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「LGBT」というレッテルを貼られて。  作者: 千石杏香
同性愛者に育てられた子供の悲痛な叫び
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6.赤の他人が親になるのは異性愛者でも難しい。

そもそも、赤の他人が親となることは異性カップルでも難しい。


児童養護施設で育った私の知人はこう語っていた。


「誰かの養子に取られるだなんて、想像するだけでも怖かったですよ。実の親との縁が切れて、見ず知らずの大人が、『私たちが新しいお父さんとお母さん』と言ってくるんですよ? 私が同意せずとも、そんなことが行われる可能性もあったわけです。」


このことを知人に話すと激しく同意していた。


「そりゃそうですよ。私も、親が離婚して、父親に引き取られたんですけどね。父の再婚相手から、私が新しいお母さんなんて言われたとき、ふざけんじゃないよって思いましたよ。」


当然の反応だと思う。親子関係とは、レゴブロックのように自由自在に継ぎ()ぎできるものではない。これに加え、同性カップルともなれば、さらに複雑な事情に置かれることとなる。


同性カップルが子供を持つ方法には、およそ以下の三つがある。


1.子持ちのパートナーと結婚する。

2.養子縁組を行う。

3.代理母出産や精子提供を頼る。


複雑な事情が最も少ないのは「1」ではないだろうか。しかし、同性カップルに育てられた先の四人も「1」のパターンだった。


加えて、同性同士で結婚することは、子供にカミングアウトすることだ。両親が別れただけでも子供にはショックなのに、親の再婚相手が同性愛者となれば困惑はさらに大きいだろう。


そのうち、子供を連れて「結婚式」を開くLGBT活動家が現れても私は驚かない。そうなれば、杉山文野と同じように、子供の姿と「結婚式」とをメディアの前に彼らは晒すだろう。


何かの配慮がここには必要だと思う。


もしかしたら、パートナーシップ制度が鍵を握っているのかもしれない。同居している小父(おじ)さんや小母(おば)さんとの関係は、相応の年齢になるにつれて理解してもらうという方法もある。


では、「2」の養子縁組の場合はどうだろうか。


現在、日本には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の二つが存在している。


「普通養子縁組」の場合、他人が養親となっても実親との関係は残る。


「普通養子縁組」を説明するうえで分かり易いのは、子持ちの人が再婚した場合だろう。再婚したとしても、新しい親と子の間に法律的親子関係は自然には生じない。だからこそ、親権や相続などの問題を解決する場合は養子縁組を行う必要がある。


この普通養子縁組だが、十五歳未満の者は法定代理人が縁組を承認できる。


養親となる者の条件は、二十歳以上であること・養子より年上であること・尊属ではないことだ。つまり、普通養子縁組を通じて同性カップルが子供を取ること自体は、同性婚がなくとも出来るのだ。


問題は、「特別養子縁組」のほうだ。


「特別養子縁組」は十五歳未満の子供を対象とした制度である。「普通養子縁組」との最も大きな違いは、実親との関係が消失する点だ。「普通養子縁組」の場合、戸籍には「養子」と書かれて実親との関係が残る。しかし、「特別養子縁組」の場合は完全に実子となり、実親が他人となる。


もちろん、特別養子縁組を行うためには実親の承諾が必要だ。しかし、子に著しく害のある親の場合はその限りではない。


養親となる者の条件は、配偶者があることだ。


民法八百十七条 三・一「養親となる者は、配偶者のある者でなければならない。」


つまり、ここに特別な条件を加えない限り、同性婚を認めた場合は特別養子縁組も認めることとなる。


この「特別養子縁組」だが、「子供のための制度」だと一般的には言われている。しかし、本当だろうか? 冒頭で述べた私の知人は、実の親と縁が切れることこそが恐ろしかったと言っていたが。


当初、「特別養子縁組」を行うことが出来る子供は六歳未満までであった。それが後に十五歳未満へと引き上げられる。ここには、児童養護施設に遣う税金を減らし、口減らしのために特別養子縁組を活用する意図が透けている。


特別養子縁組を斡旋するNPOは、「お父さんとお母さんが欲しい子供のために」と謳っている。しかし、「子供が欲しい大人のために」であることは明らかだ。同性婚が成立した後、彼らはどう言うのだろう? ひょっとしたら、「家族が欲しい子供のために」と言うのかもしれない。

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