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陰陽相見える  作者: 霜月昴
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六話 お見合い⑥



 式神が彼女を襲う。

 「危ない!」

 とっさに自分の体を盾にして式神の攻撃を受け止める。その衝撃で俺も彼女も吹き飛ばされる。

 「痛う・・・!だ、大丈夫ですか!」

 彼女は痛みを堪えながらもこちらの心配をしてくる。陰陽師の扱う式神は人間の力を圧倒してくるからだ。だが俺には「仕込み」があったため大ダメージではない。

 「大丈夫だ。けれどこの式神を止めないと」

 「もう一度大符で」

 「いや、式神はそれでは止まらない。式神を操っているものを探さないと」

 「それはどこに?」

 「金生探符・索網飛針」

 敵意に反応し相手の居場所を特定する護符だ。護符は金属でできた針を作り出し針は術師の元へ飛んでいく。

 「あっちだ!」

 俺が指をさすと彼女は素早く護符を取り出す。

 「水生大符・竜牙飛翔!」

 水竜が出現し口を開けると牙状になった水が放出されその水圧で対象を切り刻む護符だ。

 水飛沫が上がり小雨が降る。

 そこには式神が地面に倒れていた。

 「操っていたものも式神。つまり相当な実力者が俺達を狙っていたと言う事か」

 地面に倒れる二体の式神はやがて粉々になって消えて行った。

 「ありがとうございます。私一人では対応できませんでした」

 「いや、構わないよ。こちらこそ上手くフォローできず申し訳ない」

 「いえ、とても助かりましたありがとうございます、鐘羽さん」

 そう言って微笑む彼女の笑みを純粋に可愛らしいと思った。

 「唐突ですが今週の日曜は予定が空いてますか?」

 そう聞かれて俺は「予定は無いです」といつの間にか答えていた。


 ※


 あの仕事のあとでまさかのデートの申し出があった。

 帰宅して結果を聞いてくる両親にその事を告げると踊るように喜んだ。

 だが俺は楽観していない。デートの申し出と言ってみたが俺には話を断るために会うのだと思っていた。

 (水成さんもわざわざ会わなくても文面とかで断ってくれれば良いのに)

 などと思ってしまう。自然と服選びも億劫になり、デート場所も決まらない。

 (遊園地とかか?それともショッピングとかの方が喜ぶのかな?場所や日時はお任せだなんて、面倒ごとを押し付けられた気がするんだけどな)

 家の中にいても考えがまとまらないうちに「用事」の時間がやってきた。正午から会うことを約束していた人物がいるからだ。

 俺は考え事を止めて俺は外出する準備をした。


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