃん、まだ早いって、、、誰?」

 姉ちゃんと呼ばれて、いけたかと思ったけど、やっぱりダメだった。愛の力だけじゃ乗り越えられなかった。残念だ。

「あー、ちょっと顔が違うけど、お姉ちゃんだよ。あっちのは、通りすがりの外国人。悪い人じゃないから、気にしないで。聞きたいこと聞いたら、一旦退散するからさ」

「え?」

「お父さんは、私たちのこと全く好きじゃないから、一緒に生きてこうね! って約束した仲じゃん。忘れちゃった? そうか、あの時、鈴音はまだ小さかったか。最近の出来事? えーと、いっくん元気?」

「やっ、やめて。わかったから、姉ちゃんだから。やめて!」

 よし。ナイスチョイスだ。まだ見ぬいっくんサンキュー。

「鈴音、皆まだ寝てるから、静かに」

「姉ちゃんの所為だよ。それで、聞きたいことって、何?」

「シャ、じゃない。わた? あー、ナズナ? どこ行ったの?」

「姉ちゃ、え、なんて呼んだらいいの? 姉ちゃんは、オーナーさんとこだよ。ここ最近、帰って来てないよ」

「え? お泊まり? 最悪じゃん。何してくれてんだよ。ちょっと行って、あ、オーナーさんちって何処よ」

「案内しよっか? 行ったことあるから」

「来て欲しいのは山々だけど、朝ごはん作るでしょ? 地図書いてくれたらいいよ。あと、今日、何曜日?」

「木曜日」

「じゃあ、みんなが学校から帰ってくる頃、またくるよ。一緒にご飯食べよう。バイトがあるなら諦めるけど、何もなかったら付き合って。明日は来れないんだ」

 私は、皆の朝食を用意して、外に出た。

話の切れ目が、おかしいですね。

次回は、このタイミングで、どうでもいい人の閑話を挟みます。

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